文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (1999年9月8日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (1060ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062646673

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文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  •  京極堂が関口君の本の掲載順を考えて置いてあげたシーンがとても好き。
     ご無沙汰すぎるのがちょっと面白くなくて鳥口くん巻き込んで小さな意地悪をして、それでもなんだかんだで目的を達成させてあげて、物事を進展させて一人になった時関口君の忘れ物に気付いて、京極堂は聡明だからきっとその忘れ物を見て関口君の用件が鳥口くんのそれだけじゃないことに気が付いてああ悪い事をしたなあ、言えば良かったのに、いや言えなかったのかってとこまで考えて、まだ決まってないんだろうって想像して自発的に考えてあげたんだろうなあという気がしてその思いやりがとても心地よい。
     最後の関口君の本を見て大笑いしているところも好き。

  • いつか読もうは馬鹿野郎。
    ということで、読み始めちゃえばこっちのもんよ、と埃被っていたのを引っ張り出してきました。
    読む前からわかっていたことでしたが、やはり面白い。
    小説としての完成度が恐ろしく高いんです。
    ミステリとして見ると、衆人環視での消失という謎の解は、見当がついてしまうかもしれない。しかしそれが瑕疵にならないほどに読ませる力があります。
    京極堂が言うように、一連のものに思える事件の構図は、そう見えるだけであってバラバラのものです。
    それなのに読み終わってみると、綺麗に纏まっている。物語を構築する技術が尋常ではありません。
    『姑獲鳥の夏』で見せた膨大な蘊蓄が説得力となって真相を支えるという力業も健在。
    方々で語り続けられるだけのことはある傑作です。

    それにしても、久保が書いた『匣の中の少女』の美しさよ……

  • やはり長編でした。仕事の昼休みなどの空いた時間を見つけては読んでいました。京極堂の憑き物落としのシーンは流石です。ここだけは一気に読み終えました。点在していた無数の伏線が見事につながり一本の線になる様は圧巻。あー、それでこうなるのかと!それと無駄なうんちくがまた至高!ただ、この小説はトリックを楽しむミステリとはちと違うようです。魍魎とは何なのか。気になる方は是非読んでみてください。猟奇事件に耐性がない人はキツイかもしれませんが。最後に一言。 「ほう」 私は何だか酷く、あの男が羨ましくなつてしまつた。

  • 5 

    振り返ると三月ばかり短編集ばかり読んでいる。読書にあまり時間が取れないせいか、取りたくないせいか、半ば無意識に長いものを避けていたようだ。世間では連休ということもあり、この機会に長編を、どうせならしばらく積んでいる文庫で千頁超の本作を、ということで手に取った。個人的には連休など無関係なのだが。

    前作を読んだときにも感じたが、ぱっと見の取っ付き難さに反して、圧倒的なリーダビリティであり、(物理的にはともかく)まるでボリュームを感じさせない。巧妙な語り口で読み手をひきつけ、頁を繰る手が止まらない。久々の没入感であった。

    個別の事件のトリックや真相は割とシンプル、読んでる端からわかってしまうので、全体のプロットも主要登場人物が出揃ったあたりでほぼ予測がつく。しかし、それで興が削がれるということはなく、むしろ、このとっ散らかった、いやとっ散らかるであろう話をどう進めるのか、どう纏めるのかという点で俄然注目させられる。そしてその点では読み手の想像など遥かに越えていた。とにかく話の持っていき方、纏め方、筋立ては見事と言って良く、何しろ登場人物に吐かせるセリフが、こんなことまで言わせるのかという意味で、これまた想像を超える。主脇含めて最高のキャラクター小説と言える。

    描かれているのは人間の様々な妄執。そしてその妄執からの解放。“憑き物落とし”の説得力。非常に濃い、十分な湿り気を含んだ、カタマリのような物語だ。ああ面白かった。

  • すごいものを読んでしまったなという感想!
    すごいですね!
    初京極。
    本の分厚さから敬遠していたけど、長さはまったく感じません。
    百鬼夜行シリーズ、どんどん読んで行こう。

  • 面白かった。

    小説をほとんど読まないので他の方はわからないですが
    京極さんは天才だと思う。

  • 難解ではないがあまりに豊饒である

  • 加奈子が一番可哀想だよ。
    なんだか、ナチュラルにすさまじい。
    うぶめがすごすぎてもう驚かないけど、普通にすさまじい。

  • 相変わらず京極堂の言っていることはわかったようなわからんような、それは詭弁では?と思うようなこともあるが、一度読み出すと時間を忘れて読み耽ってしまう面白さ。
    登場人物が増えてきたが、ある意味最も犯人に近い場所にいながら、離れた場所にいる関口君が人間らしくて一番好きかな。

