- Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062649278
作品紹介・あらすじ
ドライブの途中、四人が迷い込んだ山荘には、一台のベッドと冷蔵庫しかなかった。冷蔵庫には、ヱビスのロング缶と凍ったジョッキ。ベットと96本のビール、13個のジョッキという不可解な遺留品の謎を酩酊しながら推理するうち、大事件の可能性に思い至るが…。ビール党に捧げる安楽椅子パズル・ミステリ。
感想・レビュー・書評
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シリーズ3作目。
ほぼいつもの4人が酒を飲みながら、自分たちが体験した話をしているっていう話。
学生ならではの無茶や、集まって何かをするって感じがでていた。
社会人や家庭を持ったらになったらなかなかできないですよね。
青春が詰まった作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
21年1月17日、読了。
SFチックな設定での西澤保彦さんのミステリーが凄く好き、ですが…こういう、いかにも本格ミステリーな物も、凄く良いですね!
「タック&タカチ」シリーズは、2冊目。「彼女が死んだ夜」も、論理的で面白かったけど、この作品は、より論理的な思考を主人公達が闘わせる事に重点が置かれていて(というか、殆どそれだけ?)、熱くのめり込んでしまいました。でも、ビールばかり、あんなに飲めないよね?ハハハ。
「安楽椅子探偵もの」をあまり読んでいないので、凄く面白かった!何か他にも読んでみたいな、と思いました。 -
とにかく、「そんな馬鹿な」と思ってしまう作品。不自然な状況下におかれた人がそんな行動をはたしてとるのか。そもそもそんな状況が不自然すぎる。などといった違和感が常につきまとう。が、そんな違和感を登場人物たちも感じながら、物語は突き進む。
この作品の妙は、とにかくビールが美味しそう。そのビールがミステリとしての本作の鍵にもなっているのだが、とにかく主人公たちが美味しそうに飲み続けて、酩酊しながら謎解きに取り組む。
うーん、成人した人間の「冒険」ってこんな感じかと思いながら、楽しくなる作品。 -
ベッドと大量にビールが入った冷蔵庫しかない山荘という謎を主人公たちがビールを飲みながら推理し合う安楽椅子探偵もの。各登場人物の案とそれをひっくり返す反証の提示は小気味良いが長編で読むと疲れるなぁ。
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西澤保彦の初期作品。匠千暁シリーズの長編。
著者の初期作品は、色々な面で、どちらかといえば斬新で、でも安定して読めるものが多い。
このシリーズは、限定的な情報を元に酒を飲みながら大学生が半分妄想を築くように不可解な事象を解明していくものだが、そんな喜劇を、とにかく会話で押し倒す、という構造で作っているのがユニーク。
更に、会話文が丁寧、というか決め細やかなのがよい。不必要な部分を敢えて散りばめることで、リアリティとテンポをはらんだものになっており、読みやすさを生んでいる。
ネタや結末も、ちょっと他の作家にはない感じで魅力的だ思う。
まだまだ未読作があるので、順次読んでいきたい。
3+ -
今まで読んだシリーズの中ではいちばん好きです。迷子の末にたどり着いたがらんどうの別荘。ウォーキングクローゼットに隠された冷蔵庫からはキンキンに冷えた大量のエビスビール。日常ミステリ寄りのおはなし。
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西澤作品にはおなじみのあの面子、ボアン先輩、タカチ、タック、ウサコが、ボアン先輩の傷心旅行に向かい迷い込んだ山荘には、ベッドと冷蔵庫。冷蔵庫の中にはエビスのロング缶と、キンキンに冷やされたジョッキ・・しかもビールは96本、ジョッキは13個。
さてどっきりか、いやいや不倫か誘拐か?酔っ払いながらもそれぞれが、お得意の推理合戦を繰り広げる。酩酊しながらもかれらは、この謎を解くことができるのだろうか????
安楽椅子探偵モノならぬ、酔いつぶれ探偵たちの宴、ってな感じ。
さてただし、あたしは西澤作品の中で唯一苦手とするのがこのシリーズなのだ。チョーモンインシリーズとかは大好きなんだけど、なんかこの、前時代的な「センパイ」とか「つるんでいる仲間」みたいなメンタリティをとーく、とーくの世界に置いてきてしまったからだろう(思えば遠くに来たもんだ・・遠い目)。俺あいつ狙ってんだけどどうも分が悪いからほら、食っちゃえよ、みたいな馴れ合いもちょっと不気味で相容れない。なのでものすごい飛ばし読みで、駆け抜けた。
というわけで感想も雑ですいません。
・・・迷ってビール飲んだところで一息ついたらもう、帰れよお前ら。以上。
安楽椅子モノは大好きなんだけど、なんか意見も間延びしていていらっとさせられる。この本、長編にする必要あったのかな?ねた的には正直、短編でクローズできるレベルじゃないかって思ったけど?日常の些細な謎やほころびを膨らませるストーリーも大好きだし、それらに比べると結構仕込みはでかかった、かもしれない。でも、その割には、なんだよね。いやもう、ほんとにこれは、あぶくみたいに残らない、だのにきわめてキレの悪い読書、でした。残念。下戸じゃなければ悔し紛れにビールで乾杯、したいところなのだがそれもできずにちょっとフラストレーション。 -
学生が酒を飲みながらあれこれと想像を広げて議論していく様が楽しい。
登場人物らがずっと同じ場所に留まって話が進んでいく安楽椅子探偵的な演出は非常に好みだった。
登場人物と一緒に推理していく気分になれるのが良い! -
麦酒をお供に論理をこねくり回そう。
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タック&タカチシリーズは全部読めているわけじゃないので順に読んでいこうという事で手に取った一冊。道に迷い行き着いた先にあった家には大量のビールが!?という奇妙な状況に惹かれて読み始めたのだが、途中で繰り広げられる色々な仮説は酒の席でこそ輝くものから妙に現実的なものまで様々。一つの謎をずっとこねくり回しているので多少の飽きを少々感じるところはあるが、安楽椅子探偵ものとして導かれる結末はなかなかにあっと驚くものだった。