- Amazon.co.jp ・本 (244ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062645119
感想・レビュー・書評
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イタズラに恐怖心をあおるつもりはないですが、
あなたは寄生虫に寄生されてはいませんか。(笑
ひじょーに面白い。
ここで、作者の危惧していることが、
あぁ日本だなと思うことなので抜粋したい。
日本では寄生虫学が衰退していってるそうだ。
なぜか?
それは日本にはほとんど寄生虫による症状がなくなってきているからだ、
存在しない病気の勉強なんていらないんじゃないって単純な理由。
こんなことでいいのか?
確かに日本ではないかもしれないが、
世界で、これほど感染している症状もないのに。
ってね。
「世界に目を向けると半数の25億人がなんらかの寄生虫を保有し、三分の一が寄生虫病になやまされている。マラリアには3.5%一億七千七百万人。フィラリアには5%二億五千万人」
これほど寄生虫による患者がいるにもかかわらず、
日本の医学部では日本にはそんな患者いないから勉強しないというのです。
これだけ物も人も世界を駆け回るようになっている時代。
寄生虫研究は日本ではなくなっていいのでしょうか。
こんな日本にすんでいるのは怖いと思いませんか。
日本は、遅れている。
進んでいるものと遅れているものがあるのを理解しなくてはいけない。
なんでも進んでいるわけでもないし
なんでも遅れているわけでもない。
おまけ、平田オリザさんの解説も面白い。
人は一人では生きて行けず、誰かに寄生しているものだ、
と思えば、優しくなれるよね。
って思うね。 -
SSさんのお勧めで読んだのですが、確かにこれは面白い本です。
海外赴任者の奥さんが、お尻から出てきたカイチュウを掴んで気絶する話。寄生虫学者が、朝早く地方のホテルを抜け出し、犬・猫の糞集めをやってて警察官に不審がられる話。なにせ、寄生虫のことゆえに下ネタが多いのは仕方ないけど、笑わせてくれます。
一方で、不思議な寄生虫の生態や感染経路を判りやすく解説してくれています。生野菜・刺身・踊り食い・ペットなどからの感染経路の紹介や、寄生虫の中でも怖いもの・さほど問題にすべきでないもの(例えばある寄生虫は皮膚直下を走り回るので爬行疹という発疹が出来る。しかし、1週間もすると死ぬので実害は起こらない)などがあることを教えてくれます。
ただ、これを読んじゃうと、しばらく生ものは食べたくなくなると言う欠点もありますが。(苦笑)
ところで、おなかにカイチュウを飼うと原因となる抗体の発生が抑えられ、花粉症にならない。その上、ダイエット効果(虫が栄養を吸っちゃうので)もあると言うのですが、どなたかお試しになりませんか(笑)。
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寄生虫学、感染免疫学、熱帯医学の専門医による、寄生虫に関するエッセイ集。1994年に発刊されてベストセラーとなり、1999年に文庫化された。
日本におけるカイチュウ感染率は、戦争直後70%以上あったものが、公衆衛生に関する徹底した取り組みにより、わずか20数年間で0.2%以下に低下した。しかし、その後、有機栽培野菜の流行、様々な種類のペットを飼う人の増加、グルメや健康を意識した食の広がり等により、この世界でも最も清潔と言える日本において、寄生虫病が再び増加しているのだと言う。具体的な原因は、アライグマやサルのペットとしての輸入、ドジョウの踊り食い、ヘビの生血のワイン割り、ナメクジの丸飲み、ジビエ料理、様々な生魚等々。
寄生虫というのはその名の通り、宿主に寄生することによってのみ生きられる生物であり、上記のような生活様式や嗜好の変化により本来の宿主ではない人間の体内に入った場合には、ときとして健康に大きな影響を与えるものの、本来宿主に寄生している限りは基本的に悪さをしないものである。また、寄生虫感染はアトピー性皮膚炎や花粉症などのアレルギー性疾患の発症を抑制する効果があり、日本人のアレルギー症の急増は寄生虫感染率の低下が一因とも言われている。
著者が本書の出版に当たって「ずいぶん気を使った」というように、寄生虫というテーマは確かに万人に抵抗なく受け入れられるテーマではないと思うものの、本書の提示するメッセージは深い。それは、何より人間が自らの都合で自然との共存・共栄関係を変えようとすることへの警鐘である。
(2015年9月了) -
グルメが回虫を呼ぶ?的な身近なトピックスがらみで、おもしろかった。
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私は痩せている。が、小食ではない・・・。なんとなく、カイチュウと共存しているのではと、ゆかいに想像している。
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勢いのある文章で面白いです。
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寄生虫博士のおもしろ本。ムシへの愛着がわいてくるかも。
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随所にある寄生虫の写真はスゴイけど、文章が面白くていっきに読めちゃう。
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だいぶ昔に読了して、内容は詳細に覚えていないものの、作者の寄生虫に対する愛情がとても印象的で面白かった。