文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)

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著者 : 京極夏彦
  • 講談社 (2000年9月5日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (984ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062649612

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文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)の感想・レビュー・書評

  • 骨と夢をめぐる人々の執着を背景に、戦時中の兵役忌避者殺害と8年後の鎌倉・逗子で起こる事件の顛末を描く物語です。

    物語の展開はほとんど無く、問題と解答、その背景を埋める因果と蘊蓄のみという極端な構成でした。

    今回は妖怪の知識だけでなく、心理学や歴史、古典世界にまで手を広げているため、一層スケールが大きいものでした。

    このシリーズ読み続ける読者は当然蘊蓄を楽しめる人間だと思いますので、そういう意味では充実した作品だったと言えます。

    犠牲を厭わない、倫理や社会性を踏み越えた願望の恐ろしさを見せつけられると普通が一番と思ってしまいますが、そう思っている人間の自我まで不安定にさせるのが、このシリーズの一筋縄ではいかないところだと改めて認識させられました。

  • いいやねー。これまでの3作の中で1番好きかも。
    複雑に絡み合うって点で言えば、前2作よりすごい!ぐーわぐわする。
    そして驚くべきは、分冊文庫版で読んだときに、下巻のほとんどが京極堂の憑きもの落としに使われていること。長っ!マジで長っ!だからって全然嫌じゃないけど。むしろ悦。
    理解を追いつこうって必死にさせられるのがいい~。

  • 殺して首を切断した前夫が三度眼前に現れる。巷では金色の髑髏が髪を生やし、皮膚を纏って復活するという噂が囁かれる。山奥で起きた集団自殺。逗子を彷徨く復員服の男。宗教。深層心理。妖怪。時代も背景も異なるいくつもの怪異譚を結びつける真相を、古本屋京極堂の主・中禅寺秋彦が紐解く。
    京極堂シリーズは長いし、難しいし、なんだか読んでいて暗い気持ちになる。しかし憑き物がついたように覗きたくなる。
    でも最後には京極堂が憑き物をちゃんと落としてくれるから安心。
    拡散していくことで明瞭になることがある。

  • ★3.5
    再読。亡き夫の首を切り落とし続ける朱美、淫靡な夢とフロイトに悩まされる降旗、牧師だけれど信仰に自信が持てない白丘等、過去2作と比べると宗教的で精神的な描写が多め。が、相変わらず懇切丁寧に説明してくれるので、訳が分からなくなるということはほとんどなし。そして、8年前の殺人事件のみならず、朱美の家族焼死事件、山中での集団自殺、血塗れの神主等、全ての出来事を集約する京極堂の語りが圧巻。それにしても、世の中には色々な宗教があるんだなあ…。とりあえず、朱美さんは京極堂シリーズの中で一番“いい女”だと思う。

  • 恋愛小説。神仏習合の解説が面白い。

  • 以前途中で挫折していたので再読。今度は一気に読みきれた。
    怪しいけど、まさかね、と思っていた結論にしっかりと理屈?をつける辺りさすが。相変わらず血統宗教関係は難しい。が、前二作に比べると、多少インパクトが小さくなってきた感じがする。
    降旗白丘あたりのテンポの微妙さと、伊佐間屋がのんびりしてたのと、リアクション担当関くんの出番が少なかったせいか?

  • 2016 9/8読了。
    相も変わらずの長編で、今回もまた長いスパンを経て、ようやく読み終えることができました。
    まさに「夢」のようなできごとが、終盤で「現」へと塗り替えられていく衝撃は圧巻。ただ、あまりにも風呂敷が大きすぎて、うまく頭の中でまとめられていない箇所がいくつか・・・。だれかまとめてくれやしませんかね。

  • 諏訪の御柱祭にあわせ、再読。
    タケミナカタ以前の信仰は絡んでいなかったので、少し期待はずれでした。
    しかし、神話は史実を土台にしていると再認識。民俗学と歴史と現代は繋がっている。

