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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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まわりの人には、僕は一人っ子だって言っています。決して身の上を隠しているわけじゃないんですが、話を始めると長くなるし、そんな話が出れば、だいたい場が暗くなってしまいますからね。
― 430ページ -
余得ですか? そうですね、一生懸命うしろで働いていると、ときどき外人がボールの指穴の中にお金を入れて転がしてくれました。チップなんです、これば。たまにですけれど、そういうことがありました。当時の日本はまだまだ貧乏だったんですね。
― 334ページ -
家族がみんなで共有していた記憶が、こんな風にまったく断ち切られ、失われてしまったというのは、肉親にとって、本当に身をそがれるようにつらいことです。それがなによりもつらいんです
― 227ページ
みんなの感想・レビュー・書評
1995年3月の地下鉄サリン事件の被害者及び遺族に対し、一年後に作者が行ったインタビューを纏めた本。サリン事件前後で日本の思想の潮流が大きく変わった、と何処かで読んだのだけど、当の事件についての知識を殆ど持っていなかったので読んでみた。
衝撃を受けた。
オウムの事件は幼稚園か小学生の頃に起こったことだから、事件が起こった当時の世の中の空気が全く分からなかった。
この本を読んで分かったのは、日常の中にさりげなく忍び寄って起こった事件だったこと。現在でも起こりうること。
東日本大震災と同じくらい、人々の心に衝撃を与えたこと。東日本大震災と違うのは、人為的に行われた事件だったこと。同じ事件でも、人の数だけ受け止め方が変わること。
ラストでの著者の問題提起を読み、しばらく考えさせられた。
オウム真理教が引き起こした地下鉄サリン事件の被害者62人に村上春樹氏がインタビューしたものをまとめた本。 あの日、家族も少し早く家を出ていたら事件に巻き込まれていた可能性があった。たまたま通りかかった自宅近くの駅は(死者も出た)自転車でバリケード封鎖。ガス爆発が起こったらしい、との情報、路上でうずくまる沢山の人々、介抱する近くの開業医と看護師さん、上空を飛び回るヘリコプター。何かとてつもない事が... 続きを読む »
地下鉄サリン事件で被害を受けた人へのインタビューだけど、その人の生い立ちから日常までを語ってもらってる分、事件の異様性が際立つ気がする。
オウム真理教を「あちら側」として見ることはできませんね。事件から10年以上も経っていますが、血液型や星占いを容易に信じてしまう今でも、この本で村上春樹が述べていることは通用すると思います。
去年の秋冬頃、最後の裁判に合わせて図書館で借りたが忙しさを理由に読み終わらないまま返却。
内容の質量を考えれば、時間がきちんと取れるときに再戦したい。
何年前か思い出せないほど前に読みました。
地下鉄サリン事件の様子がよく分かります。
鳥肌が立ちますよ。
オウム裁判のニュースが昨年騒がれた頃、購入し、今年に入ってから読みはじめ、さっき読了です。
読みきってみて、考えさせられることは、自分とその回りの物事との関わり方、捉え方です。
被害者の方々にはそれぞれの想いやそこに至る経緯が当たり前にあるにも関わらず、それにも目を向けていない自分に気がつき、事件を起こした団体についても通りいっぺんのことしか考えていない自分にも目が向きました。
今、自分の手のなかにある幸せを噛み締めつつ(不謹慎であることは承知の上で)、この事件を胸に据えて、生きていこうと思います。
ここでこんなことを述べても仕方ないのですが、犠牲になられた方のご冥福と残された方々が負われている傷が少しでも癒されることを切に祈ります。
地下鉄サリン事件で被害にあった方々の
インタビューをまとめた作品
もうこんな事件は繰り返してはいけません
『IQ84』を読んでいたら、オウムのことをもう一度振り返った方がいいな、と思い再読。(人はどんなに大きな事件でも時間とともに忘却してしまう)
地下鉄サリン事件の一般被害者へのインタビュー。
あくまでも、被害者の「記憶」を村上春樹が文章化したものなので
事実とか事実じゃないとか、そういうことじゃない。
あの日、いったい何が起こったのか、読むほどに胸が苦しくなる。
そして、その苦しさはだんだん怒りに変わっていった。
オウム真理教というカルト集団に対しての激しい怒り。
あとがきの『目じるしのない悪夢』に
「こちら側」= 一般市民の論理とシステムと、「あちら側」=オウム真理教の論理とシステムとは、一種の合わせ鏡的な像を共有して
いたのではないか?