  • 『匣に取り憑かれる』って発想が耽美すぎる!
    うっとおしくてウザい京極堂の語りはクセになり 痛快で笑いが起きてしまいそう。絶対途中でやめるもんかと半分意地になって読んでる人 多数?!
    4人のキャラ設定が何より魅力的。

    作中作品の小説、興味津々。番外編で出してほしい。

  • 姑獲鳥を読んで幾分慣れたといっても面白かった。わたしに足りないのは「救われる人間がいる限り、それはそれで良いのだ」という優しさなんだろうかと、考えたりも。

  • すべてがうまく行き過ぎというぐらいうまいミステリ。京極堂の薀蓄が隙間風に感じるぐらい、ぴったりとすべてが噛み合って大きな匣におさまっていた。陽子加菜子の関係はどうかとも思うが(ドラマすぎて)、あの細切れに挟まれる小説や手紙がああいう形で回収されるのは驚いた。正方形でシンメトリー。閉じられたも物語。

  • 彼岸を超えてしまった。

    好きなものをハコに閉じ込めたいという思いは、
    ちょっと解かる。
    好きなものをハコに閉じ込め誰にも見られない状態にして、
    自分の好きなタイミングで、そっと、ちょっとだけ人に見せる。
    でも、好きな「もの」なら可能かもしれないけど、
    好きな「ひと」なら不可能だ。
    そもそもハコの中で人は生きていけないし、
    その人が生きていけないことを覚悟の上で誰かが持ったハコの中で生きることを選択する可能性は極めて低い。

    でも、もしそれが可能だとしたら。

    あぁ彼岸を超えてしまう。
    そんな可能性は、目にしてはいけなかった。

  • たためるのか不安になるくらいに風呂敷を広げながら、目前で一挙に回収された気分を味わった。前作に引き続き膨大な情報量や蘊蓄(毎度のことだが)の至るところに、匣というキーワードがちりばめられていながら、出来事が一括りにならないもどかしさに思わず唸ってしまう。
    読者は中禅寺以外の視点で物語を眺めることになるのだが、木場や関口と同じ場所でウンウン唸っている読者の遥か頭上で、中禅寺がずっと高次元な憑き物を前に頭をかきむしっている。
    そこが作者の巧いところで、目の前の問題を意図も簡単にブレイクスルーしてしまう中禅寺に推理も結末も任せてしまいたくなる。
    ちょっと納得し難い非現実も、このトリックで納得させられてしまう。
    物語の全貌を見通せているように錯覚させておいて、最終的に中禅寺が絡まった謎をほどいて再構築してくれるのが悔しくも爽快だった。

  • みっしりと内容が詰まっていて読み応えがあった。

    恐ろしく猟奇的な事件であった。
    気分が悪くなりそう。
    だけどこの感覚が堪らない…

    このシリーズは長い時間をかけて全て読破していきたい。

  • ゆっくり半身浴したいときに 
    本をもってお風呂にはいるのですが
    これは、向かない。のぼせてしまう。

    厚さ43mm、、、文庫なのに重い、、、
    そして面白すぎる。
    途中でやめられなくなるから、困る。

    溢れる漢字(それも旧字体多…)
    馴染まぬ表現(類推するしかない…)
    これでもか!な薀蓄(すでに手一杯…)
    それでも、だからこそ、
    読みたくなる京極ワールドです。
    未読の方はぜひどうぞ。
    (こちらは京極堂シリーズ第2作目、
     第1作姑獲鳥の夏から読まれることお勧めします)

    息子が見ていた映画妖怪大戦争にも
    魍魎が登場してました。
    そういえば、表紙と似てましたわ。

    2017.3月追記
    表紙変わったんですねぇ。魍魎いなくなった。笑

  • 両手、両足が切断された遺体が発見される。発見された手足は匣に収まっていた。同時に起きた、女子高生が走行中の電車に飛び込み重体を負う。二つの事件に共通する犯人は「手袋をした男」だった。複雑に絡みあう事件だが、全ての事件を同時に考えてしまうと解決は得られない。解決のキーワードは「近代医学」、「匣に収まっていなかった手足の持ち主」、「内側と外側の関係」、「冒頭に提示される架空小説の主人公」が鍵を握る。千ページを超える長編だが、私は長く感じなかった。だが、後味がいい作品ではない。精神が弱っている時にこの作品を読むと呑みこまれる可能性もあるだろう。

