素晴らしいアレキサンダーと、空飛び猫たち (講談社文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648752

作品紹介・あらすじ

アレキサンダーの素敵な冒険
空飛び猫ファミリーに翼のないアレキサンダーが加わって奇跡が!!

樹から下りるのが苦手なファービー家のアレキサンダーは空飛び猫兄妹の末娘ジェーンに助けられ、新メンバーになりました。街でのとっても恐ろしい体験から口がきけなくなっていたジェーンは、アレキサンダーの包容力ですっかりおしゃべりができるようになりました。ね、アレキサンダーってすごいでしょ!!

感想・レビュー・書評

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  • 3巻目やったんや。井の中の蛙的なアレキサンダーという子猫が冒険に出て、言葉が喋られへん翼が生えた猫に出会うっちゅう話。文庫本やのに絵本やった。穏やかな気持ちになれる。1巻と2巻も読まなければ。

  • 三作目にして前二作よりメッセージ性が強く感じる(解説のせいもあるかも)。今回はちょっと兄貴分な普通の猫の冒険から始まる。小さい子ども同様、何不自由ない暮らしをしている子猫にとっても、外の世界は全てが未知との出会いで、驚きと発見、そして、「恐怖」と「素晴らしさ」で満ちている。それは翼の生えた猫も同じ。本当の素晴らしさとは?

  • 猫が家出をして、羽根がある猫語を喋れない猫と会うというファンタジー。

    100pないくらいで非常に読みやすい。

  • 猫のアレキサンダーは冒険に出かけ、空飛び猫の末妹ジェーンに助けられます。ジェーンは小さい頃の恐ろしい体験で口が聞けなくなっていましたが、アレキサンダーの包容力でしゃべれるようになりました。感動のシリーズ3作目。

  • あとがきにもありましたが、「空を飛べる」ということの素晴らしさだけではなく、思いやりをもって他者に接することができる、ということも大変に素晴らしい、ということがしっかりと伝わる作品です。

    幼少期から辛い経験をしてきた「黒」猫という、ある種「黒人」を彷彿とさせるジェーンというモチーフと、恵まれた環境で幸せに育ってきた「金色の豊かな毛」をもつアレクサンダーというモチーフの対比も、アメリカ社会に思いを致しながら読むと、社会への批判精神を感じます。

    とはいえ、そのように難しく考えることなくとも、素敵な物語であることは間違いありませんし、ファンタジーの世界で都会の喧騒を忘れて「羽を伸ばす」ことができるのも、この作品の良さだと思います。

  • 2016年11月24日読了。別荘で暮らす猫のアレキサンダーは、向こう見ずに飛び出した外の世界で「空飛び猫」ジェーンに出会い…。アーシュラ・K・ル=グウィン作、村上春樹訳の不思議なお話。原版はハードカバーの絵本だろうか?文字が少なくて絵が印象的。現実世界に生きる猫の視点のお話に、いきなり「空飛び猫」が出てきて驚くが、同シリーズの3作目と聞いて納得。何の説明もなくいきなり空飛び猫(空飛ぶ猫、でないのは「ねじまき鳥」風のハルキイズム?)が出てくるお話、というのも面白そうだが。原書の周辺や英語、猫についてのあとがきの丁寧な解説もハルキイズム。

  • 空飛び猫シリーズの3作目。
    もうすっかりこのシリーズの虜。
    今回は翼のないアレキサンダーと空飛び猫のジェーンが物語の主人公。
    2匹が出会うシーンで気配を消してるアレキサンダーが可愛すぎね。松ぼっくり…笑
    ジェーンも話せるようになって良かった。

    このシリーズ、猫たちみんなが本当に猫らしくて、挿絵が動きそうなくらい。挿絵を見てるだけでも楽しめる。

  • ●内容紹介
    アレキサンダーの素敵な冒険
    空飛び猫ファミリーに翼のないアレキサンダーが加わって奇跡が!!
    樹から下りるのが苦手なファービー家のアレキサンダーは空飛び猫兄妹の末娘ジェーンに助けられ、新メンバーになりました。街でのとっても恐ろしい体験から口がきけなくなっていたジェーンは、アレキサンダーの包容力ですっかりおしゃべりができるようになりました。ね、アレキサンダーってすごいでしょ!!

