すべてがFになる (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062639248

感想・レビュー・書評

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  • とりあえず一番有名なのを読んでみたが、全10作もあるのか。読まなくちゃならないじゃないか。

  • 孤島の研究所で隔離生活を送る天才工学博士・真賀田四季。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた!偶然そこに立ち会った訪問者、N大助教授・犀川創平と学生・西之園萌絵は密室殺人に挑む!

    学生時代に手に取るも理系な雰囲気に挫折。その後、漫画・アニメを経て面白さに気づき、20年越しに原作を読むことに。なんで今まで読まなかったんだと後悔するほど面白い!孤島での密室殺人という王道な舞台に、理系ミステリとしてのトリックと推理の追い込みはデビュー作とは思えない密度。

    そこに登場人物の魅力が乗る!犀川と萌絵の哲学的な対話に加えて、真賀田四季という天才が読者の常識というクローズドサークルを破壊していく。超越という概念が人という服を着ているかのよう。理解できないことが心地よいと思えたのは初めての体験かもしれない。それほどまでに絶対的。

    これはもうシリーズを追うしかない。これから9冊も読めるなんて幸せだなあ。
    最後に好きな文章を引用して終わります。アニメの終盤で印象に残った犀川のセリフがあったんだけど、あれはアニオリだったのかな?だとしたらすごいセンスだと思う。

    p.78,79
    「自然を見て美しいなと思うこと自体が、不自然なんだよね。汚れた生活をしている証拠だ。窓のないところで、自然を遮断して生きていけるというのは、それだけ、自分の中に美しいものがあるということだろう? つまらない仕事や汚れた生活をしているから、自然、自然って、ご褒美みたいなものが欲しくなるんだ」

    p.279
    「どこにいるのかは問題ではありません。会いたいか、会いたくないか、それが距離を決めるのよ」

    p.289
    「思い出と記憶って、どこが違うか知っている?」犀川は煙草を消しながら言った。
    「思い出は良いことばかり、記憶は嫌なことばかりだわ」
    「そんなことはないよ。嫌な思い出も、楽しい記憶もある」
    「じゃあ、何です?」
    「思い出は全部記憶しているけどね、記憶は全部は思い出せないんだ」

    p.357
    「先生……、現実って何でしょう?」萌絵は小さな顔を少し傾けて言った。
    「現実とは何か、と考える瞬間にだけ、人間の思考に現れる幻想だ」犀川はすぐ答えた。「普段はそんなものは存在しない」

    p.359
    「そんなにコンピュータばかりが増えてしまって、人間は何をすれば良いのですか?」
    「何もする必要はないね……」犀川は微笑んだ。「何かをしなくちゃいけないなんて、それこそ幻想だ」

  • 難しい話は分からないけれど、分かったフリでも読める。

  • ■帯タイトル
    孤島の殺人。
    すべてはここから
    始まった。

    ■あらすじ
    孤島のハイテク研究所で、
    少女時代から完全に隔離された生活を送る
    天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。
    彼女の部屋からウエディングドレスをまとい両手足を切断された死体が現れた。
    偶然島を訪れていたN大助教授・犀川創平と学生・西之園萌絵が、この不可思議な密室殺人事件に挑む。

    ■感想、レビュー
    私が好きなvlogユーチューバーyukaさんがおすすめしていた森博嗣さん。
    資格取得試験が終わったので、読書解禁で読みました。笑

    とにかくタイトルがすべて。
    このタイトルつけた時点で勝ちだと思います。笑

    犀川と西之園は、漫画になりそうな、
    クールな犀川先生と、きっと美人な西之園。
    そして、天才博士である真賀田四季。
    魅力的なキャラクターが描かれています。

    登場人物が多いミステリーだと、
    誰が誰だかわからなくなることがあるんですが、
    この本は大丈夫でした。
    全員が一致しながら読み進められました。

    私の頭がやわやわなので、
    研究所の見取り図欲しい…と思いましたが(苦笑)、
    最後の事件解明まで、
    ただただ大人しく私は運ばれていった感じです。笑

