- Amazon.co.jp ・本 (634ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062639149
感想・レビュー・書評
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奪取された超大型特殊ヘリコプターには爆薬が満載されていた。無人操縦でホバリングしているのは、稼働中の原子力発電所の真上。日本国民すべてを人質にしたテロリストの脅迫に対し、政府が下した非情の決断とは。そしてヘリの燃料が尽きるとき……。
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分厚い本で躊躇してましたが、評判が良かったということで購入。
読んだのは、2011年だったと記憶しています。当時、原子力発電がメディアでは問題になっていたので、リアリティがあったように感じました。
元々は1995年に発売された作品で、年は違うのに予言していたかのようなリアルな描写で驚いていたのを記憶しています。
分厚い量だったのですが、世界観に引き込まれ、ページが止まりませんでした。物語の中での時間は短いものの600ページ以上。個人的にはあまり感じさせない感じで、スピーディで無我夢中でした。
東野圭吾さんの作品ですが、「ガリレオ」や「新参者」とは違う作風で、良い意味で真剣に書かれているなという印象でした。その分、専門的で難しい言葉が飛び交います。読みづらい部分はありますが、それだけ真剣で、内容も濃く、深く考えさせられました。会話にもメッセージ性が込められており、重厚感を感じた作品です。
現在では地震の時にしか原子力発電について報道されなくなりましたが、多くの人に読んでほしいなと思いました。そして原子力について再認識してほしいなと個人的に思いました。
東野圭吾が好きな方には、分厚くて抵抗はあるものの読んでほしいです。緊迫感はすばらしいだけでなく、記憶にも残る作品なので、ぜひ挑戦してみてください。 -
自衛隊、原発、自分は関わりたくない。でもそれを使って生きている。反対するなら本当にない社会を作ろうとしているか?というようなメッセージを突きつけてくれる作品。しかし少なとも原発はなくせるとこまで来てると思っている。
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原発についての専門的な内容も多く読むのに少し頭を使ったが、理系の自分としてはなるほどと思いながら読むことができた。また様々な登場人物の視点から描かれており、それぞれの役職が難しいために、この人は誰だったかなと分からなくなることが多々あった。しかし、緊迫感のあるシーンもあり読み応えはあった。原発の賛否について考えさせられたということもあり、勉強になる1冊だった。
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久しぶりの東野作品。
原子力発電所で起きたテロの話。
20年前に書かれた作品と言うことで、先見の明があると言われているが、少しでも自分の国のエネルギーについて知ろうとする人ならば、何も真新しい話ではないですよね。
原発反対!と声高に叫ぶには余りにも低すぎる日本のエネルギー自給率。
読んでいる最中、震災時の原発事故のことをひたすらに思い出していました。
事故後の計画停電。『計画』とは名ばかりで、かなりアバウトに『何時から何時まで電気の供給が止まりますよ』という情報のみで、停電する有無も時間もバラバラだったなぁ。
電気が止まればもちろん信号も止まり、夜に計画停電が起こるとそれこそ本当に真っ暗で、出歩く人もかなり少なかったと記憶しています。
でもあの時、皆で言っていたこと。
『不便だけど、星が物凄くキレイに見える』
本当に皆口を揃えた様に言っていました。
便利を手放すのは、それほど苦しいことではないのかも知れない。と思った一夜の思い出。 -
標的は原発
人質は国民
予想通り映画より面白かった。
ほとんど映画と変わらないストーリーなのも良かったと思う。
東野圭吾は初めて読んだけど、なかなか読みやすかったので他の作品も読んでみたい。 -
この作品は1995年11月、講談社から単行本が刊行され、20年を経て、2015年9月12日に映画上映された。20年後映画化される切っ掛けになったのは、2011年3月11日に東北地方太平洋沖地震 の福島第一原子力発電所事故によるところが大きいと想像するに難しくはない。
原発はその上空から爆弾を積んだヘリが落下するという想定で造られてはいない、それは当然といえる。しかし、福島の原発事故については、津波による災害は予想できたはずである。(人災だという説もある)更なる脅威、テロに対しての危機管理能力が問われる内容であった。 -
震災以降の原発の状況を考えると、その着眼点がすごい。若干間延びしている感もあるが、登場人物や登場物の背景等が細かく描かれよく考えてあるなぁと感心。