忍法八犬伝 山田風太郎忍法帖(4) (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645133

作品紹介・あらすじ

八犬士活躍後百五十年。若き城主里見忠義が快楽を貪った代償に、家宝の"忠孝悌仁義礼智信"の八顆の珠が"淫戯乱盗狂惑悦弄"にすり替えられた。これぞ、里見家取潰しを狙う本多正信-服部半蔵の策謀。甲賀卍谷で忍法修業した、八犬士の末孫八人vs.半蔵指揮下伊賀者の女忍者八人の熾烈果敢な戦いやいかに。

感想・レビュー・書評

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  • かなり以前に読んだ記憶があるが・・・
    まったく覚えていない。もしかして「南総里見八犬伝」と混同しているかも・・・(薬師丸ひろ子主演映画があったね)

    忍法帖のなかでも傑作と言っていた人がいたが、まさにその通り。これは面白かった。里見八犬伝ではなくその子供らの八犬伝。忠義の在り方が父親の時代とは違えど、村雨さまに対する忠義は、昔の伏姫に対する父親となんら変わらない。
    「俺は、このために生きてきたんだ。だから死ぬ!」
    かっこいい八犬士!!

  • 困ったときの風太郎様で、まずバズレはない。
    今回も超人忍者が出てきて、
    エロいくノ一が出てくるんだろうと想像したら
    まさにその通りでござった。
    なんも考えずに読め、楽しめるでおじゃる。

  • 八犬伝の息子たちが戦う話だった。……よね?
    夜中だから取りに行けない、また修正します。
    痛快でエロなのに切ないオチでした。

  • 山田風太郎のトンデモ小説、面目躍如っていう感じ。

  • あまりに有名な伝奇小説「南総里美八犬伝」をモチーフにした忍法帖、里美家断絶のピンチに八犬士の子孫が活躍するのですが…

    名前こそ同じものの末裔たる彼等は揃いもそろってグータラで、彼等の父君が自害をもって招いたる危惧の責任をとったのに、彼等は知らん振り、しかしながら美貌の姫君村雨(やや天然)の頼みをもって立ち上がらざるを得なく…本当の動機は村雨に、いいとこ見せてやる!という、スケベ根性によるだけで、ここらへんないかにも忍法帖テイストに溢れていて好きなところです。

    ところが黒幕たる本田正信き下、服部半蔵とくのいち達は強敵!奪われた珠を奪還すべくもその都度あっさりを犬士達は倒れていきます。もともと修行に出された甲賀卍谷を忍術修行が嫌で逃げ出してきた彼等なので、度胸とハッタリ出たとこ勝負に頼る故、繰り出す忍術も出したら己もそこまでよ!で、いいとこ見せたい!でそんなにやるのかよ!と思いつつも、その潔さが忍法帖2大潮流の一つだと思いました。

    オリジナル八犬伝のキャラを踏襲しており、そのグータラふりもとても個性的です。また敵くのいちも同名のキャラ立ちがあって楽しめました。

    そしてラスト…倒れ散っていく者の描写を、これほど叙情的ロマンに満ちた筆で描くとは!日本語の修辞と著者の技にただただ感激いたしました。

  • 忍法帖シリーズ読了第2弾。何となく山田風太郎の作風というのが分かってきました。なんてフリーダム。

    忠義のかけらもない(そもそも忠義の念を起こさせない里見家バカ殿だけど)八犬士の子孫たちがバカをやりながら可愛い思い出の君のためだけに半死半生になっていいところを見せようとする命がけのラブコメ。
    山田風太郎も「皆殺して大団円」な作家だったんですね。

    勝手気ままな子孫たちとはいえ、村雨さまのためなら本望と言わんばかりに進んで死んでいく様はちょっと切ないものがありました。特に犬田小文吾と犬坂毛野。

  • 滝沢馬琴「南総里見八犬伝」の設定を借りた山田風太郎流八犬伝。
    忠義のない、やる気のない八犬士の子孫たちが、里見家を襲う陰謀に立ち向かいます。

    「南総里見八犬伝」を詳しく知らないわたしでも十分に楽しめました。
    登場人物達のキャラクター、物語の展開がぶっとんでいるのは忍法帖シリーズでは毎度の事ですが、本作では更に里見家の宝、伏姫の珠をあんなに風にしたりこんな風に扱ったりして度肝を抜かれっ放しです。

    鍛え抜かれた伊賀忍者たちに対するのは忍者修行を途中で放り出した未熟者たちですが、実力の差を埋めるほどの個性を爆発させ、奇想天外な行動で惑わせていく姿が痛快。
    美しい奥方、村雨の気を惹こうと命をかける八犬士達の戦いは潔く凄烈で手に汗握ります。
    一方で、お互いに恋のライバルとしてけなしあい、嫉妬し合う八犬士たちのやりとりはかわいらしくほのぼのしました。

    ド派手で前代未聞の戦いを繰り広げた後の、静まり返ったような虚しさ漂うラストが胸に沁みる一級品のエンターテイメント小説です。

  • 忍法帳で一番好き

  • 「風来〜」と似たテイスト。とてもスピーディー。命を投げ出す犬士たち。わかってても泣けるぅ。でも虚無感がただようのがいかにも山風だ。

  • うわー、面白いってー。色っぽいし憧れの忍法をバンバン使うし兎に角すんごい面白いんだよ。そしてこれが八犬伝を元に作っているとあるんだから、夢中になるのも道理でしょう。
    なんで、今まで読まなかったのだろうと思うほどに、山田風太郎氏好きになりました。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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