忍法忠臣蔵 山田風太郎忍法帖(2) (講談社文庫)

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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645034

感想・レビュー・書評

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  • 忠臣蔵の話は元々興味があったので、物語としても楽しめた。しかし、ストレートに忠臣蔵を描いているのではなく、主人公は、赤穂浪士の敵にあたる吉良側だ。主人公の綱太郎は、忠と女を憎む風太郎作品にしては変わった主人公だ。そんな彼は、忠を体現するかのような赤穂浪士たちを、敵陣営でありながら、将来の上杉家の安泰のため、守ることになる。複雑なストーリーだが、大石内蔵助サイドと上杉サイド両方の目線が楽しめる。

    忠というのは善なのかそうでないのか。
    忠のために捨てられ身を汚した女たちは、それでも敵討を望んだし、一方で忠のために生きようとした織江を綱太郎は許せなかった。
    赤穂浪士たちの敵討ちは、彼らにとっては本望であるだろうが、それが必ずしも美談であるとは言えないのかもしれない。

  • 山田風太郎の忍法帖シリーズの2つ目。
    甲賀忍法帖はバジリスクのアニメがあったので忍術やキャラクターがイメージしやすかったが、今回は自分の想像力が全くついていけなかった(笑)

    女忍者の使う技が常人のアイデアを超越しすぎていてもはや訳がわからない。
    これが山田風太郎の作品なのか…と大いに納得した。
    こんな作品が60年代に描かれていたとは。
    当時の読者はどんなものを想像して読んだのだろうか。
    男と交わると中身が入れ替わったり、男と交わると血管がくっついたりと、奇想天外な術のオンパレード。

    歴史小説は読み慣れていなくて、中々読み進めるのが大変だったが、後半は人物名の漢字も読めるようになってきていた。
    歴史小説は今後どんどん読んでいきたい。そうすればスラスラと読めるようになるのだろうか。

  • 忠臣蔵って苦手です。
    歴史ものは大好きなのですが、なぜか赤穂浪士だけは読まない、見ない、知らない、なのです。

    しかし、山田風太郎の手にかかれば・・・
    期待を裏切らないおもしろさ、相変わらず「んな、あほなぁ」と忍術に突っ込みを入れながら、あっと言う間に読んでしまいます。おもしろい!

  • 前作(甲賀忍法帖)に比べると、スピード感が若干弱いか?
    忠臣蔵をベースに、能登忍者と能登くのいちの対決を描くが、主人公の無明綱太郎が別格過ぎて、なんというかもったいない。
    そして、切ない。

  • 再読。

  • 忠臣蔵か、と思いながら読見始めましたが大分雰囲気が違います。すごくよく考えてストーリーを構成しているなぁ、と素直に感心してしまいます。個人的には主人公の思考の動きがちょっと解せませんね。なので、最後の終わり方もちょっと納得いかないですね。
    前作もそうですが、よくもまぁ、一人一人違う忍法を考えるものだと思う。

  • 荒唐無稽のようでいて、奥深い

  • 出てきた瞬間にやられる白糸錠閑がやけに印象に残った。

  • ちょっと変り種。主人公が基本的に傍観者なので。忍者対忍者も、間に赤穂浪士挟んでやってるからちょっと変わってる。
    それがいいほうに行ってるかは微妙だけど…

著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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