- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062635905
感想・レビュー・書評
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宮部さんの時代物は初読みです。人には見えないものが見えたり、聞こえたり、幻を見たり…普通なら気がおかしくなるような自分の特性をしっかり理解して事件を解決に導いて行くという。忠臣蔵に絡めて書いてあるので、歴史本としても楽しめました。ストーリーは残忍な描写もあり、痛々しく思う所もありましたが息をもつかせぬ展開であっという間にページをめくり終わりました♪もやもやとした終わりがちょっと苦手なときもある宮部さんでしたが、「時代物ははずさないから」と勧められ借りたのですが、全くその通りでした♡
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時代小説+推理もの+オカルトって食い合わせ的にどうなんだろうと思いながら読み始めましたが、さすが宮部さんは上手いです。
死人憑きのあたりから、ぐいぐい読み進められました。
子供が犠牲になる事件から、赤穂浪士が繋がるのは、こうくるかという感じ。
ヒロインのお初は「かまいたち」にも登場しているらしいけど、随分前に読んだ作品なのでどんな作品だったかあまり憶えていません。
より楽しみたい人は「かまいたち」から読んだ方がいいかもしれませんが、この作品だけでも十分楽しめます。
シリーズ次の作品も読んでみたい。 -
再読。1993年9月上梓。江戸人情捕物ファンタジーですが、(天狗岩と比べると)ホラー色の強い仕上りです。この時期の宮部さんのお話がとても好きです。
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人の感情や過去の出来事を読みとる力のある初と、武家の嫡男に生まれながら算学に走る右京之介が事件を解決して行くお話。
赤穂浪士が関わっており、事件の内容もおもしろい。
肝の座ったお初と、やや頼りなかった右京之介のやりとりもおもしろい。
そんな右京之介の表現仕方が宮部さんらしく、素晴らしいと思う。 -
全1巻。
でもシリーズになるっぽい。
捕り物なんだけど、
ただの人情ものじゃなく、
オカルティック伝奇捕り物ミステリーな感じ。
主人公が霊能力者な才能を持つ町娘で、
オカルティックに事件を解決っていう、
あらすじだけ見たら敬遠しそうなトンデモ設定。
が。
騙されたと思って読んでみて。
個人的にオカルトはあんまりだけど、
これはすごくいい。
おきゃんな主人公と、とぼけたパートナーが、
ドロドロしそうな舞台を明るく軽快な空気にしてて、
オカルト臭はあまり気にならない。
表紙で損してると思った。
気分的には「ぼんくら」シリーズみたいなノリ。
で、
裏表紙にも書いてるけど、
事件はやがて100年前の「忠臣蔵」事件につながっていく。
霊能力っていうトンデモ設定があるからこそできる
スリリングでスケールの大きな展開に
ぐいぐい引き込まれて手が止まらない。
忠臣蔵の謎、その解釈も、
どっかの歴史ミステリー作家より説得力があり、
忠臣蔵で1本書いてもらいたい感じ。
「耳袋」
「霊能力」
「忠臣蔵」
虚実のバランスが素晴らしく、
緻密な構成はさすが。
クライマックスのスピード感ある盛り上がりはスゴい。
全体的にすごく映像的で、
映画化したらはまりそう。
ちなみに、
主人公を可愛がってる町奉行は、
平岩弓枝「はやぶさ御用帳」のお奉行さま、
根岸肥前守。
今作の中で割と大事なアイテムである
根岸肥前守の著作「耳袋」について、
あっちでも取り上げた話がある。
1話だけ。 -
ほんのり恋愛小説である。だから、ほのぼの読んだ。
大石内蔵助、五代将軍綱吉、右京之助の因果がよく分からない -
昔の名前や役職があり読みにくいが、無理の無い展開の内容とスピード感が絶妙。大どんでん返しまでは届かない意外性も秀逸。
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時代小説。かまいたちで登場したお初が主人公。
最後どうなるかドキドキした。
長編だからか細かい描写があり、早く進んでくれと思ってしまった。忠臣蔵がガッチリ関連するのかと思ったらそうでもなく、逆に混乱した。なんで絡めたのか。 -
「宮部みゆき」の時代小説『震える岩 霊験お初捕物控』を読みました。
「浅田次郎」作品、「佐伯泰英」作品、「山本一力」作品に続き、時代小説です、、、
「宮部みゆき」作品は、一昨年9月に読んだ『楽園』以来なので2年半振り… 久しぶりですね。
-----story-------------
事件の予兆と、恋の予感。
人は狡いし、汚い。だけど優しくて、美しい。
これが「宮部みゆき」の世界。
「霊験お初」シリーズ第一弾!
死んだはずの人間が生き返る「死人憑き」が本所深川で起きた。
甦った人物が以前より若返っていると感じた「姉妹屋」の「お初」は、老奉行の御前さまから紹介された与力見習の「右京之介」と探索を始めた。
だがその時、油樽から女の子の遺体が発見される。
人は過去にも家族にも縛られる。
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霊感の持ち主「お初」を主人公としたシリーズの第1作… 「新人物往来社」の臨時増刊号『時代小説』1992年(平成4年)冬号・1993年(平成5年)春号で発表された『百年目の仇討始末』を改題・加筆した作品です、、、
『霊験お初捕物控』というサブタイトルが示すとおり、超能力や怨念というオカルト的な要素を捕物帳とミックスさせた異色作品… 「宮部みゆき」らしさ満載の物語でしたね。
■第一章 死人憑き
■第二章 油樽
■第三章 鳴動する石
■第四章 義挙の裏側
■第五章 百年目の仇討始末
■解説 菊池仁
兄嫁「おその」と一膳飯屋を切り盛りする16歳の「お初」は、人には見えないものが見え、聞こえないものが聞こえる霊感の持ち主… その不思議な力を発揮しては岡っ引きの兄「六蔵」を助け、南町奉行のもとに出入りして内々の働きをするようになっていた、、、
町奉行「根岸肥前守鎮衛」から押し付けられた形の与力見習い「古沢右京之助」や「六蔵」とともに、「お初」は死人が生き返る死人憑きや2件の幼児殺し、奇石鳴動の謎の探索にあたる… 機会な事件の背後には100年前に怨みを残して死んだ浪人の死霊と赤穂浪士の討ち入り事件が絡んでいた。
オカルト的要素を含んでいるものの、決してグロテスクな作品ではなく、『仮名手本忠臣蔵』の真相等もうまく絡めてあり、面白く・巧く仕上げてあったと思います、、、
弱弱しい印象だった「右京之助」が成長していく姿や、「右京之助」と「お初」の友だち以上・恋人未満の関係等、シリーズとして愉しめそうな要素も含まれており、次作を読みたくなる展開… 相変わらず「宮部みゆき」作品は読みやすいですね。
以下、主な登場人物です。
「お初」
16歳のとても元気な女の子。一膳飯屋「姉妹屋」を手伝っている。
人には見えないものが見える不思議な能力を持っている。
「六蔵」
岡っ引きの親分で、お初の兄。
「おその」
六蔵の妻で、お初とともに一膳飯屋「姉妹屋」を営んでいる。
「根岸肥前守鎮衛」
町奉行。不思議な話を聞くのが趣味。「耳袋」を書く。
「古沢右京之助」
算学が大好きな17歳。
同心与力の父を持ち、父との確執がひとつのサイドストーリーとなる。