くらのかみ (MYSTERY LAND)

著者 :
  • 講談社
3.42
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本棚登録 : 1606
感想 : 233
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  • Amazon.co.jp ・本 (340ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705646

作品紹介・あらすじ

「四人ゲーム」。まっくらな部屋の四隅に四人の人間が立ち、肩を順番に叩きながら部屋をぐるぐる回るゲームだ。とうぜん四人では成立しないはずのゲームを始めたところ、忽然と五人目が出現した!でもみんな最初からいたとしか思えない顔ぶればかり。-行者に祟られ座敷童子に守られているという古い豪壮な屋敷に、後継者選びのため親族一同が呼び集められたのだが、後継ぎの資格をもつ者の食事にのみ毒が入れられる事件や、さまざまな怪異が続出。謎を解くべく急遽、少年探偵団が結成された。もちろんメンバーの中には座敷童子も紛れこんでいるのだが…。

感想・レビュー・書評

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  • まず、装丁が良い。
    このむらかみつとむさんの表紙は、さとうさとるさんの
    児童文学に親しんだ世代なら「おおぉーっ!」となるはずだ。
    本を開けば子供時代に読んだような章割り、もくじが目に飛び込む。
    そして漢字には丁寧にルビがふられている。
    昔、子供だった大人を もう一度「子ども世界」に誘い込むため、
    綿密に計算して作者がかけた、これは魔法だ。
    こうして、視覚的効果でまず誘い込まれ、
    そこに現れるのは、自然いっぱいの小学生の夏休み、
    田舎の古くて大きな屋敷と不気味な沼、怪談、妖怪、伝説、大事件!
    そして結成される 「都会っ子の少年探偵団」!!!

    ヤラレタ!

    数ページ後、私はすっかり「10歳の探偵」戻っていた。
    実に気持ちよく魔法にかけて頂いた。
    本を手に取ってから、パタンと閉じるまでの数時間、
    「瑞々しい時」をプレゼントしてもらった。 
    とてもいい気分だ。

  • 子ども向け

  • 最近、やや古い童話を中心に読んでいるのだけれど、図書館の順番が回ってきたので手にした一冊。
    読み終わってひと月くらい経つということを別にしても、なんというか、思い出せないのですよねえ…内容が…。
    おぼろげながら、あんなことがあったこんなことがあったということは思い出せるのだけど、作品全体を通しての手ごたえがなく、結局なんだったんだっけ、と思う次第。
    比較しても仕方ないけど、今読んでいる古めの児童書たちが濃すぎるのかな。一冊一冊が際立ちすぎて、読み終わるのがしんどい本ばかり。タイトルを見れば思い浮かぶ強烈な話。いったいこれは何の違いなんだろう。

  • 遺産相続の話し合いで本家に集まった大人達。一緒に帰省した子供達はあっという間に仲良くなって、蔵の中である事を試したが。
    少年少女のために各作家が書き下ろした、ミステリーシリーズ。
    子供向けを意識したせいか、登場人物の子供達が大人の事を悪く言うの。かつて子供だった自分(今は大人)には悲しい。

  • 装丁が素敵

  • ミステリーランドの1作。
    いやぁ~楽しかったぁ~。
    子供向けに工夫された感じは所々にみられるものの
    大人でも楽しめます。
    ホラーをちょっぴり紛れ込ませた懐かしい話かな?
    夏休み。田舎にある無駄に広い本家。集まる親戚と子供達。
    いつもと違う景色と空気。いつもと違う夜。
    そこに怪談まがいの話が加わると盛り上がりますねぇ~
    そして、子供から見た大人の評価には
    何度も頷きましたよぉ。
    結末も、納得する形になっていて後味もよいです。
    ちなみに小野主上の他の作品を期待して読んじゃダメですよ。
    かなりライトな仕上がりになってますからね。

  • 田舎の本家に集まった4人の子供たち。暗い部屋で四隅に立ち、順番に肩を叩いては次の隅へ移動するという、四人ゲーム。4人ではできないはずのこのゲームを実際に試したところ、子供が5人になっていた。増えた1人は座敷童子? 誰が座敷童子かわからないまま、屋敷で起きた事件について子供たちは調べ始める…。
    かつて子供だったあなたと少年少女におくる、というキャッチコピーのレーベル。児童書。
    座敷童子の存在がなんとなくちょっと不思議怖い感じ。家の守り神とも言われることから善いものというイメージで描かれることが多いので、今回の描かれ方は珍しい感じがした。子供たちが集まって子供だけで色々調べたりしているのは楽しそうでよかった。夏休み映画っぽい雰囲気。

  • 4-06-270564-8 c0093¥2000E

    くらのかみ


    2003年7月31日 愛1刷発行

    著者:小野不由美(おの ふゆみ)

    発行所:株式会社講談社

    固い紙のケースに入ったハードカバー

  • ゴーストハントのリライトを除けば黒祠の島ぶりの小野不由美。
    親戚のあつまりに連れて行かれて飽き飽きしている子どもたちが、まっくらにした部屋の四隅に四人の人間が立って順番に肩を叩きながらぐるぐる部屋を回るという「四人ゲーム」のために蔵座敷で遊び始めるが…という定番の出だし。
    行者殺しは六部殺しのアレンジかな。小野不由美が得意そうなやつ(ゴーストハントからの決めつけ)

    禅の本名の読みが違うとか一郎次郎三郎って勝手に名前つけてるのとかが5人目の子供の伏線なのかと思ったらマージで全然意味なくてびっくり。ほんとに意味ねえ。

    ラストの「ところで、なんで『真由おじさん』なんだい?」って三郎の問いに対して「あたしたちだけの秘密」って返した梨花は良かった。

  • 児童向けミステリーとホラーが混ざり合ったような話でした。田舎の旧家に集まった少年少女達は座敷童がいるという部屋で四人ゲームという遊びをしてしまう。ゲームを終えると子供の数が一人増えていた…という導入はとても面白く、ミステリーとしては楽しく読みました。でもホラーというか怪異譚としてはどうかな…という終わり方で。その後とかの追加エピソードがあれば良かったかなという印象でした。

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著者プロフィール

大分県出身。講談社X文庫ティーンズハートでデビュー。代表作に『悪霊シリーズ』 『十二国記シリーズ』『東亰異問』『屍鬼』など。重厚な世界観、繊細な人物描写、 怒濤の展開のホラー・ミステリー作品で、幅広いファンを持つ。

「2013年 『悪夢の棲む家 ゴーストハント(1)特装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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