- Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062645751
作品紹介・あらすじ
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警豊橋署に勤務する兄・和泉康正は独自の"現場検証"の結果、容疑者を二人に絞り込む。一人は妹の親友。もう一人は、かつての恋人。妹の復讐に燃え真犯人に肉迫する兄、その前に立ちはだかる練馬署の加賀刑事。殺したのは男か?女か?究極の「推理」小説。
感想・レビュー・書評
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これぞ推理小説 男か女、どっちが犯人? シンプルかつ濃厚な謎を解き明かせ! #どちらかが彼女を殺した
警察官である主人公の妹が殺害された。自ら鉄槌を下すため、警察に任せるのではなく、独自の現場検証と証拠を隠滅する。主人公は犯人として二人の目星をつけて追い詰めるが、最後まで真相は判明しない。果たしてどちらが妹を殺したのか。加賀恭一郎シリーズ第三弾。
大変挑戦的な作品です。
名作をいくつも生み出している素晴らしい作家ですが、初期の作品では結構思い切ったトリックやオチを使いますよね。発売当時を知らないんですが世間の評価はどうだったんでしょうか。
自分としては大いにアリだと思います、かなり楽しめました。
謎解き要素もしっかりできていますし、何度もページをもどって伏線を追いかけました。袋とじのヒントも読者の心をくすぐられますね。
ただ本書の魅力が犯人あてだけにフォーカスされてしまうのがちょっと残念。
シンプルながらも話の構成や、加賀恭一郎の事件への関わりや名推理など、狂言回し具合がお見事です。文章もいつものとおり大衆的で超読みやすいので、ミステリーが初めての人にも面白みを理解してもらえる作品ではないかと思いました。 -
初めて読んだ加賀恭一郎シリーズの一作目。
推理小説にして犯人が明かされないまま終わる斬新な作品。初読では犯人に辿り着けずモヤモヤした… -
加賀恭一郎シリーズ3作目。
妹を殺された刑事が独自の捜査で犯人を絞り込む。
親友とかつての恋人。
自殺の見なされた殺害の謎。
容疑者を絞り込んだプロセス。
そして図らずとも事件解決の道筋を共に歩む加賀と。
康正の視点を中心に物語は進んでいく。
真相に迫るための様々な伏線が見事。
加賀恭一郎シリーズの中で一番面白かった。
終わり方がミステリアス。
「究極の推理小説」と銘打ったのはこのことか。
それを踏まえると、このタイトルもなかなか。 -
加賀恭一郎シリーズ第3弾。
「お兄ちゃん以外、誰も信じられなくなっちゃった」園子からの最後の電話だった。
兄:和泉康正は交通課警察官、刑事には内密に妹の無念を晴らしたい!
園子の死の真相と、康正vs加賀も見せ場。
エンタメ作品は白黒ハッキリ派に所属している私には辛い結末。
BOOKOFF購入本で袋とじはオープンされてたが、チラ見もせずに我慢してたのに。なんでも、単行本の方が易しいらしい…文庫本はある一文が意図的に削除されているそうで。
東野圭吾先生、新たな試みだったのでしょう。解決サイトを探索して納得したところ。
園子の彼:佃潤一と、園子の親友:弓場佳世子と三角関係に陥り。。。この2人のどちらかが犯人、あるいは自殺⁈ という本書なんですが、読者の皆さん、一緒に推理しましょう!という試みの本なんざんす。
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シリーズの中でも屈指の読み易さ。何せ登場人物は少ないし、事件の背景や犯行もシンプル。犯人は2人のうちのどちらか?だけでグイグイ読ませる筆力はさすが。終わり方がまた斬新と言うか…。読了後のモヤモヤは、袋綴じの解説で何とか解消した。読み返し必至。ちなみに前作まで警視庁捜査一課の加賀は、さりげなく所轄(練馬署)に飛ばされていた。
