燃ゆるとき (講談社文庫)

著者 :
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  • Amazon.co.jp ・本 (388ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062647113

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  • 築地魚市場の片隅に興した零細企業が、「マルちゃん」ブランドで一部上場企業に育つまでを実名で描く。東洋水産の創業者・森和夫は「社員を大事にする」経営理念のもと、様々な障壁を乗り越え競争を勝ち抜いてゆく。

    日清食品と東洋水産の特許を巡る紛争で、本書は日清の創業者(安藤百福)をかなり悪者扱いしている。作者の高杉良がどれぐらいフェアな人かは知る由もないし、この本は東洋水産の創業者・森和夫が主人公だから割り引いて考えなくてはならないだろうが、安藤百福は即席めんの世界では伝説の人だけに興味深かった。
    (B)  

  • 同著者の『勇気凛々』を読み、面白いと感じて別作品をブックオフで購入。
    高杉良は『金融腐蝕列島呪縛』シリーズが有名だが、あまり惹かれず、そのシリーズにはまだ手をつけていない。もっぱら特定企業にスポットを当て、創業から安定期に入るまでの社史とも言える作品を描いたものが好きだ。
    「東洋水産」というと「カップ麺の会社」程度にしか思っていなかったが、名前にある通り、水産業から興り、冷蔵庫業、水産加工業と関連分野に特化して成長してきた企業だと知る。ちょうどこの作品のモデル(※モデルといっても実名で登場し、ノンフィクションである)になっている「東洋水産」の創業者、森和夫氏が2011年7月14日に亡くなられたらしい。そのタイミングでこの作品を読んでいたことに何かしらの縁も感じる。
    小説としての誇張表現をいくらか考えても創業者の森和夫さんは情熱的で人間臭く、大変尊敬できる経営者で、顧客第一主義を貫き、社員を大切にする「東洋水産」という会社を改めて見直す機会となった。具体的な業績を交えながら小説として面白くしている高杉良さんの作家としての力もすごいと思う。高杉良さんのほかの作品も読みたいと思う。

  • 僕の自慢は社員です」―東洋水産の創業者・森和夫は胸をはった。築地魚市場の片隅に興した会社が、今や“赤いきつね”のCMで有名な一部上場の大企業に育った。燃えるようなチャレンジ精神で、商社の横暴、特許抗争を勝ちぬいた。財テクに走らず実業のロマンを追求した経営者のすべてを描く実名経済小説。最近でたDVDもあわせてみると感動ものです

著者プロフィール

1939年東京生まれ。専門誌記者や編集長を務める傍ら小説を書き、75年『虚構の城』でデビュー。83年、退職し作家に専念。緻密な取材に基づく企業・経済小説の問題作を次々に発表する。代表作は『小説日本興業銀行』『小説ザ・外資』の他『金融腐蝕列島』シリーズ全5部作など。

「2023年 『転職』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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