名探偵の呪縛 (講談社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 講談社 (1996年10月14日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633499

名探偵の呪縛 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • なんだこれ?っと思った作品。著者が主人公として登場し、過去に自分で作り上げた世界に入り、次々と起こる殺人事件のトリックを解きながらこの世界に封印された本格推理小説を見つけるという話だが、面白いのは本格推理小説を封印したのは作者自身であり、この小説を通して作者の心境の変化が感じられるところである。
    また、作者である東野圭吾氏の考え方が垣間見得たようで面白かった。

  • 未知の世界へ迷い込んだ主人公。小説家だった彼が周りから探偵の天下一として扱われている。歴史のない街に現れたミイラとそこから盗み出された何か。それを解決に導こうとするなか事件に遭遇する。登場人物の名前が単純で駒のようなものであるのは彼が昔書いた小説の世界だから。過去がないのも、現実ではなく彼が作り出した世界だから。彼が、自分自身が楽しくて書いていた小説を他の人の目を気にするばかりに否定してしまったことでその小説の世界は中途半端なものになってしまった。地下にいたミイラは彼が自ら主人公をころしてしまったことを比喩していた。昔の気持ちをすっかり忘れてしまっていた主人公が小説を楽しんで書いていたことを思い出すというような話で面白かった。

  • 名探偵の掟を先に読んでなきゃ意味がわからない作品です。
    小説の中と現実とで入り乱れるSF感もあり、本格推理小説とはちょっと離れるようなズレた推理小説

  • 出だしがプルトニウム239が出て来たので、
    かなり科学小説を期待しました。

    残念ながら,図書館から本の世界に入って行って科学ネタはおしまい。
    携帯電話のない世界。なるほど,時代を限定して書きたいときに使う手だと思いました。

    本格推理小説のない世界で,本格推理小説について説明するという
    自分の得意分野で相撲を取っている。
    たしかに一人勝ちのような気がした。

    本の世界なら,「魔法の声」「魔法の文字」の方が面白い。

  • 1996年発行の文庫書き下ろしで、たまたま手に取りました。「名探偵の掟」の続編ということは、読んだ後知りました。序章の入り方がまず嫌な感じで、嫌な予感がしつつ読んでたのですが、本編は普通の?推理小説。終章を読んで、東野さん自身の推理小説との訣別の話なんかなぁと。昔の作品は、どうやって誰が殺したかに重点を置いてて、心理とか動悸はわりかし二の次感があったけど、その後、心理描写が良くなってきて、面白くなってきたので、ちょうどその頃の作品なのかな?と思いました。この設定はあまり好きではないですが。

  • 本格派推理小説を揶揄する天下一探偵が活躍する長編シリーズ。
    天下一ものはブラックなユーモアが多くて結構好きなのですが
    今回はなぜ東野圭吾が天下一探偵というキャラクターを
    作り出して本格推理小説を揶揄するような小説を書いたのか
    よく分かる作品でした。

    物語の中の各殺人事件の謎解きはチープな感じなのですが
    その世界に対する謎は結構興味深く最後にはそういうことかと
    納得しました。

    東野圭吾が自分のために書いたような小説のように感じられますが
    それでも楽しめました。

  • 題名どおり、探偵小説だが、幻想小説でもあって、作者の本格推理小説への郷愁と現時点での訣別の想いが感じられる作品。

    作家が図書館で不思議な体験をする序章に始まり、第一章では、暮礼路市に案内されて、記念館の地下室で盗掘されたものを取り戻すことを市長から依頼される。
    第二章では密室殺人、第三章では人間消失、第四章では館の連続殺人と、本格推理小説でお約束の謎が示されるが、いずれにおいても、探偵天下一は鋭い推理を披露する。
    第一の事件における「壁に寄せられた家具の謎」、第二の事件における「凶器の状態から導かれる推理の論理性とその真相の意外性」、第三の事件における「実行可能性からの犯人特定と動機のユニークさ」など、いずれもよくできている。
    「そして誰もいなくなった」、「Xの悲劇」等のパロディーと思われる遊び心も感じられる。

    さらに、この作品には次のような謎も盛り込まれている。
    「盗掘されたものは何であったか。また、それが象徴するものは?」
    「市長が天下一に依頼した本当の目的は?」
    「クリエイターとは誰のことか?」
    「ミイラの正体は?」

    本格推理小説として見ても良作だが、さらに本格推理小説に対する作者の想いが感じられる作品であった。

  • 不思議な世界に作家が迷い込み、名探偵に。

  • 「天下一探偵シリーズ」の長編作品。
    しかし全くと言っていいほど、雰囲気が違う。テイストが。コメディタッチじゃない。普通…とも違うけど、まあ推理小説。
    印象としては「東野さんは強い思い入れ、あるいはメッセージをこめたけど、こっちには伝わらない」ってな感じ。

  • 図書館を訪れた「私」は、いつの間にか別世界に迷い込み、探偵天下一になっていた。次々起こる怪事件。だが何かがおかしい。じつはそこは、「本格推理」という概念の存在しない街だったのだ。この街を作った者の正体は?そして街にかけられた呪いとは何なのか。『名探偵の掟』の主人公が長編で再登場。

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