    ●内容(「BOOK」データベースより)
    樹から下りるのが苦手なファービー家のアレキサンダーは空飛び猫兄妹の末娘ジェーンに助けられ、新メンバーになりました。街でのとっても恐ろしい体験から口がきけなくなっていたジェーンは、アレキサンダーの包容力ですっかりおしゃべりができるようになりました。ね、アレキサンダーってすごいでしょ。

  • 背中に翼があり自由に空を飛び回る猫たちがいました。都会で生まれたその猫たちは人目を避けて、お母さんとも離れて、田舎の平和な町に移り住みました。そこへ、迷子になったふつうの子猫が登場します。アレキサンダーです。その子猫は木の上に上ったきり下りることができません。そこを、空飛び猫に見つけてもらい助けてもらいます。助けてくれた空飛び猫は、以前非常にこわい目にあっていたためことばを話すことができなくなっていました。(猫たちは人とは話せませんが、自分たちのことばで話しています、もちろん物語の中で。)アレキサンダーは助けてもらったお礼にと、その話のできない空飛び猫の話を何とか聞き出そうとします。猫が何とカウンセラーの役目を果たしているのです。本書は空飛び猫シリーズの3作目です。私は特に猫が好きというわけではありません。やはり、村上春樹さんが翻訳をしているために続けて読んでいます。訳者あとがきや訳者注によると、かなり猫についての描写はくわしいようです。猫を飼っている人などが読むと、きっと、そうそうそういうことよくやる、なんて思えるのではないでしょうか。さてこの猫たち、なぜ翼がはえたのでしょうか?人が手を加え過ぎた都会。猫たちはそこから自由になりたかったのかも知れません。著者は、便利な生活に慣れ親しんでしまった我々に警鐘を鳴らしているのかも知れません。ステキなイラストといっしょに、3作とも味わってみて下さい。

  • 空飛び猫シリーズ第3弾。今回の主人公は、翼を持たない普通の猫アレキサンダー。やんちゃな彼は家を飛び出し、森の中へ迷い込む。そこで出会った、翼を持つ黒猫ジェーン。それを機に、彼は5匹の空飛び猫たちと出会う。心に傷を持つジェーンを、「素晴らしい」アレキサンダーは癒す、というお話。前作と比べて、やや子供向けだが(あたりまえ)、子供になったつもりで普通に楽しんでしまった自分がいる。でも、巻末の村上春樹による訳注を読んで面白いと思ってしまったり(あたりまえ)。声に出して読みたい。

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著者プロフィール

アーシュラ・クローバー・ル=グウィン(Ursula K. Le Guin)
1929年10月21日-2018年1月22日
ル・グィン、ル=グインとも表記される。1929年、アメリカのカリフォルニア州バークレー生まれ。1958年頃から著作活動を始め、1962年短編「四月は巴里」で作家としてデビュー。1969年の長編『闇の左手』でヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。1974年『所有せざる人々』でもヒューゴー賞とネビュラ賞を同時受賞。通算で、ヒューゴー賞は5度、ネビュラ賞は6度受賞している。またローカス賞も19回受賞。ほか、ボストン・グローブ=ホーン・ブック賞、ニューベリー・オナー・ブック賞、全米図書賞児童文学部門、Lewis Carroll Shelf Awardフェニックス賞・オナー賞、世界幻想文学大賞なども受賞。
代表作『ゲド戦記』シリーズは、スタジオジブリによって日本で映画化された。
(2018年5月10日最終更新)

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