- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062694612
作品紹介・あらすじ
妖面、なりたいすがたになれるというそのお面は、面作師の中でも、腕のいい者だけが、作れるのだという。妖面は、諸刃の剣。面をはずせなくなれば荒魂化し、人として生きていくことができなくなる。それでもなお、人々は、今日もお面屋を訪れる-。
感想・レビュー・書評
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つけるとなりたい姿になれる妖面を売り歩くお面屋ふたりの連作短編集。
結末も、ほっとするもの、切ないもの、やるせないもの色々で、人の心の色々な面を感じることができる一冊でした。
天狗たちとふたりの攻防(?)が微笑ましい。続編も読みたい。 -
表紙の絵に惹かれて思わずジャケ借り。
ちょうど和風かつ時代ものの不思議な話を読みたい気分だったので、さっそく読んでみました。
御招山に捨てられていた2人の赤ん坊は、その山の主である天狗に拾われます。
天狗は2人を昔馴染みの人間、ただし人間の世界と山の世界の境界に生きる面作師の男に預けます。
2人の赤ん坊は太良と甘楽と名付けられ、14歳となった今は見習い面作師として、各地でお面を売って歩いているのです。
腕のあるお面屋は表の屋号と裏の屋号を持っている。
裏の屋号を持つお面屋では、自分のなりたい姿になれるという不思議な力を秘めた「妖面」を手に入れることができる。
ただし妖面に囚われてしまうと人ではないものになってしまい、お面屋の2人に浄化され、この世から消えてしまう。
そんな噂を耳にした人々が太良と甘楽のもとを訪れるのです・・・。
妖面の持つ負の側面にまつわるストーリーがもう少し読みたかったというのが本音です。
連作短編4話となっており、それぞれおもしろかったので、より踏み込んだところまで読みたくなってしまうのです。
この2人が活躍する物語の続きが出るのなら、ぜひ読みたいです。 -
ひ~面白い><
なりたいものになれる不思議なお面を売ってくれるお面屋さんのはなし
14歳くらいの少年ふたりが主人公なんだろうけど
ふたりの視点で語られないから
脇役っぽい
挿し絵のちからが偉大なのかもしれないけど
とてもよかった
てんぐかわいい
兄弟仲良しでキュンキュンする
続編も読みたい
死神うどんカフェ(なんだそりゃと思ってたけど)も読みたい -
面作師のもとで修行する太良と甘楽。面とはふつう、縁日で見かける、子どものおもちゃを指す。けれども、いにしえから続く面作師は、縁日で売りだす屋号とは別の、裏の屋号を持っているものなのだ。そして、裏の屋号では、妖面というものが売られているのだった。妖面、なりたいすがたになれるというそのお面は、面作師の中でも、腕のいい者だけが、作れるのだという。妖面は願いをかなえてくれる面。妖面のうわさは、不思議なことに必要とする者の耳にだけ、届くのだという―― 妖面は、諸刃の剣。面をはずせなくなれば荒魂化し、人として生きていくことができなくなる。それでもなお、人々は、今日もお面屋を訪れる―。。人であるゆえの喜怒哀楽をえがいた戦国ファンタジー!
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妖面を売り歩く面作師見習いの話。連作短編。
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なりたい者になれるという妖面を扱う、面作師見習いの太良と甘楽が主人公
だけど主に妖面を買う側の視点から話が展開するせいか、まだ2人は謎の多い不思議な存在という印象です
2人の出自にも寄るものなのでしょうが、人の子ながらどこか客である人間たちと一線を画しているように感じました
YAらしくめでたしめでたしばかりで終わらないのも良かったです
子どもの客は面を上手く外せたのはやっぱりまだ内在する闇が濃くないからかな
今後子どもでも荒魂化してしまう者が出てくるのか気になります -
妖面、なりたい姿になれるというお面を売る太良
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よく青少年向けYAジャンルだと物足りなさを感じたり、強引さを感じたりもするのですが、これはそんな事も無く、久々のヒット。“妖面”というイワクある面を売る事もある太良と甘楽の二人の少年の仕事はシビアで非情な点もあるのに、天狗たちとの繋がりや二人の絆で決して暗くならずホッとできます。『枯れない花』の“お勝”が賢くって良かったな。次巻も早く借りてこなければ!是非とも文庫化して欲しいです。
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夜になると別の屋号を掲げるお面屋。そこではなりたい姿になれるという妖面が手に入るというー。時代ファンタジー。
御招山(おまねきやま)に捨てられていたという太良と甘楽。妖面に憑かれる人間もいれば、何かを得て面を外せる人間もいる。「ごつごつさん」と呼ばれる女の子の話が印象的だった。あと迅雷がかわいい。