三月は深き紅の淵を (講談社文庫)

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著者 : 恩田陸
  • 講談社 (2001年7月13日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062648806

三月は深き紅の淵を (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

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  • とても不思議な作品で、1回読んだだけでは理解することができずに再読しました。
    けれど、それでもきっとまだ全部が見えたわけではないなと思います。
    細かい伏線がいくつも張り巡らされていて、何回読んでもきっと新しい伏線に出会えると思います。

    この本は4つの章から成り立っています。
    全ての章で登場人物が違って書き方も違うけれど、共通しているのはある本を取り巻く人々の話だということ。
    その本のタイトルが『三月は深き紅の淵を』で、この本と同じ四部構成になっている幻の本です。
    各章がそれぞれ独立しているわけではなくて、よく読んでいくとその本を巡る物語という以上のさらに深いつながりを各章の間に見出すことができます。
    だから、再読した時の方が面白かったです。

    もう一つ、この本を面白いなと思った部分は、小説を読むことの楽しみをいろいろな人が語っていること。
    第1章は特にそうでした。
    小説が現在置かれている状況について、いい小説とは何か、小説をどうやって楽しんでいるか。
    第2章では編集者が出てくるし、第4章では作家からの視点になっているので、本を作る職業の人がどういう思いで本を作っているのかということもわかります。
    だから、本をあまり読まない人よりも、本が好きな人が楽しめる本だと思います。
    きっと、わかるわかるって共感してしまう部分が多いでしょう。

  • で、結局なんなのよ!?というのが売り。

  • とても不思議な物語。
    4つの短編で構成されていて、全て「三月は深き紅の淵に」という幻の本を巡って話は作られている。


    ざっと簡単に説明すると、一章は本だらけの大きな屋敷の中から「三月」の本を探す話、二章は2人の女性が「三月」の作者を突き止めるべく推理を進める話、三章は異母姉妹の美人な女子高生を巡る話でおそらく「三月」が書かれる前の話、そして四章はまさに作者が「三月」を書いている話。これらは、作中に出てくる「三月」と話は全く違うのだか、それぞれどこか似通った話で構成されていると感じた。特に四章は作中に出てくる「三月」の四章とほぼ同じ流れで書かれている。つまり本書自体が作中で出てくる幻の「三月」の本になぞらえているのだろう。

    第一章で、この幻の本についてこう書かれている。
    『なんというか奇妙な印象を受ける小説でね。種類の違う素材のかけらをモザイクにしたような小説。びしっと隙がなくて文句なしの傑作、っていうのじゃないんだ。なんだこれは、と読んでいるうちにずるずると引きずり込まれて、しばらくたっても小説のかけらが頭のどこかに残っているような小説なんだ。』(31ページ)

    本書はまさにこんな小説。本当に読後しばらくたっても頭のどこかでこの作品がもやもやと残っている。物語自体がベールを被ったような作品。一言で感想を言え、と言われても表現出来ない。

    好き嫌いが分かれる作品だと思うが、読後、読者それぞれがいろんな考え方が出来る作品だと思う。これを読んだ人同士でこの本について語り合いたいと思った作品だった。ただ一度読んだだけでは足りないというか、この作品が言いたいこと、大切なことが読み取れていない気がするので、もう一度読んでみようと思う。

  • 著者作品をいくつか読んで思ったが、どの作品も物語は違っても共通で、ノスタルジックな雰囲気がある。

    本作品も例外でない。面白かった、外さない。ミステリーが好きな人には恩田陸は本当におすすめだと思う。

  • この本は様々な仕掛けがされていて面白い。幻の本「三月は深き紅の淵を」のことを語る第1章では、幻の本は「実はなかった」第2章では「実在する」第3章では「これから書く」、第4章は「今書いているところ」。時間軸、存在するか否か。中編ひとつひとつとると、一見バラバラなんだけど何処か三月〜とリンクしている。三月と本書の構成が同じというところも不思議な世界観にとらわれる。第4章がわかりにくい、という書評がちらほら。なるほどと思う。でもタイトル「回転木馬」イコールメリーゴーランドと捉えれば、作家と理瀬の世界と視点がが「くるくる回って」も納得いくのではないでしょうか。
    それにしても恩田先生は多読だ!と思わずにいられない。三月の〜は、随所に他作家の作品が登場する。ジャンルを問わず。読書好きにはたまらない本書の設定に加え、「読書家ならこの作品は知ってるよね?」と試されている気がする。そして、自分にとっての「三月の〜」のような何時迄も強烈に思い出せるような本に出会えたら、と心底思う。

  • 作者の読書に対する想い、考えみたいなものを随所にひしひしと感じた。
    「黒と茶の幻想」を先に読んでいたので色々とリンクしたのも面白かった。
    でも全部すっきり理解できたわけではない…
    またいつか読み返したい作品。

  • いつか読んでみようと思いつつ400P越えの長さになかなか手を出せずにいましたが、「ひとり恩田陸まつり」開催記念ということでようやく読みました。
    『三月は深き紅の淵を』という一冊の本を巡る4つの話。
    『三月~』という作中作と、この本自体がリンクしたつくりになっているというか。
    読み終わった時、私たちが今読んでいるコレは何なんだ!! みたいな興奮がありました。
    なお、『麦の海に沈む果実』にも、キーになるアイテムとしてこの『三月~』という本が出てきますが、この本とはまた全くの別物で、余計不思議。

    第一章の『待っている人々』が一番ミステリーチックで解釈もしやすい。
    第二章の『出雲夜想曲』は、夜行列車の中で一つの謎を解き明かすという本格ミステリーのような感じがすごく好き。二転三転んするところも良かったです。
    第三章は、今までの『三月~』という本の謎を探る話とは全く趣が異なってきます。恩田さんお得意の学園ミステリーにスポットが当たる。
    『三月~』はまるでおまけみたいな扱いというか。
    第四章は本当に難解でしたね。どう解釈したらいいのか。全く何の解決にもなってないようで、全部の解決なのかもしれない。この章があることで、この本の不思議さが際立ちます。

  • 恩田ワールド全開?面白かった。謎は解き明かされないままの部分もあるけれど、嫌味な終わりかたではない。また、時間を置いて読み直したい本。

  • 不思議不思議な本だった。こういう話も書けるなんて、引き出しがたくさんある人なんだ。結構好きかも。

  • 『三月は深き紅の淵を』という幻の謎の本をめぐる四部作。
    作中の『三月〜』も実際のこの本も四章にわかれていて、それぞれの内容も、作中で語られる本の内容と違うようでいて同じような雰囲気やスタイルをとっている。
    一人に一晩だけ語られることを許された本について、その周囲の人々について、いたるところに謎がちりばめられた不思議なミステリー。

    一冊の謎の本のもつあやしげな雰囲気が、実際の物語にもただよっているようで、とても不思議な空気をもった本。手放しでおもしろかったー!っていうより、読んでいくにつれておもしろさがどんどんしみこんでくる感じ。

    1章の「待っている人々」と4章「回転木馬」がすき。4章は、よくわからなかったという感想をよくみたけど、幻想的な雰囲気があって、ミステリーとしてまとまっている他の3章(特に1,2章)と異なるからそう思うだけで、むしろこの4章がこうあるからこそ、この『三月は深き紅の淵を』がきれいに1冊にまとまって終わるんだと思う。

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