探偵伯爵と僕 (ミステリーランド)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 876
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705707

作品紹介・あらすじ

夏休み直前、新太は公園で出会った、夏というのに黒いスーツ姿の探偵伯爵と友達になった。奇矯な言動をとるアールと名のる探偵に新太は興味津々だ。そんな新太の親友ハリィが夏祭りの夜に、その数日後には、さらに新太の親友ガマが行方不明に。彼らは新太とともに秘密基地を作った仲間だった。二つの事件に共通するのは残されたトランプ。そしてついに新太に忍びよる犯人の影。

感想・レビュー・書評

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  • 語り口がめちゃくちゃ小学生なんだけど、バンパーがバンパだったりミステリがミステリィだったりするところに森博嗣を感じる。

    小学生の子どもが一晩帰ってこなかったことに気づかない父親ヤバくない!? しかも警察沙汰になっても母親が帰ってこないって、子ども連れて離婚のための夜逃げしたんじゃないの? と思ってた頃はまだ平和だった…
    完全にそっちの想定でいたから、主人公が妙な罠から生還したあとの「(行方不明になっている友達は)殺されている可能性が高い」で冷や水を浴びせられた気持ちになった。マジかよみたいな。
    チャスラさんが教師を辞めた理由がまんま池田小だったこともあって、名前縛りは置いといて小学生女児の連続誘拐殺人って聞くとやっぱり宮崎事件を思い出してしまう。

    ガマの件が起きるまでDV夜逃げもしくは家庭内殺人を疑ってたのである意味ハリィの父親が犯人なのは予想が当たってたんだけど、連続殺人犯がたまたま友達の父親だっただけパターンとは…言葉もない…

    なぜかワープロで打ってるし全部が主人公の作中作だったらいいのにな、虹果て村でも未来屋でも主人公は小説書いてたしなぁと思ってたら夏休みの日記を提出して先生に「お話として、とても良く書けている」って言われて、伯爵からの手紙にも小説って書かれてたからホッとしたのに手紙のラストで鳥肌立った。

  • 久々に森博嗣ワールド読んだが・・・そうだった・・・この人の作品は無感動に人が死ぬんだった・・・。
    それは児童向け小説でもなんら躊躇なかった・・・むしろそういうのを教えるために書いたんだろうしな・・・。
    あと長音あんま書かない文体とかやっぱり独特やな。
    森博嗣といえば親殺し、子殺し・・・。
    すべてがFになるで教えられてたやんけ・・・。

  • 2020/02/28

    ・絶対嫁のことも殺してるでしょ

  • 僕は、探偵伯爵と名乗る胡散臭いおじさんの知り合いになる。彼はある事件を追っていた。
    文字を書くのが嫌いな僕はパソコンを使って手記を記す。僕が紡いだストーリーとは。

    少年少女向けのミステリシリーズ。
    他の作家さんのも読み進めて来ましたが、なんというか、事件を扱うフィクション(ミステリ)を楽しんで欲しいけど、事件自体の重さの理解というか、現実世界で子供達にどうあって欲しいか、も伝えたいという苦悩がどの作者さんからも伝わってきます。

  • 毎度おなじみの≪作者が子どもだった頃≫が無い。。。
    是非とも読んでみたい作者だったのに。。。

    ウォーカロンシリーズでも感じていたが
    物事への独自の見解がナルホド、となる。
    大人になるほど笑わない理由や人殺しについて、など。

    主人公が日記風に事件をしたためている、という設定。

    子供がいなくなる→誘拐→探偵と探そうとする、というありがちなストーリーなのに
    ラストがきっちり現実的。。。

    また、日記を読んだ探偵伯爵の手紙による、事実と異なる部分。
    て事は、犯罪の動機って。。。となってしまう。
    伯爵の手紙の文体から見ると、また文中の主人公が結構賢い子だったので、
    主人公は動機に関しては恐らく理解しているのだろう。。

    それを 『人間の醜さから目を遠ざけずに』と伝えるあたりが伯爵が大人だけれど、一般に言う大人とは違う所以だろうか。
    何でもかんでもR指定にして遠ざければ良い、というのは簡単だけれど
    世の中が実際健全ではないのだから、実際その不条理に対面した時、純粋な知識だけでは立ち向かえない。。危機感すら抱くことのない子どもは悪人にとっては鴨葱状態だよなぁ。。。

    でも必要以上に、わざわざ汚い部分を見せたくもないし。。。教育って難しい。。。


    辛辣なラストなので、読んだ後ほっこり、とはなれないが、
    軽い文体なので、さほど深刻にならずに読み進められるが
    物凄く難しいテーマを突き付けられている気がして、読んだ後考え込んでしまう。。。

  • 2015年5月17日に開催されたビブリオバトルinいこまで発表された本です。テーマは「こども」。

  • とある少年が、夏休みに妖しい大人と出会って行動を共にし、事件を解決する話。

    子供目線の文章が面白くて、くすっと笑えた。

    なんとなく『ぼくと未来屋の夏』や、『ペンギン・ハイウェイ』を思い出した。

    最初から最後までわくわく楽しく読めました。

  •  不思議な伯爵、人の闇、事件、人間の理性。最後の最後で騙されました。

  • 息子(小6)のおすすめ。
    町内のおまつりの夜、友だちのハリィと別れたあと、ハリィは行方不明になり…。僕が、書き記したひと夏の事件。
    ラスト、伯爵からの手紙で、「やられた~」という感じ。また最初から読んでしまった。森さん初読み。

  • 子供向けとはいえ、世界観や会話の理屈っぽいところは顕在で、著者らしさが出ています。ミステリーとしてしっかり書かれていますし、推理する楽しさが味わえます。
    真相はシビアで好みが分かれるかもしれませんが、一つのミステリーの魅力として捉えればいいかなと思います。
    最後の手紙に関しては意図が良く解りませんでした。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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