震える岩 霊験お初捕物控 (講談社文庫)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062635905

感想・レビュー・書評

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  • 全1巻。
    でもシリーズになるっぽい。

    捕り物なんだけど、
    ただの人情ものじゃなく、
    オカルティック伝奇捕り物ミステリーな感じ。

    主人公が霊能力者な才能を持つ町娘で、
    オカルティックに事件を解決っていう、
    あらすじだけ見たら敬遠しそうなトンデモ設定。

    が。
    騙されたと思って読んでみて。
    個人的にオカルトはあんまりだけど、
    これはすごくいい。

    おきゃんな主人公と、とぼけたパートナーが、
    ドロドロしそうな舞台を明るく軽快な空気にしてて、
    オカルト臭はあまり気にならない。
    表紙で損してると思った。
    気分的には「ぼんくら」シリーズみたいなノリ。

    で、
    裏表紙にも書いてるけど、
    事件はやがて100年前の「忠臣蔵」事件につながっていく。
    霊能力っていうトンデモ設定があるからこそできる
    スリリングでスケールの大きな展開に
    ぐいぐい引き込まれて手が止まらない。

    忠臣蔵の謎、その解釈も、
    どっかの歴史ミステリー作家より説得力があり、
    忠臣蔵で1本書いてもらいたい感じ。


    「耳袋」
    「霊能力」
    「忠臣蔵」
    虚実のバランスが素晴らしく、
    緻密な構成はさすが。
    クライマックスのスピード感ある盛り上がりはスゴい。
    全体的にすごく映像的で、
    映画化したらはまりそう。


    ちなみに、
    主人公を可愛がってる町奉行は、
    平岩弓枝「はやぶさ御用帳」のお奉行さま、
    根岸肥前守。
    今作の中で割と大事なアイテムである
    根岸肥前守の著作「耳袋」について、
    あっちでも取り上げた話がある。
    1話だけ。

  • 宮部氏の歴史ものは初めて読んだ。推理ものに超能力というエッセンスを加えながらも、その能力を限定させることによって物語を面白くさせていて凄いと思った。新しい著者なりの忠臣蔵の解釈も良かった。

  • 時代物で超能力物…『靈験お初』だなんて、どうしたって読みたくなるでしょ(笑)
    やはり、宮部さんの作品は登場人物が秀逸です。
    主人公だけではなく、取り巻く人々が細やかな描写で、想像力豊かな私は、読み進めると脳内ドラマが繰り広げられて楽しかったです。
    御前様にお会いしたい

  • 短編集と思いきや、最後にこうくるとは!宮部さん、上手い!!

  • 忠臣蔵が絡む悪霊の話。霊感の強い、とても強いお初が100年も昔の悲しく恐ろしい謎を解きます。
    夜中に読むには恐ろしい、でも次どうなるのかドキドキしながら読み終えました。

  • 再読。すっかり内容を忘れていて、驚いた。こんなにうまい作品だったなんて。生類憐みの令、忠臣蔵、死人憑き、耳袋、そして超能力。それらの軸を巧みに複雑にからませあわせて、見事な謎解きに導いていく。そのうえ、古沢父子の確執と情愛を最後にからませるあたりが宮部さんの仕掛けと謎解きだけに終わらない味付け。最近歌舞伎にはまっているので、この時代をより身近に感じて物語に入り込めたのかもしれない。中村座の忠臣蔵のお芝居のシーンもクライマックスの舞台になってるし。いやいや読み直してよかった。これを忘れてたなんて勿体ない。

  • 実在の、肥前守の随筆『耳袋』の中の"奇石鳴動の事"、この謎をモチーフにして構想されています。

    実に巧妙で、二重の伏線が張られていますが回収も実に見事です。

    忠臣蔵に関する知識が全然なかったので理解しづらい点も多かったのですが、忠臣蔵読みたい!って強く思いました。
    こんなのも読書の素敵なとこ!^^

    このシリーズは、宮部さんの『かまいたち』の中にある短編の続編という形になっていて、非常に面白かったです。

  • 時代物が苦手だと思っていたが、読み込ませてしまう宮部みゆきは凄い。食わず嫌いだったのかと悩むほど。

    所々、東京の地名が出てきて行きたくなった。

    忠臣蔵や実際に存在する耳袋の物語との絡みが実にうまい。妄想力高すぎ!

  • 宮部さんの時代物にはまるきっかけになった一冊。
    冬になると読みたくなります。。。討ち入りの時期w

  • 宮部みゆきは歴史物が一番面白い。
    20181217再読
    何度も読み直している作品。今読むと、書きぶりなんかが、宮部さんの初期の作品だなぁという感じがする。初期作品でこのレベルだなんて、本当にすごい作者さんだと思う。忠臣蔵の使い方もうまい。しかし、続編がでないなぁ。

著者プロフィール

1960年東京都生まれ。87年『我らが隣人の犯罪』で、「オール讀物推理小説新人賞」を受賞し、デビュー。92年『龍は眠る』で「日本推理作家協会賞」、『本所深川ふしぎ草紙』で「吉川英治文学新人賞」を受賞。93年『火車』で「山本周五郎賞」、99年『理由』で「直木賞」を受賞する。その他著書に、『おそろし』『あんじゅう』『泣き童子』『三鬼』『あやかし草紙』『黒武御神火御殿』「三島屋」シリーズ等がある。

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