天空の蜂 (講談社文庫)

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著者 : 東野圭吾
  • 講談社 (1998年11月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (634ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639149

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天空の蜂 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 日本中の原発を使用中止にしなければ、大型ヘリを稼働中の原子力発電所「新陽」に墜落させるとの脅迫状が「天空の蜂」から届く。
    原発とは本当に必要なのだろうか?政府は国民はそして読者はこの事件をどう思いどう動くのか。

    大型ヘリを新陽に落とすまいとする湯原たちのラストシーンは手に汗握る。へ、ヘリが落ちてくる〜。気がつけば本が緊張で湿っていた。自分の本でよかった。

    「(原発の仕組みを)国民全員が、ある程度は学習するべきだ」三島の言葉が忘れられない。

    さて、興奮冷めやらぬうちに映画に行こう!

  • 原子力発電所の上空が飛行禁止になっている事を初めて知った。

    考えてみると、当然の事か。

    『墜落』という事故を想定すると、取り返しのつかない大惨事に繋がる。

    私達はすでに2年前の大地震によって引き起こされた津波による福島原発の事故を目の当たりにし、
    その恐ろしさを充分に知ってしまった。
    (この小説自体は、地震の前に書かれているが。)

    だからこそ、
    稼働中の原子力発電所の真上に飛んできた巨大ヘリコプターが、
    そこで、
    ホバリングしたまま動かない状況が
    恐ろしくてたまらなかったのだ。

    コントローラーで無人のヘリを動かし、
    「日本にある原発をすべて使用不可能にする事。
    さもなくば、ヘリをこのまま落とすことになる。」

    と、いわば、日本の全国民を人質にとり、政府を脅迫し始めた犯人の意図は大変わかりやすい。

    出来る事なら、俺もそうしたい…と、心に思う人だって現にいるのではないだろうか?
    犯人は、その人達の代表として、政府に
    切羽詰った『挑戦状』を叩きつけている様に思われて仕方がなかった。

    全ての原燃を本当に停止させるか?

    それとも

    (いくばくかの)犠牲を払って、使用し続けるつもりか?

    無論、著者の手の中で行われている攻防ではあるが、
    その展開は大変興味深いものだった。

    多くの人が危険を承知で、電気を作り続けている事を黙認したまま
    快適な生活に甘んじている。

    …くせに口から発せられる言葉は
    「原燃は廃止するべきだ」だ。 (私を含む。)

    そういう人間達の頭上に巨大なヘリの影は近づく。

    落とされるのをただ待つか。

    原燃を本気で停止させるか。

    ヘリの燃料が切れるまでに、
    今一度、本音でこの胸にその疑問を叩き付け、答えを出したい焦りを感じた。

  • 原発を舞台にした小説。こんなに詳しく原発について描かれているものが、震災前に既にあったとは知らなかった。普段はまったく気にしていなかったものが、一旦メディアなどで事件として取り上げられると、蜂の巣をつついたような騒ぎになることも予見されていた。内容もリアリティがあって重厚だった。作者本人の思い入れがもっとも強い作品というのも頷ける。

  • 1995年に書かれた、原子力発電所を舞台とするサスペンスです。
    やっぱり、さすが東野さん。スピード感や緊張感がすごいです。

    原発周辺の利益と、それに携わる人たちの放射能問題。電力を大きく原子力に依存しながら、その実態をほとんど知らず、関係ないと思いたい「沈黙する群集」
    17年前に書かれたものが、現在の時勢にこれほどピッタリ合うとは。

    そうか!東野さんは電気工学化の大学を卒業し、技術エンジニアだった経歴がある。
    この小説は、その分野の知識が大きく活躍してますね。

  • 標的は原発
    人質は国民

    予想通り映画より面白かった。
    ほとんど映画と変わらないストーリーなのも良かったと思う。

    東野圭吾は初めて読んだけど、なかなか読みやすかったので他の作品も読んでみたい。

  •  この作品は1995年11月、講談社から単行本が刊行され、20年を経て、2015年9月12日に映画上映された。20年後映画化される切っ掛けになったのは、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震 の福島第一原子力発電所事故によるところが大きいと想像するに難しくはない。

     原発はその上空から爆弾を積んだヘリが落下するという想定で造られてはいない、それは当然といえる。しかし、福島の原発事故については、津波による災害は予想できたはずである。(人災だという説もある)更なる脅威、テロに対しての危機管理能力が問われる内容であった。