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『どちらかが彼女を殺した』
久しぶりの東野圭吾さんで、大好きな加賀恭一郎シリーズ
最後まで読んでも、結局どっち〜!!というモヤモヤループ沼にはまった笑
この沼に読者を引き込むあたり、流石は東野圭吾さんだ。
作品自体は約27年前に刊行されたものだが、王道の推理もので十分に楽しめた。
文庫版にあたり、親本からカットされた部分がある為、難易度が上がっているとか…
巻末の西上心太さんによる推理の手引きが、袋綴じっていうのもまた特別感がある。
個人的には、恋人の佃潤一と親友の弓場佳代子が一方的に悪者になるのではく、和泉園子も2人に復讐を企てたあたりが人間味があって良かった。
交通課の刑事がどれだけ捜査を妨害するんだという強引さに、やや疑問は感じつつも安定の面白さだった。
やっぱり加賀恭一郎シリーズ…好きだなぁ。
未読の方は、もはやミステリーではお馴染みだが、「利き手」に最後まで気を抜かず(←これとっても大事)注目して読むことを強くオススメしたい。 -
シリーズ物だったから買った一冊
主な登場人物が少なくて人間関係はわかりやすかった。
内容もおもしろくてスラスラ読めた
被害者の兄目線で物語が進み、いろいろ推理して事件の真相を見つけて行くが、肝心の犯人が書かれていない
自分は推理小説を読んで少しは推理してみるが、それが楽しみでなく、主人公がいろいろ推理して解決して行くのが面白いので小説を読む。
だから答えは読者が考えて的なのはイライラする。
クイズをやってる訳じゃないから答えを書いてほしかった。
内容は面白かったが答えが書いてないのにがっかりした小説でした。 -
#読了 #どちらかが彼女を殺した #東野圭吾
最愛の妹が偽装を施され殺害された。愛知県警に勤務する兄は独自の現場検証の結果、容疑者を二人に絞り込む…
普通に最後まで読んだらまさかの犯人当て推理小説で犯人の記載無し。袋とじの推理の手引きを読み、問題の部分を読み返しやっとすっきりしました。 -
加賀恭一郎シリーズ3冊目。程よく頭を使わなきゃ読みこなせないのが東野圭吾だと実感。わかりにくいが、よーく読めばヒントがどこかにある。面白い!
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加賀恭一郎シリーズ三作目。
表題通りの内容。
最後まで読んでも犯人は書いておらず、読者の推理に委ねられる仕組み。文庫本には袋とじ解説がついていて、それを読んでようやく分かった。(ただし袋とじにも明確にこっちが犯人、と書いている訳ではない。)
こういう終わり方のものは久々に読んだので、読み終わった後色々な箇所を読み返したりして、難しかったけど、こういうのも楽しいなと思った。
ボーッと読んでいると、いろんな伏線を見逃してしまうので、気を抜かないように注意!な本。 -
スラスラ読めた。
2人の刑事のやり取りも面白いし、いつかこの2人が戦友の様な関係になってたら嬉しいな。
タイトルの【どちらかが彼女を殺した】をとことん突き詰めてる感じも好き。
元も子もないけど私は同性に異性を絶対紹介したりしません。
泥沼になるの知ってるから。 -
再読。当時画期的だった解決編のないミステリ。動機もある裏切られた恋人か友人かどちらかが犯人。ノベルス版は描写で露骨にヒントがあったようなのだが、文庫版は削除されており、「ある手がかりを見て何故、登場人物は犯人が特定できたのか?」というロジカルな道筋が分かる。文庫版は解説があるのでありがたいですね。
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加賀シリーズが本棚に並んでるけど…
読んだかどうか確認のつもりが…なぜか再読週間に突入しています( ̄▽ ̄)
犯人がわからない?そんなのあったかしら?