    きっとミステリー勘
    (私の母は、2時間ミステリーTVドラマの勘プロ。笑)
    がある人だと、こんな展開?この人犯人?とか
    考えるのかもですが、
    私は全く想像もつかないまま、
    大人しく最後まで連れて行ってもらおう、と思いました。笑

    ちょこちょことミステリーとは関係ないですが、
    ハッとするような言葉や、
    考えさせられるような言葉が登場します。
    それが一層読書を楽しくさせてくれます。

    すべてがFになる。

    この言葉が自分のなかで回収されたとき、
    次作も読もう、と思いました。

  • 緻密な設定に大胆なトリック、読み応えは抜群でプログラムなど専門的なところは難解な部分もあったけれど、面白かった。
    ひとつだけ、所長が到着して主人公たちと会うシーンですでに刺されていたというのはさすがに無理があるのではと感じた。

  • 犀川と真賀田四季の会話をずっと聴いていたかった。事件が発覚したときはすごく不気味だったけれど、ラストはとても哲学的で、ミステリーだったと思えないほどの爽やかさと、少しの悲しさ。
    ちょっとだけ四季の言っていることがわかる。悲しみ。

    ラストあたりの文章はメモするか、時々読み返したくなる。

  • ブグログで読んだ方から 高評価を受けてたので、今頃 読んでしまった。今 読むと そんなに難解ではなかったが この本を書かれた頃は まだ、1996年頃っていうから驚きです
    その頃に読んでたら 意味わからなかったでしょうね〜そういう意味では現在読んでよかったのかも…(笑)VRとか映画の世界みたい…(映画になってるんだっけ…)
    真賀田四季氏の中にも犀川氏の中にも 多重人格が存在するという発想も面白いし、トリックも ラストなかなか面白かったです

    森 博嗣 著 「すべてがFになる」ってタイトルがいい!

  • おもしろかった。納得できなかった。これが読み終わっての感想。初めて本格ミステリを読んだかも。孤島の研究所、牢屋のような部屋、鬼気迫る殺人現場。どんどん読み進めたくて仕方がなかった。
    地元や出身の大学のことが舞台になってるのがちょっと親しみやすい。プログラマーなので、わかるわかるっていう内容も多かった。
    ただ、動機はちょっとなあ。人間ドラマがあるよなないような。謎に主軸が置かれてるのだろう。おもしろいけど。
    シリーズは読んでみたいなあ。

  • 2018年27冊目。
    ドラマは見てたけど原作は初めて。ホント今更ですが。
    工学的なことはよくわからないけど、ざっくりとしたトリックが分かれば凄さは分かる。
    ただ、登場人物に一人も共感できない。
    さておき驚くべきなのは、この作品が今から20年以上前に書かれていたということ。
    Vシリーズも1作目しか読んでないけど、この先S&Mシリーズ全部読もうと思うかと言われると、ちょっとあたしの好きな感じとは違うかなーと(;^ω^)
    好きな人にはハマると思う。

  • 2017/11/16 21:34 読了。
    昔ドラマを見ただけだったので、やっとこ原作に手を出してみた。
    最終回すら覚えてないけど、調べたらいくつかの作品を2話完結でまとめてて、Fはその中の一つ。覚えてねー。
    真賀田四季が犯人って事位しか覚えてなくて、結末もネタバレも何も覚えてなかったので意外と新鮮に読めたのが良かった。
    21年前に書かれた小説を今更読むのもどうなんだと思ったけど、グイグイ読める。ネタ的に時代を感じる事はあるけど全然気にならない。
    最近は伊坂幸太郎や東野圭吾とか時間が行ったり来たりする話が多かったので、こんな風に時間軸が最初から進むのはある意味新鮮。読み進めた分だけ物語の時間が進むってこんなに楽なのね。忘れてたこの感覚。
    犀川さんの結構好きなキャラクターなので、S&Mシリーズが楽しみ。四季シリーズも読みたいんだけど、何やら結構なシリーズを読んでからの方が良いそうなので、しばらく先かな。
    とりあえず、年内は森博嗣漬けってことですね。嬉しい悲鳴。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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