冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (422ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645607

感想・レビュー・書評

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  • 1作目に慣れたのか、2作目はサクサク読めました。事件の結末を考えると、1作目よりは人間味があり、悲愴だった気がします。
    専門的なところを読むよりも、犀川と萌絵の会話を楽しむようになってきました。この二人の関係がどうなるのかも、楽しみです。

  • 再読。S&Mシリーズ第二弾。

    前作の『F』に比べると派手なトリックも天才的な人間も登場しないので、S&Mシリーズの中でも微妙な評価になりがちな本作。でも個人的には非常に人間的な被害者加害者の関係が嫌いになれない感じ。

    シリーズ的には第二弾だけれども、森博嗣が初めて書いた小説としてはこちらが先。なので実質的には処女作という扱いか。確か約一週間ほどで書き上げたらしいけれど、きっと私の一生分の頭脳がそこにあったように思われる。

    事件が解決した後の犀川西之園コンビのやりとりにいつもにやにやとしてしまう。沈黙と秘密は、いったい何が違うのか。

  • 様々な謎解きがいくつも披露される中、自然と自らも同じ舞台に立ち意いを同一化した。かなり真剣に考えたが結末は想像を大きく超えていた。またしても見事に騙されてしまった。ポイントをおさえた明快論理的な謎解きに思わず大きな嘆息。サスペンス的スリリングなシーンに胸を高鳴らせ、ヒューマニティックな愛憎劇には人間の性のどうしようもない悲哀に心揺さぶられた。訴求力は非常に強い。

  • 森ミスS&Mシリーズ第二作。あまり劇的展開の存在する話とは言えないかもしれない。ただ読んでいるだけだと、密室の状況確認も難しいと思う。推理するなら紙にメモしていった方がいいかも(汗

    犯人の動機と犯行の手段には、複雑な思いにかられるものがある。

  • S&Mシリーズ、2作目。

    前作のちょっと現実離れした雰囲気とは打って変わって、今作はかなり現実的。終盤の犀川助教授の謎解きも筋道立っていて、納得のいくものだった。事件の謎解きとしては、前作よりも今作の方が好みだったかな。
    ただ、主人公の二人のキャラが、うーん、あまり好きになれない。前作の方がまだ好印象だった。犀川が事件の謎解きにあまり積極的でないのは理解できるが、皆が謎解きの披露を待っている時にまで妙に勿体ぶっているところがどうも微妙に思えてならなかった。頭のいい人間が故のおトボケをかましていただけかもしれないけど。そして、萌絵の方だが、お嬢様っぷりを発揮するのは良いけど、捜査報告書の閲覧を叔父に強請ったり、研究室に不法侵入して勝手に危ない目に遭ったり、引いてしまうくらいのあり得ない行動で、一気に苦手なキャラになってしまった。喜多助教授とか、国枝助手とか、脇役の方が好みかもしれない。
    本格モノとしては面白かったが、キャラの造形がいまいち自分に合わないのが残念。次作以降、持ち直す方に向かうことを願いたい。

  • S&Mシリーズの2作目です。
    前作の『すべてがFになる』が私的にとてもおもしろかったので、この『冷たい密室と博士たち』もおもしろいんだろうなと期待して読み始めました。

    予想通り今回もおもしろかったです!
    すべてがFになるは、結末というか犯人が結構予想できてしまったんですが、今回はなかなか予想できませんでした。
    この人かな?あれやっぱり違うかな?この人も怪しいかな?みたいな感じで読み進めていって、結局真相が明かされるまで大した予想ができませんでした。
    トリックは前作はとにかくすごいって感じだったんですが、今作はなるほどって感じで納得もできました。
    裏の裏は表ですね。
    真相は切ないというか哀しかったです。

    犀川先生があいかわらず素敵でした。
    萌絵もあいかわらずな感じだったし。
    このコンビ好きです。
    あと、最後の一文が私的にすごい好きです。
    早く3作目も読みたいです。

  • 再読。

    喜多先生初登場。「萌絵でーす」も初登場。

    所謂密室のミステリィ小説としては一作目『すべてはFになる』よりもずっと本格派だろう。
    良作である。

  • また書きます

  • S&Mシリーズ2作目。前作同様、理系用語に関しては理解が難しいですが(文系出身なんで)、論理的で格好良い文章には惚れ惚れしてしまいます。
    やはり非常に面白い。
    それにしても、あんなにヒントだらけなのに、自分で犯人にも方法にもたどり着けないのは悔しい。「すべてがFになる」に比べたら、断然分かりやすい方法だったはずなのに。「いやはや」って感じです。

  • このシリーズは、事件の内容もそうだが、犀川と萌絵のこの先の行方にも面白さがあるんだな。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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