袋とじって折原一しか記憶にないわ…
まぁ犯人は1人なんですけどね。
自分的にはどちらでも面白いんじゃないかなと…
腹黒女が彼氏をまんまと操って殺させるってのもありだし…
ただ…私は袋を左手で破るんですよね笑
ちょっと納得いかないな♪(´ε` )
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加賀恭一郎シリーズ第3作目。話の流れとして前作の続きとはなっていないようだ。今回の加賀恭一郎は練馬署の刑事となっていて、1作目の片想いの彼女も2件目の恋心を抱き始めた彼女も登場しない。勤務先も警視庁捜査1課から練馬署に変わっている。そして今回も自殺事件に一人だけ疑問を抱き別捜査するところだけが一緒だ。
今回の構成の大きく違うのは二つあって、主人公が加賀恭一郎ともう一人、自殺したとされる女性の兄である愛知県の豊橋警察署の交通課警官の和泉康正で、妹の自殺は偽装で殺人事件だと見抜いて、自ら復讐の為警察を欺いて犯人探しに奔走する。和泉康正対犯人、和泉康正対加賀恭一郎という構図の展開になっていて、和泉康正が主人公のような感じで進行する。最後はさすが加賀恭一郎という結末になるのだが、もう一つの大きく違うのは、最後まで犯人がはっきりと言葉で示されず、読者に推理させる終わり方になっていることだ。被疑者2人のどちらが犯人か、それともやはり自殺か。何回も出てくるキーワードを精査して読み解くと解明でき、東野圭吾がすごいと感動する。
今回は加賀恭一郎より和泉康正に思いれてしまう作品だった。最後の和泉康正の行動がカッコいい。
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だいぶ前の携帯もない時代の作品だけど、内容は全然錆びた感じがしない。自分で推理しないと結局誰が犯人か分からない。面白かった。
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初めて読んだ時は終盤の展開にドキドキし、すっかり虜にさせられた作品。加賀シリーズじゃなくていいから、また犯人当て作品出してほしい。容疑者は被害者の友人と元恋人の2人しかいないが、どちらが犯人だったか忘れた頃に再読するので毎回楽しんでいる。
お兄さんは最初から優秀な加賀刑事に任せておけばいいのに。妹の死を目の当たりにしてすぐ復讐のために頭を切り替えるのは腑に落ちない。
今回は推理の決め手は覚えていたので注意深く読んでいたのに、結局手引きを読むまで断定できなかった。文庫版で決定的な記述を削るなんて…。 -
物語の最後に犯人は明かされず、読者に誰が犯人だったか、を考えさせる内容。僕自身、そういう内容と知っていたので、読んでいる最中にメモを取り、情報を整理し、犯人に到達することができました。
しかし、読了後に考察サイトなるものを拝読し、加賀の推理の深さに圧倒されるものでした。全てを解った後にもう一度読んでも楽しめると思います。
東野圭吾さんからの読者への挑戦状、興味がある方は一読してみてはいかがでしょうか。 -
かなり昔に読んだものを再読。内容は殆ど覚えていなかったので、初めて手にしたかのように楽しめた。
タイトル通り、容疑者は、どちらか。故に2人なのだけれど、あまり考えずに読んでしまうと、最後にどっち?がわからないまま本書は終わってしまう。
最後まで犯人は明記されず、材料を揃えて読者に推理させるという嗜好を凝らした作品なので、これから読まれるのであれば、ぜひ読みこぼしのないように…です。
2人の容疑者が追い詰められていくシーンは、どういった結末を迎えるのかとハラハラした(再読なのに) -
東野圭吾さんの加賀恭一郎シリーズ。
妹の死をめぐり、他殺と確信した警察官である兄が、タイトルのとおり、その真実を探るべく単独捜査を進める。
この作品は、結末で犯人が明かされない。
容疑者は妹の元恋人か親友か。真相は読者の推理に委ねられる。相変わらず加賀さんの鋭い洞察力はすごい!と驚嘆しながら読み終えた。
ただ、私はラストで事件の真実に辿り着き、答え合わせができるような構成の方がスッキリするから好みかな。 -
本当にタイトル通りの作品。どちらが殺したのかを追及していく形式のシンプルな推理小説。しかし兄と刑事を違う立場に置き、被疑者同士がお互い信じ合っているなどの要素があるので退屈はしなかった。
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加賀恭一郎シリーズ第3弾。
妹を殺された警官である兄が真相を追う。もちろん加賀恭一郎も事件を追う。
最後の最後まで犯人はどっち?と思いましたが、多分わかりました。
ネタバレすると読む人が残念なことになるので秘密です。
今回は主役は兄でそのあちこちに恭一郎が登場するというスタイルでした。
面白かった! -
最後まで犯人が誰かはわからない藪の中形式の作品。袋綴じまで読んだけど、結局どちらかはわからない。お兄さんや加賀みたいに物的証拠から犯人を割り出すなんて事は素人には難しい。
ただ、動機で探ってみたら、より彼女に消えてほしいと願うのは、あちらの人ではないかと予想できる。
それにしても、被害者のお兄さんの執拗さは恐ろしい。出来れば関わりたくない相手だな。 -
答えが明かされないミステリーは初めてでした。その分謎解きに身が入り、楽しく読めました。犯人はわかったのですが、細かい伏線などはわからず、ネットの解説などを読んでようやく納得しました。
本文中で、「どちらかが彼女を殺した」という文が出た時、物語の真髄が現れた!と感じ、興奮してしまいました。痺れました。