麻酔 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (460ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633055

感想・レビュー・書評

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  • H25.9.13
    子宮筋腫の手術を受けた妻邦子は、麻酔のミスで意識不明のまま眠り続ける。福士高伸は妻の意識が戻るよう、夜の病床で妻を密かに愛撫さえしたが、いっこうに目醒める気配もない。母のいなくなった家庭は次第に虚ろなものになっていくが、高伸は仕事に没頭していく。医療過誤と家族の絆を描く感動の長編。

    淡々とした物語だということが第一印象。でも読み進むうちにこれは医療過誤で苦しむ多くの人がいるということを伝えるためのものなんだと感じ始めてからは、いろいろ考えるようになった。改めて今私自身や周りの人が健康で過ごせる幸せを感じた。

  • 題材そのものには興味をひかれたけれど、これも含めて、渡辺氏の作品はいつもかなりの男性目線。

  • 熱く、そして強く…!
    語って良いっすかっ(`□´)?!


    おおまかなあらすじは、
    子宮筋腫の手術を受けた妻が医療ミスで
    意識不明になって死んでしまう、と言う話。


    病院って恐ろしい所だな…と、感じました…。

    確かにね、体調が悪くなった時、どこいく?っつたら
    病院だし、死っつーものから助けてくれるのは
    病院しかないと思う。

    でも同時に殺人と言う方法ではなくて、
    死っつーものに向かわせる場所も病院だと思う…。

    なんかうまい事言えないけど、
    人間の生死って、お医者さんに委ねられる、みたいな感じが
    怖いな…と。

    もちろん救ってくれるのもお医者さんなんだけどさ。



    以前ね、うちの母親が盲腸になった事があって、
    その時、誤診をされたのよ。
    地元じゃ有名な某大学病院です。

    尋常じゃない痛みだって言ってるのに
    『胃腸炎です、次の日には治ります』って言われて家に帰らされたんだけど
    それを2回位繰り返したのかな…、
    で、3回目行ったら、
    腹膜炎一歩手前の盲腸で、緊急手術だったのよ…。


    結局、誤診だとは認めず、
    最初に診察した医師と会う事はなく退院。

    これって医療ミスではよくあるパターンだそうで…。


    誤診した医師は雲隠れ。
    他の科の医師が謝罪。
    お金で示談。


    でも医療が進歩しても
    その医療を扱ってるのは所詮人間であって
    人間はやっぱり間違えることもある…。

    考え出したら止まらないです…。
    なんだか分かんなくなります。


    でもただ一つ、はっきり分かる事と言ったら、
    病院って結構冷酷って事。

  • 01.3.3

  • ストーリーも、登場人物のひとりひとりの人物設定もいまいち中途半端。
    うーん。

  • 渡辺氏お得意の医療モノ。
    局所麻酔での簡単な手術を受けた妻が、
    何故か麻酔が効きすぎて意識が無くなる。
    医療ミス・植物人間の介護・家族愛・夫婦愛。
    非常に重いテーマではあるが、
    時折織り込まれているそこはかとないエロティシズムのおかげで
    スイスイ読み進むことができる。

  • 妻が医療ミスのために植物人間になるお話。人を許すということがどういうことかを考えさせられる。

  • 子宮の手術でつかった麻酔で目覚めない妻。。。家族。。

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著者プロフィール

1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。1970年『光と影』で直木賞。80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で吉川英治文学賞受賞。2003年には菊池寛賞を受賞。著書は『失楽園』『鈍感力』など多数。2014年没。

「2021年 『いのちを守る 医療時代小説傑作選』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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