- Amazon.co.jp ・本 (495ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062648691
作品紹介・あらすじ
陸の孤島・幻影城で続く装飾的不可能殺人事件。あまりにも深い謎と暗示に隠されていた驚愕の真相は。
感想・レビュー・書評
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うーーん。
途中でおよそ想像はついていた。
あんなに豪快に連続殺人をやっちゃったらもう、収拾つかないんじゃないの?って。
華々しく殺すのはいいし、意外な犯人も見立てもキライじゃないよ。
でも、謎に関して(甲冑に入っていた首ね)
「あれは壁抜けか奇跡」っていわれても、はいそうですかって言えないでしょう‥
コトバ遊びも悪くない。
でも、単なるアナグラムだったり唐突すぎる回答?だったり。
綾辻行人作品にも京極作品にもあるけれども。
でも、大量の登場人物と殺しとともに、作品が薄くなるってのはちょっと違う気が。
野心オッケー。でも、こうなるとほぼ、超常現象よね。
一番の肝が日本語遊びってんじゃぁ、この作品、英語化できないね。
作家が自分で作品内で言っていたように、芸術には絶対評価はない以上、
いかにたくさんの人から評価されるかがその作品の質なのだとすれば。
コトバ遊びだけで成り立たせるこの作品はすでに、
質を放棄しているってことなのでは?
なんか残念。
派手でなくてももっと、じっくりと作品を作ってくれればいいのに。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
次々と発生する不可能犯罪に翻弄される捜査陣。ばらまかれたミスリードの中に隠された真実を指摘するのは誰なのか?
犯人を推理して楽しむミステリと、意外な結末を期待してだまされることを楽しむミステリがありますが、これは絶対に前者にはなり得ない種類のミステリです。じゃあ後者かっていうとそうでもない。意外性要素をこれでもかと繰り出してはいるんですが、あまりに全体のデコラティブが過ぎて、それに目を奪われている間に驚くタイミングを逸しちゃった感じです。言語を駆使して様々な推理を畳みかける手法は、作者の言葉遊びへの執念を感じました
ただ、「一流の探偵陣」の推理としては屁理屈が多いし、論理的に弱い。後半になって地の分に?やら♪やら頻出したのにも閉口しました
常人離れした凄腕の探偵が出そろってるはずなのに人がどんどん殺されちゃうし、その横で呑気にあーでもないこーでもないと楽しんでる(ように見える)のも頂けませんでした
辛口>< -
なーんか超人的要素とか多くてがっかりしました。推理小説にそれ持ってきたらお終いだよね、どんだけカラクリがあってもさ。やっぱり論理にこだわってる作りで、すぱっとさくっとを望む方はげんなりするかもです。色んなトリックを詰め込まれてて正直すごいと思うより先に消化が追いつきませんでした。まあ、キャラが際立ってるところはよかったけど。
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いまいち
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解決部分に入ったらちょっと気を抜くと置いていかれるので必死でくらいついていきました。清で、見たこともないような大きさの風呂敷を広げたと思いましたが、思いがけない細かい畳み方で綺麗に風呂敷は畳まれていきます。かと思ったらまた広げ畳みなおして、これで終わりかと思ったらその風呂敷をさらに小さく畳む。そんな繰り返し。多少気に入らない部分はありましたが破綻はなく感心しました。ラストの??…の部分はまさしくそう思っていたので笑ってしまいましたが「ジョーカー」としての読後は満足です。さて、いよいよ「コズミック水」へ。
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どう感想を述べていいか…難しい。
ただ、自分はなかなか嫌いじゃない
…ってか、初めは推理小説の教科書のように思いながら読んでたけど、あとからこの作品のクセにハマっていく感じw
賛否両論ある作品だとは思う
この「ジョーカー」が「コズミック」に
どう影響しているのか。
というより、コズミック下巻を読むときに
イメージが一変あうるのではないかと思う -
【170】
2016.5.22
読みたくなって、再購入。
自分の思い出補正が強かったなという印象。
話は長いけど、こんなに薄っぺらい感じだったか。 -
ミステリ作家が次々に怪死していく幻影城殺人事件は現実の邦ミステリ界をも飲み込み、現実と虚構の境界をぐちゃぐちゃに破壊する。
名探偵たちが解いても解いても解けない謎。
アンチ・フーダニット。
執拗な見立てや密室や言葉遊びの先にある娯楽的な芸術。
現実と虚構をごちゃ混ぜにした嘘くさい事件の嘘くさい解決。
そして終わらない物語は禍根を残しコズミックへ。