  • 腐女子ファンが多いという噂を聞いたり分厚いだけのハリボテ小説だと思っていたりしたせいで、今まで手を出さなかったが読み応え抜群の良作だった。もっと早く読めば良かった。
    トリックはトンデモと言えなくもないがそれにつながる積み重ねが半端ないので全然気にならない。薀蓄部分もパッと見敬遠してしまうが結構スラスラ読める。というか読まされる。
    姑獲鳥の夏と魍魎の匣は映画で観たからいーわと思ってシリーズ3冊目から読んでしまったけどそっちの方も読んでみようと思う。
    この作品の題名は狂骨の夢だけど狂ってるのは骨ではなく骨を取り巻く男達。

    しっかしまー朱美は何度ページをめくっても好きになれないキャラだな。嫌いというより京極堂シリーズの女達はほぼ全員一癖二癖どころか三癖四癖もあって、綺麗な人ほどそうという傾向があるから、美形でかつサッパリとした性格の朱美は異様に見える。京極堂シリーズに存在するには健全過ぎるとでもいうか…。

    追記
    小説版でも漫画版でも、朱美好きになれなかった私。
    京極堂シリーズの美人キャラは往往にして中身がバケモンなのに彼女だけがさっぱりした性格だからそこに違和感を感じるのか?と思っていたのだけど、再読してそう感じる1番の理由がやっとわかった。
    朱美が男にとって都合の良すぎるキャラだからだ。
    どんな目にあってもあっけらかんとしてられて、何があっても怯まず誰も恨まず(何せ憲兵に輪姦されたのに元憲兵と結婚したくらいだし)さっぱりしてて、裕福でもないのに面倒見が良くしっかり者。こんな女性が嫁さんだったらさぞ男の人はラクでしょうね。
    彼女のことを「いい女」と評する人がいると何となく不愉快だった理由もわかった。「いい女」って結局「年配の人間や男にとって都合のいい女」の略でしかないし、朱美はまさにそれなんだもの。

  • 百鬼夜行シリーズ#3

    今巻のヒロイン朱美さんの夢か現か分からない出来事が語られる上に、対応する人によって全く別人に感じられる雰囲気にもやもやとした何とも言えない気持ち悪さを感じました。
    中禅寺さんの憑物落としですっきりしたものの、関係者たちの話を聞いて全体像が分かるとはすごいというかよく分かったなというか。
    伊佐間さんの役どころがちょっと可哀想な感じもしますが、朱美さん相手じゃ仕方がないなあ。

  • 前二作と比べると、明らかに時間がかかってしまった。
    クライマックスまでは平板な展開に感じてしまったのがその理由か。
    ただ、最後の最後。その締め方は好きだ。
    ラブストーリーの感覚。
    『嗤う伊右衛門』とはまた異なるそれ。

    270
    428

  • 相変わらず分厚い…。にも関わらず、楽しく読めてしまうのがこのシリーズの恐ろしいところです。いつも通りの妖怪、宗教関連のためになる薀蓄だけでなく、フロイトの夢を挟んだ精神分析のお話なども拝聴できます^^魍魎の匣の直後の話のようで、関君大丈夫なの…。それぞれが遭遇する奇怪な事件、4度夫を殺したと訴える女性、山中での集団自殺、海に浮かぶ金色髑髏、まぁ後は相も変わらずむちゃくちゃな榎木津さん、怪しげな京極堂。最後はいい女過ぎです。そろそろ京極堂も一から読み直しをしたいなあ。一気読みは危険か(笑)

  • 前二作に比べると読みすすめるスピードは落ちたなぁ。

  •  伊佐間さんの見方がとても好き。
     視点が場面場面で変わるんだけど、木場さん視点になるとイライラして、降旗視点になるとなんかもう「これしかない」みたいな気分になって、伊佐間さん視点になるとみんなどこか可哀想だなっていうほんのり温かいような気持ちになるのがとても面白かった。
     関口君視点になるとなんだかみんなが優しいように感じられる。木場さんは「みんなの関口に対する言動が冷たすぎるように感じられるが自分もそうしてしまう」って思ってたけど関口君視点だとそうでもなくて、むしろ関口君視点で鬱陶しいのは関口君自身だった気がする。