と述べていて、それはまさに村上春樹の小説の世界だな、と思った。
法学を目指す友人に勧められて読んだ本。 地下鉄サリン事件の被害者の証言が、その被害度にかかわらず、彼らの生い立ちや印象を添えて、事実ベースで語られている。 著者がインタビューの前提を細かく丁寧に綴っていることから、いかに精力的に、そして細心の注意を払って行われたのかが感じられる。 すべてが著者と証言者の目線で語られている。これは何かの是非を問う本ではなく、ただ記録なのである。 これを読... 続きを読む »
読むのが辛い。これ、オウムのドキュメンタリーというより、霞が関へ通う働く日本人の物語なのかもしれない。 村上春樹は、判断するのをやめた、と言っている。私にも判断できないです。 麻原が作った物語と対になる物語なのかもしれない、と思いました。 できるなら、公務員の人の話を聞きたかった。 官庁にあっただろう黒塗りの車を、緊急事態に救急車代わりに差し出せなかったものか、と思うけど、それをしなか... 続きを読む »
社会のシステムが包含していた、矛盾と弱点を恐ろしいほどに明確にうきぼりにした。
ノンフィクションで、62名のインタビューを繋ぐ。人ごとの記憶に不整合があっても、ときとしてふせいごうは、整合に劣らないくらい雄弁と筆者は述べる。
1995年3月20日朝、東京の地下鉄を襲ったオウム真理教団による地下鉄サリン事件。その日、そこで「本当に起きていたこと」とは何なのか。日本を代表する作家・村上春樹が62人の被害者・関係者とインタビューを重ねた先に見つけた真の問題とは。この事件から日本は、どこへ向かおうとしているのか―― この間サリン事件裁判が終結した(してないと思うけど)という報道があったり、またアニメ「輪るピングドラム」で... 続きを読む »
地下鉄サリン事件についてのノンフィクション。もう15年以上たったが時効にしてはいけない事件。泣きながら読んだ。関係者たちの嘆きを忘れずに生きたい。非常時に逃げない人間でありたい。
「この多面的な我々の世界にあって、ときとして不整合は整合に劣らないくらい雄弁になる」(『目じるしのない悪夢』)
今日オウム事件の裁判が全部終わったらしいけど
あれにまつわるいろいろを考える上ですごく役に立った本
地下鉄サリン事件の被害者の人たちへの入念なインタビューがメインだけど、それをよみおわってから読む作者(村上)によるエッセイ(?)、”目印の無い悪夢”が秀逸。
新聞などの通り一遍の事件批評に違和感がある人はぜひ一読を。
厚さにビビルけど(777ページって辞書か!)、口語のインタビューがめいんだからそんなに時間はかからないはず。
地下鉄サリン事件の被害者・関係者のインタビューを作者自身がしてまとめたもの。小説家が書いているインタビュー記事なのでまず読みやすい。
被害者になるということはどういうことなのかが良く分かると思う。
センセーショナルではなく、事実がぐったりと目の前にある感じ。
この本を読んでから、小説が「偽物」じみて見えて村上春樹という作者がこの本を書いた後「小説」を書いていることに疑問を持ちました。

ジャーナリズムの欠片もない日本のマスコミやジャーナリストがやらないことを、作家の村上春樹が疑問に思ったから、出来たインタビュー。





