帰ってきた空飛び猫 (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (94ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062633703

感想・レビュー・書評

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  • 最後の名前を決めるところがよかった。
    あとあとがきが良い。泣いた。

  • 『空飛び猫』の続編にあたります。
    前作同様、村上春樹の暖かな翻訳が冴える作品だと思います。

    ル・グウィンが、猫に対して愛情をもって作品を作ったことが感じられますし、周囲の全てを「敵」と思って排除しようとしている、追い詰められた黒猫には心が痛みます。

    作品同様に、村上春樹による解説も読み応えがありました。たしかに、実学的な効果や有用性のないファンタジーである本作ですが、その存在意義についての村上の指摘(ファンタジーというものはとても個人的なものなのです。それはあなた一人に向かって開いたり閉じたりする窓なのです。……それが正しいか正しくないかなんて、役にたつかたたないかなんて、そんなのは別にどうでもいいことです。)には感動しました。

  • 母猫の元を旅立った空飛び猫たちが、また母猫に会いに行く冒険ストーリー。
    都会に向かうのは親切で翼に傷のあるジェームスと小柄なハリエット。
    猫たちも1作目より少し大人になったね。
    お母さんいた!良かった。
    ついでに黒い空飛び子猫!
    心がほっこりする猫ファンタジーで大好き。

  • 空飛び猫リターン。
    ドキドキ。そしてやっぱりホロリ。
    今回の訳注は非常に興味深いものでした。
    あとがきも素敵。

  • 翻訳もあと書きも秀逸な作品。無表情に見える絵は違和感がありますが、甘ったるい絵と翻訳だったら読み手を随分限定することになったと思うのでこれで良いのではないでしょうか。特別猫好きではなかったけれども、このシリーズはかなり好きで、今後にますます期待しています。

  • 話の展開が早く知りたくてしょうがない。
    絵が素敵。
    また読んでみたいなと思ってしまう。

  • 空飛び猫の続編。『帰ってきた』には、2つの『帰った』があります。1つは空飛び猫がふるさとに帰る『帰ってきた』、もう1つは里帰りして、再び現在の移住地に帰る『帰ってきた』。距離的には1日で飛べるくらいのところのようなので、たいした距離じゃないのかもしれないけれど、行きより帰りのほうがハラハラしたのは、やはり2人が疲れていたからなんだろうと思う。

    最後の場面の黒ちゃんの照れ隠しはめっちゃ可愛い♪

  • (2006.04.15読了)(2006.03.05購入)
    「空飛び猫」第二弾です。読み始めたらすぐ読めてしまうから第4弾まで、一気に読んでしまえばいいんでしょうけれど、難しいものや長いものを読んでちょっと一休みしたい時に読むのもいいんじゃないかと思います。
    村上さんがあとがきに以下のようなことを書いています。
    「おい、羽の生えた猫の話なんかもういい加減にしてくれよな。こんな子供だましの話が一体なんの役に立つんだよ」という人も中にはいるかもしれませんが、マアこういう本が世の中にもう一冊くらい余分にあったっていいではないですか。(92頁)
    役に立つ本をお望みの方には、縁のない本です。

    セルマ、ロジャー、ジェームズ、ハリエットの4匹の羽の生えた猫は、「丘の上農場」の干草を作るための古い納屋に住んで、ハンクとスーザンという二人の子供にかわいがられています。羽の生えた猫のことを親に話しても信じてもらえないでしょうし、実際に見てしまったら見世物にしてしまうだろうと、内緒にしています。
    4匹の空飛び猫は、都会で生まれたのですが、羽のない母親に都会を離れた方がいいといわれて、都会を遠く離れた森にやってきたのです。
    ジェームズとハリエットは、母親に会いに都会まで戻ることにしました。セルマとロジャーは、二人の子供のためにここに残ることにします。
    ハリエットとジェームズは雨の中を出発します。雨の日なら「誰も空なんか見上げない」からです。2匹は、帰巣本能に従って飛び、生まれた街にたどり着きます。でも、なじみの「ゴミ捨て場」は見つからず母親も見つかりません。
    母親を探しているうちに、一匹の子猫を見つけます。真っ黒な子猫ですが、羽が生えています。捜している母親の子供に違いありません。母親も近くにいるに決まっています。「お母さんは子猫を一人ぽっちにして、長く家を空けたりしない」(46頁)
    子猫にネズミを捕ってきてあげたりしながら母親を探します。でも、隠れがの建物が、破壊球をぶら下げたクレーン車により壊されてしまったので、3匹で逃げ出します。ムクドリから聞き込んだ猫の居場所を捜して、母親にやっとめぐり合います。
    母親はアパートの屋上で、暮らしていました。下の階に行く扉には鍵がかけられているので、子供を捜しに行くことができなかったのです。
    「この子を一緒に連れて行って頂戴。それが私の望みよ」とジェーンの母さんは言いました。(72頁)
    ジェームズとハリエットは、変わりばんこに子猫を背中に乗せて帰巣本能に従って飛び、「丘の上農場」に帰り着きます。

    ☆関連図書
    「闇の左手」U.K.ル・グィン著・小尾芙佐訳、ハヤカワ文庫、1978.09.30
    「影との戦い ゲド戦記」ル・グウィン著、岩波・同時代ライブラリー、1992.03.16
    「空飛び猫」ル=グウィン著・村上春樹訳、講談社文庫、1996.04.15

    (「BOOK」データベースより)amazon
    平和な森でのびのびと暮らすセルマ、ロジャー、ジェームス、そしてハリエットの仲よし4兄弟。喧噪の街に残るお母さんが気になって飛んでいってみると―。こわされる直前のビルのかげに小さな翼をはやした影。それがジェーン、彼らの小さな妹だったなんて。『空飛び猫』につづいて、おたのしみください。

  • この本が絵本という性質のせいなのか、教育的なところが少々鼻についたりするのですが、このシリーズの中では話が一番楽しめます。

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