- Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062705615
感想・レビュー・書評
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子供向けのミステリーランドにしては、大人要素が多くないか。
逆に言えば、大人が読んでも充分楽しめるということだが。
挿し絵も細密で、長く持っていたくなりそうな一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「ぼくはあの人が大好きだった。あの人の語る話、あの人の作りだすもの、すべてに胸がときめいた。ぼくこそ目を閉じれば、あの眞鍋印刷の裏の納屋に、思いは時空を超えて戻っていく。あの素晴らしい透明人間の納屋に。」
まさかのラストな展開にあわわ!!!と驚いてしまった。
まさに、意表を突かれた問題作!?快作・・・!??!!
最初のうちは、暗いテイストのお話だなぁ、、、なんて
淡々と読んでいたのだけれど、ラスト辺りになってきて
思いもよらない方向性に持っていかれて、
えーー!!こんな展開!?!?
とひたすら唖然としたまま物語は終わってしまうのだけれど。
よくよく考えてみると、ラストがそうなるという必然性の
伏線は、最初から至るところに張られていたりするのよねぇ。
読み終わったときは、なんだかドキドキしてしまいました。
そして、物凄く、、深いんじゃないかなぁ、とも思うのでした。
【5/28読了・初読・市立図書館】 -
なんと、そうきたか!という展開だった(笑)。透明人間の謎と意味にはわくわくしたものの、トリックはいまいち頷けず……しかしながら理想的な国への希望と現実の差という実情を取り入れた点は、児童書・YA向けのものにはあまり見られないので、なかなか興味深かった。子供だった頃の自分をふり返る主人公のビターな思い出話に、このシリーズとしとしては珍しく読後に自分も遠い日を回想した。
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出版社/著者からの内容紹介
透明人間はこの世に存在する。人間を透明にする薬もある。見えないから誰も気がつかないだけなんだ、この町にだっているよ。……学校、友人、母親、すべてに違和感をもって生きる孤独な少年、ヨウイチがただひとり心を開き信じ尊敬する真鍋さんの言葉だ。でもどうしてそんな秘密を知っているのだろうという疑問がぬぐいきれないでいるところに、不可解な誘拐事件が発生した。密室から女性が蒸発したかのように消失したのだ。透明人間による犯行だと考えると謎は氷解するのだが。 -
ミステリーランドでは珍しい「大人」の回想録。
内容も非常に時事問題をはらんでいて、かつ大人の事情が透けてみえる。
トリックは多少無理があるとも思えるが、ギリギリまで子ども向けに落としてここまで出来るのかと納得した記憶がある。
せつないオチだよなあ。 -
子供向けなのか? これが? と思ってしまった。もちろん良い意味で、だけど。「透明人間」についての諸々や、けっこうテーマが深かったんじゃないかな。
これって普通の「本格」に落ち着くのかな……と思いつつ読んでいたけれど、そこはさすがに島田さん。密室トリックもきっちり綺麗な着地でした。 -
ブログのレビュー参考
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島田荘司さんの本はこれが初めて。
眞鍋さんがヨウイチに向けて語る宇宙の話や透明人間の話はとても易しく分かりやすく、こんな風に物事を素敵に語れる人物になりたいなと思い、また、こんな人物に子供時代に出会いたかったなとも思いました。
小学生のヨウイチ視点で進む物語は、子供の純粋さや残酷さ、幼さ、潔癖さが表れていて、子供だからすんなりと受け入れてしまう不可思議なことを、読んでいるこちらも不可思議なことをすんなりと受け入れてしまうような気分になりました。
成長するにつれ知らなかったことを知り、世界が広がる反面、子供の時にしか見れなかった世界や感じれなかった世界があったことを思いました。
この物語の結末と言うか真相は、そうだったのか!!と言うよりもそんな方向の話なのか!?と別の意味で驚きました。
子供も、かつて子供だった大人も楽しめる本となっています。
満足度は★★★☆☆。
眞鍋さんの苦悩と切なさと愛の深さを感じました。 -
孤独な少年ヨウイチは隣の印刷工場の真鍋さんが大好きだった。
真鍋さんもヨウイチを本当に可愛がっていた。
いろんな話をしてくれて、いろんなことを教えてくれて、何でも知っていて、何でもできる真鍋さんをヨウイチは心から尊敬していた。
「透明人間になる薬」のことを教えてくれたのも真鍋さんだった。
そんなある日、密室から女性が煙のように消えてしまうと言う事件が起きる……。
ミステリーランドシリーズを読破するという目的があるため、個々の作品の内容をチェックするまでもなく、順に読んでいるわけですが、この作品はタイトルから私が勝手にイメージしていたものとまったく違う内容でした。
やや重いテーマでもあり、後半、特に最後のほうは読んでいてちょっと辛かったかもしれません。
もっと違った出会いだったなら、ごくごく普通の出会いだったなら、そう思わずにはいられませんでした。