スウェーデン館の謎 (講談社文庫)

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  • 講談社
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感想 : 275
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062637930

感想・レビュー・書評

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  • ぶっちゃけ地味なんだけど、その分正々堂々としたミステリが楽しめました! 作者の作品全般に言えることだが、リーダビリティの高さ故にサクサク読むことが出来た。 犯人は正直なんとなく分かってしまったのだけど、トリックは全然分からなくて、解明シーンでそうだったのかと唸らされた。

  • 火村、有栖コンビはいつ読んでも面白い。火村先生の冷静な推理考察が好きなので、長編をゆったりと楽しむ事ができて満足。

  • 雪の中の別荘で起きる殺人事件。
    前半は火村が全く出てこないから、正直冗長に感じる部分もあった。でも火村が出てきてからは一気読み。
    有栖川有栖の作品って、極悪人とかサイコパスとかじゃなく、本当に「普通の人」が殺人を犯す。
    だからこそ、そのあとの心情とか対応とかが胸に来る。
    火村は恐ろしく冷静に真実を追求するから少し恐ろしいとは感じるけど、その分人間味があるアリスがいるから中和されている気がする。
    今回とあるあの人の一言がすごく胸に来た。なんて残酷なんだ。
    雪の上の足跡のトリックも、なるほどと思った。
    ただそのやり方がさぁ……ひええ。

    宮部みゆきの解説には笑ってしまった。面白いなあ。

  • 風のように!!(笑)

  • 火村先生いきなり来てすぐに謎を解いちゃうなんてやっぱりかっこいいね 足跡の謎とは最近のミステリにはない気がする

  • 中盤までやたら異質で退屈。話自体は良いのに、と首を捻っててわかった。アリスが標準語で喋ってる……。火村と合流して関西弁になった瞬間に、やっと、「ああ、有栖川有栖だ」と。キャラクターのアイデンティティをしみじみ感じたな。余談でした。
    本編、やっぱり火村との掛け合いあってこそ。アリスが結局火村を頼るところもいい。火村はホームズなので物語上欠かせない展開とはわかっていても「すぐにきてくれ」って当日に来ちゃう甘さが微笑ましい。
    事件もトリックも、なるほどなあ。よく練ってあるよなあ。単純に舞台としては「海のある~」のが好きだなあ。火村は相変わらず素敵だったなあ。

  • 火村・有栖川コンビの国名シリーズ2作目。
    取材で訪れたスウェーデン館で殺人事件に巻き込まれた有栖川。応援にやってきた火村と謎に挑む。
    再読でしたので、トリックになんとなく覚えが…。
     火村・有栖川シリーズは二人の掛け合いが楽しいです。

  • ストーリーについては特に文句はない。
    有栖川さんらしい、堅実なお話だった。
    どちらかというと、「有栖川さんだから動機もめちゃまともだろう、きっと子供の復讐でヴェロニカが犯人だね」と、状況証拠的な根拠など全く関係ないところで考えてしまい、やはり大筋でズレない。ほんと有栖川さんらしいストーリーだった。
    でも、今回はトリックがちょっと予想外に独創的だった。ヴェロニカ犯人だと最初から決めつけてても、足跡問題とか全然分からなかった。トリックに最後に驚かされた感じ。

    実はたった一日の出来事なんだよね。非常に濃い一日ではあったけど、長編にするほどエピソードが豊富でもなかったので、ちょっとダレたかな。も少しコンパクトにまとめた方が読み応えあったかも。
    あと、アリスが推理するシーンはどうしても「アナタの推理どうせ見当違いなんだから、このページ数無駄じゃね?」と思ってしまう、あまのじゃくな私。

    火村センセの暗黒面がちらつき、ホワイトなアリスはそれでもいざという時彼を支える決意を新たにしたりして、相変わらずいちゃいちゃしてる(褒めてる)。

  • 「僕にまかせて」…。彼女にとってなんて優しく甘い言葉だったんでしょうか?でもそれに頼っちゃいけなかった。言った彼もそこで言ってはいけなかった。絶対に。事件の発端は全て彼にある。彼ってそんなに良い男ですか?(爆)昔からもてた、今ももてると何度となく書いてあったしセリフで言わせてたけど…。彼のほんのお遊び…。と軽い気持ちで始めた事が芋づるになって事件は起こる、そのせいで隣の少年を4年も悩ませてしまう事にもなる。どうみても良い男じゃない。トリックはちょっと綱渡りな感じがした。「そんなに巧くいくのかな?」と1番に思った。一応は理解出来るし、アリかな?と思うけれど…。うーん、しかし奴(もう「彼」とは言わない)がなぁ。女性としては好きになれない。そしてもてる設定に納得できない(爆)

  • 雪の密室。離れの家屋に他殺体があるのだけど、雪に残された足跡は被害者が家屋に向ったと思われるものだけ。犯人はどうやって来て、どうやって去ったのだろう?家屋自体には、鍵がかかっておらず、密室ではないのだけど、状況から考えるとあり得ない謎の物語です。

    足跡以外にも謎が提示されたり、伏線が色々なところに張られています。読んで行く中、自分でも考えているわけですけど、全部を繋ぎ合わせて一つに帰結させるのはやっぱり難しいですね。何点かは推理通りだったのだけども…いやはや。

    トリックについて。
    少し綱渡りの部分があるので自分だったら少し怖いですかね。だけど、無事に済めば確かに強固ではあるので、実行する価値はあるのかもしれない。まあ、伏線から察するに、本人にしてみれば勝算はあったのでしょう。

    探偵役の登場が少し遅いので、その点を気にされる方もいるようです。それでも推理作家である主人公があれこれ推理する様も論理的で面白いので、物語がダレてしまうこともないですし、文章のテンポもいいので、スイスイ読み進められるのではないでしょうか。

    物語の終わり方が少し切ないです。
    もし自分がこの立場だったらどういう選択をするだろう、と考えさせられます。大切な人を守るというのはどういうことなんだろう、と。

    考えた末に、結局は対価を支払うしかないのでしょう。
    興味があればご一読を。

著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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