- Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062637930
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
雪の密室。離れの家屋に他殺体があるのだけど、雪に残された足跡は被害者が家屋に向ったと思われるものだけ。犯人はどうやって来て、どうやって去ったのだろう?家屋自体には、鍵がかかっておらず、密室ではないのだけど、状況から考えるとあり得ない謎の物語です。
足跡以外にも謎が提示されたり、伏線が色々なところに張られています。読んで行く中、自分でも考えているわけですけど、全部を繋ぎ合わせて一つに帰結させるのはやっぱり難しいですね。何点かは推理通りだったのだけども…いやはや。
トリックについて。
少し綱渡りの部分があるので自分だったら少し怖いですかね。だけど、無事に済めば確かに強固ではあるので、実行する価値はあるのかもしれない。まあ、伏線から察するに、本人にしてみれば勝算はあったのでしょう。
探偵役の登場が少し遅いので、その点を気にされる方もいるようです。それでも推理作家である主人公があれこれ推理する様も論理的で面白いので、物語がダレてしまうこともないですし、文章のテンポもいいので、スイスイ読み進められるのではないでしょうか。
物語の終わり方が少し切ないです。
もし自分がこの立場だったらどういう選択をするだろう、と考えさせられます。大切な人を守るというのはどういうことなんだろう、と。
考えた末に、結局は対価を支払うしかないのでしょう。
興味があればご一読を。 -
わりあいシンプルな謎ひとつ。雪の上の足跡というものだから、はっきり言って古典的である。首が飛んだり次々と人が吹っ飛んだりする派手な殺人事件を読みつけてしまうと、このシンプルさがかえって懐かしい。これできちんと一冊の長編を読ませてしまうのだから、たいしたものといわなければならないだろう。解決を読んでも、ほとんどドラマチックなものを感じなかった。最後の手がかり、もっと早く出すべきではないかなって思った。
ただ、探偵コンビが軽妙で気持ちがいいので、読んでいて飽きることがない。楽しく、すっと世界にはいっていけたのはなかなかよかった。 -
46番目の密室に続き、推理に必要な情報はすべて探偵役が知ると同時に知ることができるのでいっしょに推理をたのしめる作品だった。
終盤で情報が開示されてからの解決までのスピード感がよかった。 -
丁寧な描写と徹底した本格ミステリー。
先生の特徴である軽妙洒脱な物語でサクサク読めます。内容は少し悲しい終わりが余韻を残していて大好きな作品です。 -
初めての有栖川有栖作品。
内容は王道の本格ミステリといった感じ。
トリックや動機などはシンプルではあるものの、軽妙洒脱な語り口が楽しく、他の作品も読んでみたくなった。 -
まさかそんな手があるとはと自分の推理力のなさを思い知りました。