少年H(上) (講談社文庫)

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著者 : 妹尾河童
  • 講談社 (1999年6月9日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645904

少年H(上) (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 今年映画化ということで、なんと12年ぶりに再読。
    小学校の図書館で、上巻表紙の青空と下巻表紙の夕焼けがとてもキレイで目立っていた思い出が。
    当時を振り返りつつ、表紙が同じ講談社文庫にしました。

    当時はなんの疑いもなく、「Hっておもろい子やなぁ」「戦争ってあかんなぁ怖いなぁ」と思いながら読んでいましたが、批判的なレビューに書かれている通り確かにちょっと左寄りですし、史実と異なる部分もあるそうです。
    ですが、これは自伝っぽいフィクション小説だと割り切れば楽しめます。
    父・盛夫の質問に対して丁寧に答えてくれるところがとても素敵。
    母・敏子といい夫婦だなぁとしみじみ感じました。
    Hが頭を使ってお小遣い稼ぎの商売するエピソードやなんでもかんでも興味を示すあたりが、いかにも河童さんで面白いです。

    小説としては好きなのですが、いつか自分の子どもに読ませるとしたら他にもいくつか同時期に読んでほしいかな、という感じです。
    「永遠の0」なんかといっしょに。
    終戦記念日までには下巻も読み終わりたい。

    2013/08/05-09

  • 舞台美術家、妹尾河童氏のベストセラー小説。映像化も多数で、最近もテレビ朝日の開局55周年記念企画として映画化されていましたね。

    形式は短編連作で、エッセイ風。漢字は総ルビになっていて、小学生でも十分に読める内容になっています。

    少年Hの目から見た戦争が、少年のままの声で、分かりやすく丁寧に描かれています。戦争というものが、色濃く伝わる、そんな良作でした。

  • 文庫化を待ち望んでいた作品でした♪ 読み応え充分♪
    日本人が読んでおくべき、知っておくべき極近い過去の重い歴史を、1人の少年の目から見た史実として“生き生き”と活写している読みやすい文章は、おそらくは もの凄く 価値あるもののように思えます。
    作者自身でもある“H”少年の日常は、その時代を実際に生きた当人だからこそのリアリティをもって迫ってくるけれど、決して悲観的ではなく、むしろ楽観的にすら見えてくるたくましさがありありと伝わってきて、ジンと胸にくるものがあり、時におかしく、ほんの少し悲しくもあった少年時代…

    H少年の成長を追っていくに従って、否応なくその生活すべてに深く関わってくるあの“戦争”というものを、忘れることなど誰もできないのだなと感じてしまう。世界中を巻き込んだ狂乱の実態は、やはり「知らない」では済ませられるはずもなく、この国で何があったのか、その時この国の1人1人は何を感じ何をしていたのか?
    とは言え重いばかりではなく、読み手のことを考えてほぼ全ての漢字にルビをふっているなどの配慮もあり、誰でも手に取りやすくなっている。
    本当に心に残る物語でした。 ^^

    蛇足ですが、願わくば文部省推薦(今は文部科学省?)図書とかにはしないでいただきたい。子供の頃、『文部省推薦図書』とか『夏休み読書感想文対象図書』とかの言葉を見るだけで、その本はゼッタイにつまらない面白くないのは確実だから読まないでおこう、と本気で思っていた人間として、ささやかな希望ですw

  • 映画を観て原作を読んでみたいと購入。
    戦争物と呼ばれる作品は数多くあるけれど、これは戦争中の普通の人々の生活を書いた作品。

    好奇心旺盛な小学生のHから見た世界だけれど、本来なら戦争体験者から今の子供たちへ聞かせてあげたいお話。

    今は戦争体験者の方の方が少ないからそんな機会も少なくなってしまったけれど、子供たちにはぜひ読んでもらいたい作品。

    24時間の時間表示を教えるようになったり、旧かな使いが今の様式になったのはこの頃からとか、今の「時刻表」がこの時代に「時間表」から変更になったとか知らないことがたくさんあった。

    今から下巻読みます。

  • 戦時期に神戸で少年時代を送った著者の自伝的小説。

    洋服屋の父、クリスチャンの母、幼い妹、さらに学校の友人たちや近所の人びととの心温まる交流を中心に、軍国主義教育がしだいに強化されてゆく中でも懐疑精神を失うことのなかった少年の姿を描いている。

    ただし本書の刊行後に、史実上の誤りが含まれていることが、山中恒・山中典子『間違いだらけの少年H』(辺境社)によって明らかになった。本書のストーリーが感動を呼ぶものであるだけに、アジテーションの書という批判を招く結果になったことは非常に残念。そういったこともあって、本書はイデオロギー的な文脈の中で読まれることになったわけだが(そしてその責の大部分は本書の著者にあると思うが)、そうした側面を度外視するならば興味深い内容だと感じた。とりわけ、主人公である少年Hの疑問に耳を傾けながら、自分で考える道筋をさりげなく指し示すHの父が印象的。

  • 自由に遊んでいた少年時代から、徐々に戦争が近づいてくる
    当時の生活の様子とか、少しずつ近づいてくる戦争の足音とか感じられる

  • 少年Hの好奇心旺盛な所にドキドキしたり
    H少年のお母さんに対する思いとか読んでて一緒にイラついたよ(笑)
    H少年は頭の切れる賢い子だったんだ~ってでも一言多いのよね
    まぁ素直とも言うが・・・
    下巻の後半の方はH少年の苦しみや苛立ちが凄く伝わる。
    下巻はほぼ戦争の話だけど子供の視点だからか全体的に暗くなりすぎずに読める。
    が、やはり戦争は怖いと改めて思った。

  • 913.6

  • Hの育った環境とはあまりにも異なる為共感は出来ないが、Hの親父がマジかっこいいことだけは認める。戦前戦中にこんなリベラルな思想を維持するのは相当大変だったろう。余談だが、妹尾河童さんはよくこんなに昔の事を覚えてるなと感心した。

  • これ、自伝小説?
    筆者の子供のころのエピソードがこれでもかという形で語られる小説?エッセー?

    ほとんどの漢字にルビがふられていて、読みやすいような読みにくいような本になっています(笑)

    さて、上巻では戦前と戦中のエピソードが語られています。
    戦前の人々の暮らしや戦争が始まってからの様子が赤裸々に語られると同時に、主人公Hの好奇心旺盛な思考、行動が描かれています。

    しかし、何よりも驚きは少年Hではなく、その父親。父親の語るメッセージは、あまりに冷静で的を射ています。こんな父親はいないでしょう!!

    ということで、感動するような物語ではなく、少年Hが感じたこと、経験したことを生き生きとと語る小説でした。
    どちらかというと苦手...

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