  • 原発事故を経験する前と後では
    思うところがかなり違う。

    ストーリー展開としては
    無茶だなと思うけど、
    原発については
    ここまで想像していたことが凄い、
    というより私たちが
    無知&無視しすぎていただけか。

    犯人からの最後の手紙は
    改めて原発を無視せず
    考えなくてはと思い知らされた。

  • 映画は見ていないけれど、何となくこんな風かな、と想像していました。
    が、その想像とは全く違う話でした。
    無人の大型ヘリを遠隔操作でハイジャックした犯人が、原発を全部停止させないと原発に爆弾と共にヘリを落下させるという。
    震災以来、反原発を唱える人が増えているけど、原発がなくなったら電気が足りなくなるのは分かっていないのか。
    本当に反原発を唱えるなら、新しいエネルギー開発をしたほうが実利的だと思います。
    そうでないなら言う権利はないのでは?
    言うだけなら誰でもできる。

  • 読んだ後、しばらくうなってしまった。
    20年前に書いたとはとても思えない。
    原発、原発事故、そしてドローン。
    しかし、福島原発の事故が続いている今も、真実を見ようとしない人達が多数派であり、何も変わっていない。
    とても考えさせられる小説だ。

  • 原発にヘリコプターを墜落させようとる犯人を追跡するストーリー。
    しかし1995年に発表されたとは思えない。
    国民不安につながらないようにと映像化は避けらていたに違いない。
    来年の映画化で話題になるのは確実。

  • やっとこさ読了しました、大作を。

    お恥ずかしながら、3.11震災後の福島原発の起こるべきして起こってしまった事故が発生するまで、原発とはどういうものなのか?何処に何基あるのか?国内の発電の原子力の割合、危険性等々、全く知りませんでした。

    この物語が描かれたのは今から10年以上前です。原発の安全性は完全だった時代にこれほど直接的に原発の危険性を訴えていたという事に驚きました。原発を否定する内容では決して有りませんが、とても考えさせられる物語です。

    「一度は蜂に刺されたほうがいい」

    天罰などという甘い表現で済まされない現実が、今自分達の世界で起こっている、そう感じさせずにはいられませんでした。

  • 薦められて読んで、全く後悔しなかった。
    専門的なことはよくわからなかったけど、問題提起していることは十分わかったし、傍観者でいるだけでなく、自分にも関わりのある重要事項として深く考えていかねばと思った。
    震災があったからこそ、心に響いたのかもしれない。でも1度響いたのだから、それを忘れない努力はしていこうと思った。
    ーーー
    奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき・・・。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。

  • 長い作品ですが、飽きずに読めました。
    一方で専門用語の説明などは難解に感じて斜め読みしてしまいました。

  • 2015年9月に江口洋介主演で映画化されてます。生産技術エンジニアをやっていたという作者の経歴が、最も生かされた作品ではないでしょうか。ただ、その分何の知識もない読み手には難解な部分が多くあります。登場人物も各場面で何人も出て来る為、整理するのが大変です。その為読み終わった達成感は半端ないです(笑)ストーリー的には面白いので、映画の方が素直に楽しめたかもしれないです。ただ、これだけ大きな事をした二人の犯人の動機が弱い様な。。最後のメッセージでカバーされた感はありましたが。

  • 面白いっちゃ面白いけど、他の東野圭吾作品よりかはすこし下

  • 1995年の出版なので、2011年の東北大地震に伴う原発事故より16年も前に書かれていたことになる。
    この時点で原発の是非を問う小説を書いていたことに敬意を表したい。

  • 今読むととても考えさせられるテーマだし勉強にもなる。 ストーリー自体もスケールが大きく娯楽小説としてとても良いと思う。 ただ、非常に残念なのは人物の掘り下げが弱く薄っぺらいので著者の良さが活かされずもったいない印象。 それなりに楽しめる作品ではあるんですけどね

  • 震災以降の原発の状況を考えると、その着眼点がすごい。若干間延びしている感もあるが、登場人物や登場物の背景等が細かく描かれよく考えてあるなぁと感心。

  • 東野圭吾の作品は、色々読んで、自分の中で若干マンネリ化していたが(失礼っ。)、久々に読み応えのある本だった。
    東野圭吾の作品は、何もかも計算尽くというか、何回か読むと、作者に「してやられた」感がある。
    今回の話も、原子炉の脅威について、事が起こって始めて気づくのでは遅いということ、作中の三島の言葉を借りれば、「常に意識させ、そして自らの道を選択させるのだ。子供は刺されて初めて蜂の恐ろしさを知る。今度のことが教訓になることを祈る。」ということについて、しみじみと考えさせられた。

    思えば、大人になってからというもの、考えないといけないことを考えずに、惰性で生きているものだ。その「考えないといけないこと」すら、今はパッと浮かばない。これで良いのか?しかし、考えることより、流す方が良いこともある。日々疲れてしまうではないか...