  • 余りの分厚さに読む気がしなく積ん読はや何年。ようやく読破。京極作品はもう二度と読まないと思いつつ、完璧な安楽椅子探偵に脱帽し、次もとなってしまいます。もう少し少なくしてください。。

  • 導入はすごくおもしろいと思ったんですが。
    なんだか想像の範囲内のオチというか。期待しすぎてしまって、後半あまり盛り上がらなかった印象です。
    とはいえ、謎の神社の神主や寺などの要素はおもしろかったです。

  • 読む本がなさすぎて、人からお借りもの月間。
    意外な人から勧められ、おぉ、と。

    やっぱ伊佐間と朱美さん、白丘さんと降旗さんのもやもやがたまらない。

  • シリーズ第3段。
    作中での3作が半年の期間であったとは(笑)。

    いわゆる“本格推理”と呼ばれるジャンルなのだろうけれど、“仕掛けありき”とならずにストーリーでも魅せてくれるのが、京極さんの好きなところ。

    “民江”兄妹の悲惨すぎる人生……。

    ★4つ、7ポイント半。
    2015.09.19.図。

  • 教団の秘儀!えっ…、俺があいつであいつが俺で!えぇっ…、と謎が解明されるほどに白けてしまった。謎は謎のままで良い場合もあるのでは?と思いつつ投げ捨てずに読んでみて、クスッと笑える幕引きには仰天。面白かった。

  • 冒頭、伊佐間の体験、降旗と白丘への告白、木場修の捜査、関口と敦子に持ちかけられる相談。朱美と民子。髑髏。宗教。夢。

    ある時点まで読者は「神の視点」としてバラバラの物語を俯瞰できていて、ある程度流れの予想はできる。
    ただ、それでも今回もエピソードの拡大(宗教とか夢とか人物とか関わる事件の多さとか)と収束の目まぐるしさには驚くばかり!

    前2作の話も出てくるけど本作だけでも楽しめます!
    人に勧めるには勇気いる厚さですが。

  • 前作から其ほど期間を空けることなく読了。
    やはり面白いのはそうなんだけど、若干間延びした感は否めないかも。前作はページを捲る手が止まらないくらい引き込まれたんだけど、今回は後どれくらいだろう?と残りを確認することがしばしば……
    けど、ミステリとしては今作の方が断然楽しめました。真相の仕掛けが凄くミステリ的だからでしょうか。
    別々のものに見えた事件が一連のものという京極堂の言葉通り、よくこれだけ散漫させておいて綺麗に纏め上げたな、とただただ感服です。
    次作を読むのは何時になるか解りませんが、今年中には読みたいものです。

  • うーむ・・・読書のレビューが、うーむではじまるのもどうかと思うが、やはり「うーむ」なのである。
    うならされるというかね。
    前回は、つなげて考えるからわからなくなり、今回はつなげて考えないとわからないという。
    色々な事件がストンとおさまるラストには感嘆したが。
    僕が貴方で、貴方が僕で・・・というわけですな。
    次作も期待。

  • 京極堂第三弾。やっぱり面白い。

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文庫版 狂骨の夢 (講談社文庫)の作品紹介

夫を四度殺した女、朱美。極度の強迫観念に脅える元精神科医、降旗。神を信じ得ぬ牧師、白丘。夢と現実の縺れに悩む三人の前に怪事件が続発する。海に漂う金色の髑髏、山中での集団自決。遊民・伊佐間、文士・関口、刑事・木場らも見守るなか、京極堂は憑物を落とせるのか?著者会心のシリーズ第三弾。

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