少年H(上) (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (478ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062645904

感想・レビュー・書評

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  • 賛否両論ありそうな本。ひと昔前の日本の様子がありありと描かれていて、自分は存在しなかったはずなのに、どこか懐かしい匂いのする印象。話自体は、少年Hの毎日、といった感じで、短編のようにひとつひとつの話が章ごとに分かれているのだが、思い出ひとつひとつを綴っているよう。くすりと笑ってしまうようなエピソードや、心あたたまるものも中にはあるのだが、ページをめくるのが止まらなくなるような、夢中にさせるようなものではない。やめようと思えば、いつでもやめられるし、いつでも始められる感じのお話。ノスタルジックな感覚が好きだったり、その時代に興味があったり、日本史が好きならば、おそらく好きになれると思う。

  • しばらく前に話題になった、作者の戦時下の体験を物語風にまとめたものです。
    かなり高い評価を得ましたが、個人的には主人公(作者)の感想が戦後的な道徳観で書かれており、当時の少年の主観が描かれているとは思えません。また、様々な研究で本文中の記述に矛盾があったり、歴史公証が間違っていたりとその内容そのものに疑問があります。加えて重版をする際にその点は訂正されているのですが、改訂したという記述が全くないなど、意図的に戦後的平和感を書いたとしか思えません。
    あくまで個人的ですが、全くお勧めできない一冊です。

著者プロフィール

妹尾河童
1930年神戸生まれ。グラフィック・デザイナーを経て、1954年、独学で舞台美術家としてデビュー。以来、演劇、オペラ、ミュージカルと幅広く活躍し、「紀伊國屋演劇賞」「サントリー音楽賞」など多数受賞する。また、エッセイストとしても、『河童が覗いたヨーロッパ』『河童が覗いたインド』などの大人気シリーズで知られている。著書多数。『少年H』は、著者初の自伝的小説で、毎日出版文化賞特別賞受賞作である。

「2013年 『少年H(下巻) (新装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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