星降り山荘の殺人 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (494ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646154

感想・レビュー・書評

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  • 騙された騙された騙されたっ!!
    いや、引っ掛かった!!か。

    このようなスタイルの小説は初めて。
    まんまと作者の手中に落ちました。

    雪深い埼玉奥地の山荘に、売れっ子スターウォッチャーと共に仕事で赴く事になった主人公。
    その山荘には、女性作家やUFO研究家も招待されていた。
    その夜、殺人事件が起こる。
    あいにくの吹雪で、街に出る途中の道が遮断されている。
    クローズドサークルでの犯人探しが始まる。

    お約束の設定ではあるのですが、今振り返ると、どこにも無駄がありません。
    天才っ.☆.。.:*・°

    毎度ミステリー読む前は気合いを入れて、言葉の言い回しのあやしい所をチェックしたりしているのですが、見当違いもいいトコ。
    結果、意味ない所に沢山の付箋がっ笑

    著者が、わざと誘導しているに違いない。
    そして引っ掛かる私。
    ちょれーちょれーっすw

    ミステリーを知らない友人にオススメを聞かれたら「十角館の殺人」と、この「星降り山荘の殺人」を薦めます。
    それくらい後半はドキドキしました。
    このドキドキがたまんない(*♥д♥*)

    とにかく読んでみて欲しい〜
    そしてトリックに引っ掛かって一緒に悶えよう"(ノ*>∀<)ノ

  • 場面が変わるタイミングで注釈のようなものが入り、読書時に気をつけて読み進めたが、まんまと騙された。
    読了後に最初から注釈を気にして読み返すと確かに書いてある通りだった。
    面白い。

  • 読み終わって全然伏線を拾いきれてないなー自分と思いつつ、それでも覚えてる節々が少し繋がっている感触はありました。ので!伏線回収の上級者の皆様なら、もともと楽しめる作品と思います!作品は中だるみもなく、キャラも楽しめて、え!え!え!そのキャラをまさかのー?

  • 王道クローズドサークル、読者への挑戦状チックなメッセージがたびたび出てくる。
    このメッセージが良い感じにミスリードしてて、最後まで読んで意図が分かるとなるほどね!ってなる。
    ただ、クライマックスで犯人が判明してからが残念。
    キャラが急に変わりすぎでは?
    動機がイマイチなのは、もともと動機を重要視しない進め方だから良いとしても、
    犯人が喚き散らす時のセリフが汚いし、罵倒のレパートリー少なすぎるし、急に知能レベル低い人が書いたみたいな文章になって戸惑う。
    せっかく少しずつ少しずつ好感が持ててきたキャラクターなのに、もったいないなぁこれは。
    あの夢を語るくだりは何だったのか。
    最後のどんでん返し、「まだ終わりじゃないよね?さらにもう一回どんでん返しがあるよね?」と期待したら、何もなく、という感じだった。

  • 誰のレビューも読まず、ネットで本格推理小説のおすすめを検索して購入した一冊。
    私はフーダニットが大好きなのだ!!

    「読者に真っ向勝負!フーダニット?犯人は誰だ。」

    の帯!こんなの絶対購入するでしょ!!


    初めての作家さん、予備知識ゼロ。
    猛烈な期待を持って読み初めてしまったので、最初は肩透かし(^_^;)

    何だよ、鬱陶しいなぁ、作者の説明(-_-)

    なーんて思いながらも、やっぱりフーダニットは大好きでワクワクしながら読み進める。

    この展開で、犯人がこの人でなかったらもう終わりでしょ?くらいに思っていたのだが、作者が仕掛けたミスリードにしっかり引っ掛かり、そっちかよーーー!!と大声を出したくなった。

    一瞬で自分の誤りに気付いて、あの時!、って思ったけど、それはもう言い訳にしかならなくて(^_^;)

    しっかり作家さんに負けてしまった(^_^;)
    所詮私などこの程度。
    だから読者が楽しいんだ(*^^*)

  • 再建を図る雪降る山荘で殺人事件が起こった。集められたのはUFO研究家、スターウォッチャー、売れっ子女流作家など一癖も二癖もある人物たち。犯人は一体誰なのか。

    各章の冒頭に著者からの謎解き解決のヒントととも取れる一文があり、読者に犯人探しを挑戦させるような展開に。犯人探しは引っ掛かった。謎解き部分はあっさりしていたものの納得した。
    でもホームズはホームズのままで居てほしかった…
    せめて最後の最後でキャラ崩壊はしないでほしかった…