    一方で、子を持つ親として、子供が幸せに暮らしていける未来を掴むために、やはり日々の問題意識は必要だと感じている。このことも、子供が登場人物に出てくることが、非常に効果的に私の心に響いた。

    池上さんの本を読もう。 ^^;
    極めて、写実的に、淡々とした文調だが、作者の熱い意志(商業的なものから生まれているのかもしれないが)が感じられる良書です。

  • ガリレオシリーズのようなトリックの面白さで読ませる娯楽性の強い作品とは違い、原発とどう向き合うべきかという硬質な命題を真正面から捉えた、テーマ的に非常に重い作品。

    ちょっと前に読んだ「たぶん最後のご挨拶」に、作者が(当時)もっとも気に入っていた作品であり、取材や準備に3年ぐらいかけたと書いてあったが、その言葉通りのほんとうに力のはいった作品といって間違いない。

    犯人らの動機自体は割とよくあるものなのだが、それらをうまく組み合わせた上で、さらに、高速原子炉の上にヘリをホバリングさせる、という超奇抜な発想で、よくまあこんな小説を思いつくものだと感心させられる。

    途中で登場人物らに語らせているセリフを通して、原発の抱えるさまざまな問題点を浮彫にし、読み手に伝える部分があり、少々説明くささを感じる面もあるが、相当に綿密で時間をかけた取材がなされたことが伝わってくる。

    原発にただ単純に反対、否定をしようという内容にはなっておらず、あえて原発の是非を出来るだけ中立に提示しようとする姿勢が感じられ、そのアプローチには共感する。何事もヒステリックにただストレートに反対しても、問題の解決にすぐにはつながらない。原発問題をふだんから意識し、考えていくことが、大事なんだという主張が本作には込められているような気がする。登場人物に言わせた、<誰も搭乗券を買った覚えなどないのに、原発という飛行機に乗ったようなもの、その飛行機を飛ばさない選択もあるのに、誰も意思表示をしない、それはずるいことだ>という言葉は正鵠を得ており、あの大震災を経た今、われわれが改めて向き合い続けなければいけない問題なのだと強く意識させられた。

    映画化もされているが、一見、原発の上空に舞うヘリという絵づらには衝撃十分な部分があるものの、最後がどうなるかを冷静に理屈で考えれば、実は意外に本作は映像作品には向いてないはずと思える。ま、でも、きっと観てしまうだろうな。

  • 原発が舞台になってる、サスペンス。
    原発の事が問題になってるのって、最近なんじゃなく結構前から言われてるんだなって気づかされた。
    タイミング的に3.11に読み終わったから、現在ニュースで見る原発の事と重ねてみたり…。
    フィクションだけど、人の心やこんな事件が起きたら、人々はこんな風に動くのかなーって思った。
    難しい言葉や原発の仕組みについてよくわからないところもあったけど、勉強になったし、読み応えがあった。
    色々考えさせられる作品。

  • 高速増殖炉。ウランとプルトニウム。水酸化ナトリウム、中性子のスピード

    妻が大好きな本。

  • 最新鋭のヘリコプターが、いたずらで潜り込んだ子どもを乗せたまま自動操縦で盗まれた

    犯人は敦賀原発の上でヘリコプターを無人操縦しながらホバリングさせ、条件を飲まなければ原発に落とすと脅迫する。

    子供を救助する自衛隊員の姿や原発の安全性を繰り返し発表する電力会社、逃げ惑う人々の姿に311の大震災を思い出してしまった

    一気に読み終わり、最後に奥付を見て出版されたのが10年以上前だと知ってびっくり。今読んでも全く古さを感じない予言的な作品

  • これを東日本大震災前に書いてたかと思うと、かなり衝撃でした。作者は反原発でも原発支持でもない立場から立場からこの話を書いているので、尚更色々考えさせれました。

  • ラストのセリフにドキリとする。まさにそんな現実が2011年に起きた。日本の未来を予見していたかのような。

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天空の蜂 (講談社文庫)の作品紹介

奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき…。驚愕のクライシス、圧倒的な緊迫感で魅了する傑作サスペンス。

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