  • ★5.0
    再読。京極堂シリーズの中でも、特に大好きな1冊。京極堂、関口、木場、榎木津等のお馴染みのメンバーに加えて、頼子、陽子、雨宮、そして、久保竣公と彼が綴る「匣の中の娘」。起こる事件は猟奇的で非現実的だけれど、そこに殺意が存在しないのは勿論、時に愛情しかなかったりもするから人間は分からない。たとえ最期は干からびた姿になろうとも、きっと彼は誰よりも彼女を愛し、一緒にいれるだけで幸せだったはず。相変わらずのページを跨がない文章に加え、前章の最後と次章の最初で同じ言葉を使っているのも臨場感があって良い感じ。

  • 美しい少女の自殺未遂から始まる一連の事件。重症の少女が病室から消失、連続バラバラ死体遺棄事件、新興宗教。これらの事件の関連を陰陽師・中禅寺秋彦が暴く。
    読後の躁鬱感がすごい。関口君じゃないけど、半月は京極夏彦作品は読めない。
    しかし、必ずまた読みたくなるだろう。
    「私は、匣の中身がみたい」
    僕も魍魎に憑かれたようだ。

  • 京極堂2作目。
    箱を祀る宗教、箱詰めにされた少女たちの四肢、巨大な箱型の建物。箱に絡んだ事件にいつもの面々が絡み京極堂の元に集まる。果たして京極堂は憑物を落とせるか。

    こちらも映画を先に観てしまったので、時間をあけてから読みたかった作品です。とにかくその厚さに手がすくんだのだが、前作が面白くそのまま読み進めてしまった。
    それぞれが別々に関わりながらも、それぞれ重要部分があり、最後にはまとまるというピースのはまり具合が最高でした。京極堂の過去もあり、戦争中、戦後の混乱の中、苦労した事が描かれ感慨深い作品です。

  • 今作は「犯罪」に対する考察が面白い。
    犯罪は社会が作り出すという前提があり、何かきっかけはあるにせよ、動機なんてものは社会がその事件をうまく解釈したいが為に後から付けられるものに過ぎず、犯罪を犯す当人は「そうするべきだ」としか思っていない、といった考え方は妙にしっくりきた。
    それこそ「魍魎が通り過ぎた」だけで人は簡単に狂ってしまうのだろうし、自分も例外じゃないと自覚することぐらいでしか対策できない。
    それだけ犯罪は身近で、それらを「魍魎」のようにあやふやで意味不明なものとして退ける行為が更に犯罪を犯罪たらしめているのかもしれない。

    ミステリーというより社会学満載で面白すぎる一冊。

  • 素晴らしかった。
    それが、この本を読み終えた後に湧き出た感情です。
    文庫本にも限らず国語辞典並みに厚いため、読むのをためらう人も多いかもしれませんが、もったいない。非常に。
    残酷で不可思議な事件の真相とは、魍魎とは、匣とは、複雑に絡まっていく事件が、最後に収束していく瞬間。その一文字一文字を読んでいる時の衝撃は、何物にも代えがたい。根気強く読んできて本当に良かったです。
    みなさんも、ぜひ挑戦してください

  • ようやく読めた。深淵を覗く。人を辞めればずっと幸せということばにどきっとした。

  • 見てはならぬものを見てしまった人間たちとその周りにに起きた悲劇。
    久保の最期が実写版とはかなり違う。まーあんな場面を実写化するなんていろんな意味で難しいから仕方ないか。
    今回に限ってやたら肉体的苦痛を受けまくる青木にサドっ気をくすぐられた。
    結局加奈子の事を1番愛していたのは雨宮だったのかな。美馬坂とっては実験台、陽子にとっては母から父を奪い取った証、頼子にとっては現実逃避の拠り所でしかなかったワケだから。
    理性の塊のような美馬坂博士が、娘と関係を持ったり妻の病気を治したいがために学会を追われたということが判明する場面はなんとも言えない。男だろうが科学者だろうが所詮人間は感情の生き物ってことなんだろうか。
    それにしても事実を客観的に見つめつつ人間の感情を交えて早々に事実にたどり着くことが出来た里村は凄いな。理性的な部分と感情的な部分をバランスよく両方持ってる名医。病院の経営者としてはカスだけど。

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文庫版 魍魎の匣 (講談社文庫)の作品紹介

匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物-箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。

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