レガッタ! 水をつかむ (YA! ENTERTAINMENT)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 107
感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (266ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062694551

作品紹介・あらすじ

「たかがスポーツに、そんなにむきになるなんて」。優秀な姉の言葉に反発し、強豪ボート部に入部した飯塚有里は、力がありながらも、水上でうまく発揮できずにいた。ボートはひとりでは漕げないと知ったとき、オールが水をつかみはじめる…。

感想・レビュー・書評

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  • «「向くこと」と「やりたいこと」に向き合う»
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    「ボートって楽しそう!」

    主人公の飯塚有里が高校に入って何の気なしに始めたボートの面白さに惹かれ始め、仲間と共にボート競技に打ち込んでいく姿を描いたこちらのお話。
    有里の心情だけでなく、水の音やボートを漕ぐ感覚までもが伝わって来そうなほど臨場感のある描写が魅力的なこちらのお話を初めて読んだ時、私はボートの魅力に惹かれ、面白そうだな、自分もやってみたいなと胸を高鳴らせた記憶があります。

    しかし今回あらためて読み返した時、それ以上に印象に残ったのは、「時間の使い方」や「挫折、そして向いていないことへの向き合い方」でした。

    「継続は力なり」「好きこそもののじょうずなれ」という言葉に代表されるように、「とにかく続けてみること」が良いことだと考える人は多そうですが、頑張っても上手くいかないことがあるのもまた事実。また、忙しい毎日では、やりたくても時間の関係で同時並行出来ないことが出てくるのもまた事実。
    恋に部活、勉強に、遊びに、また人によってはアルバイトにと、自分の世界が広がってくる高校生の時期、こういった問題が出てきた時にどう対処していくかに焦点を当てた作品でもあるのだなと感じました。

    初めて読んだ時には有里の心情や行動ばかりに注目していた気がしますが、有里達と同じ高校生の時期にこの「向き不向き」と「優先度」の選択肢にきちんと向き合えなかったという経験をした今は、高校1年生の時点できちんと自分の気持ちに折り合いをつけて部活をやめた麗花や、自分の適正ポジションを見極めた祥子、瑠璃子、美帆の姿がとても大人びて、そして眩しく見えました。
    また、「恋に恋するお年頃」などと言われるくらい恋人ができることにワクワクしがちな高校生の時期に、芳一と付き合うことにこだわるのではなく、自分の気持ちに折り合いをつけてボートに時間を使うことを選択出来た有里もとても立派だと思います。

    やりたいことや目標を諦めないことももちろん大切だと思いますが、やっていく中で自分の向き不向きや優先したいことときちんと向き合い、続けること、諦めることの取捨選択を重ねていくことも大切なんだなとあらためて感じました。

  • 部活、友達、家族、恋愛、挫折などの要素がてんこ盛りで結構面白かった。
    ボートならではの描写も結構リアルだったし、レース中に頭が真っ白になる感じも分かる分かるという感じだった。

  • 数あるボート作品の中で、1番読みやすく 未経験者でも入っていきやすい内容です。

  • 高校生になった飯塚有里(いいづかあり)。厳格な両親と、勉強優秀な姉はスポーツに興味はない。中学の時に成績が落ちてバドミントン部をやめさせられた有里は、両親の認めた高校・ソノ女に入学。高校では、好きな部活をやる約束をしていた。
    ただし、休止していたバドミントンは、3年間部活をしてきた同級生たちに負けてしまう。
    有里は自分も勝てる部活、みんなが初心者なら勝てる、しかも、インターハイで強豪校でもあるボート部に入ることにした。
    体力では同学年に負けない有里。
    でも、体験入部`漕ごう会`出なかったことで、なんとなく1年の中で浮いてしまう存在。

    有里の熱いスポ根青春成長物語。

  • 青春部活もののYAはよくあるが、ボート部というのが珍しくて読んだ。
    ボートを漕ぐにしても色んな役割があるのが未経験者としておもしろく、マネージャーに転向せざるを得ない子や部を辞めてしまう子の事情や心の動きもきちんと描写されているのがよかった。
    ただし恋愛要素が途中半端なのが気にかかるので、続編を期待してみたい。

  • 競技人口も少ないので、ボートを題材とする小説は、どれだけニーズがあるのかわかりませんが、ボート経験者にもちょっと中身が薄すぎて、事実の羅列が多く、心理描写が薄っぺらなところが、やはり今いち感をぬぐえないところだろうか。。。って続編も買っちゃいましたが。。。

  • チビ1号、移動図書館にて

  • 高校生、運動部、青春…。
    小学校高学年、中学生にお勧めです。

  • いやー、女子中高生が読めばきっとハマる、いかにもな青春小説。この「いかにも感」は結構好きだ。

  • 2も3月末に出た
    全体に平坦。stoicism とかない。
    97, 「トーキョー・クロスロード」坪田譲治文学賞 261,
    26, 30, 31, 57,

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著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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