帝国の昭和 (日本の歴史)

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  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062689236

作品紹介・あらすじ

窮乏の農村とモダン東京の激しい落差の中、日本は満蒙を生命線とする中国大陸での権益を確保する。日中戦争を聖戦とした陸軍中堅層、革新官僚や経済テクノクラートの野望とは?挙国一致内閣、翼賛体制に至る非常時の政治抗争と世相を描出。日米開戦までの秘史、総力戦の諸相と「共栄圏」の実態、反東条運動と敗戦までの国民各層の動向を、最新成果で明らかに。

感想・レビュー・書評

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  • この23巻目では、大正天皇崩御から日本の軍部の台頭。そして、二二六事件・五一五事件を経て今でも中韓との論争にもなっている「アジア太平洋戦争」。そして、終戦へと。

    この間の世界情勢と日本国内の政治・文化など解説されています。

  • 2002年刊(九州大学大学院比較社会文化研究院教授)。同時期の書は幾つもあり、夫々著者が工夫し新味を出そうと努力している。本書では、国民感情(満蒙は生命線イデオロギーが生活権・国民生活保障と結合し、脱帝国主義戦争化・満蒙権益は非搾取の感情を産む)、大政翼賛会の実情(一党独裁には程遠い)、昭和初期の農村救済方法をめぐる論争とイデオロギー対立(大きな政府か自由主義的か)等が興味深い。なお①永田鉄山の発想も暴力革命的色彩があり、徹底合理主義者の評は相対的に見るべし、②近代史研究におけるマルクス主義の影響に注意。
    また③地味な経済テクノクラート(数字対精神における数字主義者・リアリスト)による大衆の生活実態把握と国民生活向上の目線にも注意。なお、端々に看取される軍事ロマンチズムに対する著者の冷ややかな目線は興味深いし(著者もかなりのリアリストか?)、山田風太郎の日記から当時の大衆感情を読み解く鋭敏な着眼には脱帽。当然のことであろうが、私が同書を読んでもそこまでは読み込めなかった。もっとも、最近の書に多いが、国の大衆に対する強権的な権力行使等国と大衆との関係には叙述が余り割かれていない。

  • 日本の歴史(23)
    帝国の昭和  昭和(戦前〜戦中期)
    ISBN:9784062689236
    ・有馬学(著)
    講談社
    2002/10/10出版
    396p 19cm(B6)


    ◆要旨 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    窮乏の農村とモダン東京の激しい落差の中、日本は満蒙を生命線とする中国大陸での権益を確保する。日中戦争を聖戦とした陸軍中堅層、革新官僚や経済テクノクラ−トの野望とは?挙国一致内閣、翼賛体制に至る非常時の政治抗争と世相を描出。日米開戦までの秘史、総力戦の諸相と「共栄圏」の実態、反東条運動と敗戦までの国民各層の動向を、最新成果で明らかに。

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    ◆目次 (「BOOK」デ−タベ−スより)
    プロロ−グ 過去は外国である
    第1章 普通選挙と政党内閣
    第2章 ワシントン体制の変容と日本
    第3章 「挙国一致」内閣の時代
    第4章 「非常時」の表と裏
    第5章 革新の光明?
    第6章 総力戦の諸相
    終章 「戦時」とモダニティ

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著者プロフィール

1945年生まれ。九州大学名誉教授。日本近代史。現在、福岡市博物館館長。

「2014年 『山本作兵衛と日本の近代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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