  • このような「どんでん返し」と呼ばれる物に出会う度に、自分の先入観がどれだけ深く根付いているのかがよくわかる。
    最初の部分にこの章はこのような展開が起きると前書きまでされていることに違和感を感じながら、その真の意味に気づくことが出来なかった。なによりずっと○○な人が○○役であるとは限らないのだから。まだまだ読書量が浅い僕は様々な物語に触れていきたい。

  • 『猫丸先輩』の倉知淳が本格⁉と思いながらも評判高くて期待して読んだ。意外性よりも論理展開に痺れた。そう言えば『猫丸先輩』もまったりの中に論理光ってたなあ。

  • 所々にある作者の説明書き、最初はこれを信じていいのかと疑いながら読んだ。クローズドサークルもので容疑者の人数も少ないから、騙されたとかそんな感覚になれるのかなとも思っていたが、最後になって、なるほど!そういうことか!と分かった時は気持ち良かった。
    探偵と助手の関係もいい感じ。
    少し長めのお話なので、ごめんなさい、難しい専門分野はざーっと読んだ。

  • 雪山のコテージを舞台にしたクローズドサークル本格ミステリ。騙されることをアピールする作品はぶっ飛んだオチが多い中、これは至ってフェアな作品である。作中一番の仕掛けにはコロッと騙されてしまった。

    先入観を利用した、番外戦術とでもいうべき大掛かりな仕掛けではあるのだが、肝心の事件そのものもしっかりと作り込んである。トリックは普通で動機も唐突ではあるのだが、動機は分からないという記述があるのでフェアではあるし、確かに動機面まで推測するのは事前情報がないと無理だろう。

    大掛かりな仕掛け、いわば重要なトリックの正体は「探偵役と読者が思い込んでいた人間が実は犯人」という、言ってしまえばそれだけの話なのだが、このミステリのミソはフォーマットにある。まず登場人物紹介での探偵役と助手の配置というミスリードに始まり、各章の冒頭に記述された「事件の犯人ではありえない」「不自然なトリックは使われていない」「犯人だけは嘘をついている」「重要な伏線が張られている」など、やや説明過剰とも思えるミステリ上必要な手続きなど、フォーマットそのものが騙すための先入観を植え付けていたというのが非常に面白い。嘘はついておらず、フェアプレイであるのだが、その背後に仕掛けられた作者の企みに物の見事に翻弄されてしまった。真の探偵役である麻子は、読み返してみると要所要所でしっかりと推理を披露しているため、真の探偵登場は衝撃的ではあるのだが、あまり唐突感はない。読者の思い込んだ探偵役が矢面になったせいで、麻子の優秀さ、いわば探偵役としての振る舞いが上手く隠されていたのが凄い点だろう。作家の助手という麻子の肩書きも上手い隠れ蓑になっていて、作家の方が推理を披露していたので、どうしてもそちらに目がいってしまう。謂うなれば探偵役とその相棒が作中に二組存在しており、読者の思い込み、偽の探偵である星園と合わせて二重に隠されていたのだ。また麻子のヒロイン=犯人であって欲しくないという読者の願いも利用された感じがある。犯人を捜すミステリと見せかけて、探偵役を探さなければいけないミステリだったには脱帽した。騙されたことが分かる、というのはいいミステリの条件だと思う。事件そのものは普通であり、トリックも目新しくないのだが、大掛かりな仕掛けの鮮やかさが強烈に印象に残る傑作である。

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著者プロフィール

一九六二年静岡県生まれ。日本大学藝術学部卒。九三年「競作 五十円玉二十枚の謎」に応募し、若竹賞を受賞、九四年『日曜の夜は出たくない』で本格的に作家デビュー。二〇〇一年『壺中の天国』で第一回本格ミステリ大賞を受賞。著書に『星降り山荘の殺人』『片桐大三郎とXYZの悲劇』『皇帝と拳銃と』『豆腐の角に頭ぶつけて死んでしまえ事件』『月下美人を待つ庭で猫丸先輩の妄言』などがある。

「2021年 『作家の人たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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