悪霊の館 (講談社文庫 に 22-6)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (872ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648455

感想・レビュー・書評

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  • 再読。長かった…。面白くないわけじゃありません。むしろ本格ファンならワクワクする密室や首無し遺体や双子という材料に、たっぷりの伏線、古い洋館や甲冑、一族の秘密や過去にも引っ張られ先が気になりどんどん読み進められるのです。読後すごくよくできているのもわかるのですが、読中は読んでも読んでもラストまで到達しないという感じでした。初読同様高木彬光作品をもっとちゃんと読んでおくべきだったと軽く後悔もしました。密室談義は読んでいない本のネタバレが恐ろしくて飛ばし読み。このあたりが集中できず長く感じてしまった敗因かも。

  • 「私も女だから解るのですが、母親とは、子供のために鬼畜となれる唯一の存在なのです。そのためには、女性は血も涙もない怪物になれるのです」

    2019/9/2読了
    ……いやはや、女性の怨念は怖ろしい。

  • 嫌というほどミステリーを読んでから
    このシリーズに手を出してよかったと思うね。
    トリックは忘れてはいるけど大好きな大物さんの名前が
    ちらちらと出てくるもん。

    事件はな…もう「お察しください」
    声を大にして言います「お察しください!!!」
    悲惨さで言えばこの巻が一番かも。
    (後の巻はまだ読んでないから知らんぞ)

    もう何かありそうな遺言状、
    そしてとてつもない事件現場
    隠された秘密。
    ハードな展開しかねぇんですよ。

    最後が印象的だったな。
    でも自業自得だよ!!

  • 悪霊の館
     幕前

     第1幕 老婆の死
      第1章 志摩沼家の人々
      第2章 呪われた遺言
      第3章 地獄という名の影

     第2幕 悪霊の館
      第4章 探偵に届く花束
      第5章 悪霊館へ赴く
      第6章 甲冑殺人事件
      第7章 遺族たちとの面会
      第8章 《黒の館》の住人たち
      第9章 《白の館》の住人たち
      第10章 ギャラリーの甲冑
      第11章 笑わない老人
      第12章 肖像画と時計塔
      第13章 『死を思え・・・』

     第3幕 過去の女
      第14章 一つ目の軌跡
      第15章 二つ目の軌跡

     第4幕 火刑の炎
      第16章 あの女が生き返った
      第17章 密室講義
      第18章 再洗礼派の火刑
      第19章 《カンタレラ》の杯
      第20章 壁の中から出てきたもの

     幕間

     第5幕 魔術の顔
      第21章 犯罪者の末路
      第22章 甲冑をよみがえらす
      第23章 《月光の滴》
      第24章 燃えあがる女
      第25章 崩壊のパノラマ

     幕後
    立風書房「悪霊の館」 1994年12月

  • 3

  • ー この古い館は牢獄なんだよ。時の流れから見放された監獄だよ。夜中に廊下を亡霊が闊歩し、幽霊が見張り、黴臭く、埃にまみれ、そこに住む人間たちは互いにいがみ合い、憎しみ合い、嫌い合っている。

    よこしまな考えにしがみ付き、つまらぬ憎悪に身を焦がしているんだ。言うなれば、我々は囚人だよ、この《悪霊館》に、欲望という鎖で永遠に繋ぎ止められた俘囚なんだよ。 ー

    莫大な遺産、条件付きの遺言状、互いに憎しみ合う腹違いの姉妹、曰く付きの館、双子、首無しの遺体、密室、呪い、、、昔ながらの探偵小説。これも素晴らしい!
    古き良きミステリーへの愛が溢れてる。

    次はいよいよ『人狼城の恐怖』かな。
    世界最長ギネスのミステリーだから、覚悟がいるな。『悪霊の館』で900ページなのに、その4倍の長さだなんて。

    『失われた時を求めて』の半分くらいかな…。
    まぁ、こんなミステリーを読むくらいなら『失われた時を求めて』を読んだ方が人生の糧になりそうだけど…。

  • 長いけど、独特の雰囲気で、好き。しかし次は四部作か。長いな。

  • 読者を引き込むだけの雰囲気があるので一気に読めました。雰囲気だけで満足です。内向的な美園崎美幸が殺されていたのは悲しかったです。

  • 不気味な伝説、血で血を洗う遺産争い。
    密室あり、毒殺ありと長いが、飽きることはない。最後の最後、犯人には気づかなかったものの、後味はあまりよろしくない一冊。
    でも、横溝趣味が横溢した古き良きミステリだとおもう。

  • 再読。蘭子シリーズ4作目。
    二重鍵密室、甲冑姿の亡霊、黒ミサ、呪われた遺言、そして蘭子に迫る危機。
    登場人物が多くドロドロしてて、バッタバッタと人が死んでいきます。
    でもやっぱり雰囲気は好きだ。

    作中で主人公が盛大に名作ミステリのネタバレしちゃってるのはどうなんだろうかと、ちょっと気になる。

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著者プロフィール

1959年7月19日、東京都生まれ。中央大学理工学部卒業。在学中は「手塚治虫ファンクラブ」会長を務める。1990年に第一回鮎川哲也賞で「吸血の家」が佳作入選。92年に書下ろし長編『地獄の奇術師』を講談社より上梓し、作家デビューを果たす。江戸川乱歩やJ・D・カー、横溝正史の作品を現代に再現したような作風は推理界の注目を大いに集め、全四部作の大長編『人狼城の恐怖』(1996〜99年。講談社ノベルス)では「1999年版本格ミステリ・ベスト10」第一位を獲得。アンソロジー編纂や新進作家の育成にも力を注ぎ、2000年代は合作ミステリの企画も多数行った。SFの分野にも精通し、『宇宙捜査艦《ギガンテス》』(2002年。徳間デュアル文庫)や『アイアン・レディ』(2015年。原書房)などの著書がある。近年は手塚治虫研究者として傑作選編纂や評伝「僕らが愛した手塚治虫」シリーズの刊行に力を入れている。

「2022年 『【完全版】悪霊の館』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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