- Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062647199
感想・レビュー・書評
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バカミス、バカミスと言われているが、そこまで強調されるほどではない。主人公が心ならずも大量殺人を犯してしまう一場面だけは確かに「バカ」だが(しかしそうでもしない限り、とてものことあんな展開は描きえないだろう)、それ以外の部分はごく普通のテンションである。
クローズド・サークルものとされることも多いが、主人公が「最後の1人」になったところから物語が始まるので、あまりそれっぽくはない。メタ的にも、閉鎖空間の「中」と「外」が交互に描写され、最後に二つが絡み合ってすべての謎が明かされる形式であり、「中」の恐怖と絶望と37564をもっぱら描く「いわゆるクローズド・サークルもの」とは言えない。
とはいえかなりトリッキーな作品なのは事実で、冒頭からラスト1行まですべてが仕掛けに奉仕する、ある意味とてもストイックな構成である。そういう物語としてはよくできており、好きな向き(私もその一人)には楽しめるだろう。ただし、こういうものをご都合主義と毛嫌いする人もいそうで、評価が分かれる作品だとは思う。
本書はとにかく仕掛けを楽しむ作品であり、ロジックだのフェアネスだのを厳格に求めるべきものではない。伏線がないどころか「おかしいだろ、それ」というような記述があるし(「イッたふり」て…)、ある登場人物の発言は、かれが置かれた状況を考えるとおよそありえないものだ。キャラというか嗜好がいきなり180度変わる者もいて、つっこみどころは枚挙にいとまがない。
だがそれでも一篇の娯楽小説としては、それなりに見るべきところもある。「バカミス」だの「クローズド・サークル」だのといったレッテルを貼られたことで、損をしている作品だと思う。
2017/8/21読了詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ジェットコースター・ミステリー。またユニークな登場人物が勢ぞろい!そのユニークで怪しげなメンバーが嵐の山荘に閉じ込められたから大変。このメンバーのほとんどが…
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再読
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嵐の山荘で友人の園子以外全員をうっかり殺してしまった万理が見たのは園子の死体!話はこの嵐の山荘側と、ある殺人事件を追う刑事側との二つのパートで進むのですが、凄いリーダビリティです。もちろんこの二つのパートは最後に繋がるのですが、信じていたことが違ったという衝撃と、更にラストにヤラレタ!と。確かに伏線はあるのですがこの勢いで読んでいて分かった人は凄いと思います。最初の一行から最後の一行までミステリ、とのあとがきに納得します。若さゆえの作品とのことですがパズラーの西澤さんらしいストーリーで気持ちよかったです。
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2016.5/1〜4。これは面白いバカミス。無茶はあるにしろ、タイトル通り殺意が集いすぎて。西澤さんのは今までSFしか読んだことがないが、これはこれでありかと。伏線の散らばり具合いがすごい。
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クローズド・サークルで「犯人自身が推理する」というもの。
ラストがちょっとせわしない感じだったけど、オチはさすが。
相変わらず珍しい名字ばっかりですね。笑。 -
よくもまぁ、たくさんの変わった嗜好の殺人鬼を集めたなという印象。
殺人犯に自分が行っていない殺人はだれが行ったのかを推理させることに物語の主題を置いていると思わせておいて。
最後の最後に叙述トリックをぶちこんでくるという。
お見事