- Amazon.co.jp ・本 (538ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062635516
感想・レビュー・書評
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浅田次郎は一流のストーリーテラーでエンターテイナーだと感じました。
個人的に、最後は少しお話がきれいにまとまりすぎていて、メルヘンチックなものを感じたので、★を1つ減らしました。
でも、読んで損のない本です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
責任と勇気。
この言葉が本書を表現する一番適切な言葉だと思う。
主人公も女学生たちも周辺の人物も
まさにそれをすべて成し遂げていた。
話の舞台と展開は、悲劇そのものだけど
悲しい、切ないのではなく
登場人物らが責務を全うしたことに対する畏敬の念や
それを受けて今の自分を振り返り
今後どうするかを考える示唆を与えてくれた気がする。
読後はスッキリした気分になった。
最終章はやや蛇足感があった。
展開を追っていれば想像できる結末なので
想像で十分補えたのでは。 -
先日実家からたまたま借りてきました。
戦争の話はやはり重いから、普段はなかなか手に取らないけど、ちょうど終戦の夏だったから、厚いけど読んでみることにしました。
そしたら、大正解!!!
おもしろかったー。浅田次郎さん自体久しぶりだったけど、これがめくるめく浅田ワールドだよなー。人物描写が迫りくる感じがする。
真柴もいいし、金原もいい。小泉もいい。
真柴が話の中心ではあるけど、戦後家族を持ち、事業を拡大していった金原の苦悶もとても大きいと思うから、金原のスピンオフも読みたいと思ったり。
それに、堺雅人さんの真柴はぴったりな気がして、映画も観たいー。 -
終戦直前、軍の命を受けた3人の男が秘密の財宝を隠すことになった。
使役として集められたのは35人の年端も行かぬ少女達とその担当教師。
無事に任務を全うした後に待っていたことは…
どこまでが事実で、どこからがフィクションなのかを思い悩むほど、ありえそうな話。
現代と50年前を交互に書くことで、その謎に迫る手法に、ページをめくる手を休めることが出来なかった。
戦争によって、多くのものを背負わされた人達の葛藤、実際にも沢山あったことだろうと思った。
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お宝探しが始まるのかと思ったら、そうじゃなかった。
終戦を控えた数日間で、日本を終戦後の破綻から救うため、スパイ映画のようなやり方で極秘に執行されたミッション。詳細を知らされず、戸惑いながらも、急ごしらえで任命された三人の若者が、軍人として鍛えられた良識、官僚の良識、辛い野戦経験ゆえの達観、それぞれの思いを持ちながら、自分の役割を果たそうと奔走する。
ミッションの結末は、あぁやっぱり…。三人が最後の最後に時代の狂気に抗おうと行動したことだけがせめてもの救いなのでしょうか。
緊迫感、スピード感、そしてなにより「日本のいちばん長い日」の、あの日の出来事との連動がなんだかリアルで、あっという間に読み終えてしまいました。
後半に描かれる、財宝奪還に執念を燃やすマッカーサー像も新鮮でおもしろかった。 -
浅田次郎の初期の作品。あとがきで本人も述べている通り、文章やストーリー展開に拙い部分もあるが、それでも読み始めると一気に読ませる娯楽小説としての面白さはさすが。
蒼穹の昴もそうだが、史実を上手く織り交ぜながら歴史ものの壮大なフィクションをを描くのが非常に上手だと思う。 -
日輪の遺産とは、マッカーサーの資金ではなく、真柴老人の、そして少女達の生き様である。と考える。
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マッカーサーがこの小説に描かれているような人物であったらとても興味深い。映画より原作が断然良い。
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20160621 読み応えのある大作だと思います。当然フィクションなんですが、実際にあれば夢あるねーって感じです。最後は悲しいけど。やっぱり戦争は悲しい結末しかないよね。
マッカーサーが日本人の真髄はスゲーみたいな事言うけど、著者の想いが強すぎてマッカーサーの口から出てしまった感がある。まぁスゲーけどな。 -
浅田次郎らしい、一癖も二癖もある登場人物の数々に、重厚で骨太な物語構成。数ページもめくればすっかり虜になってしまう、強い引きがある。