銃とチョコレート (ミステリーランド)

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著者 : 乙一
  • 講談社 (2006年5月31日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062705806

銃とチョコレート (ミステリーランド)の感想・レビュー・書評

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  • いやぁ〜、
    面白かったぁぁ〜(*^o^*)


    子供の頃に胸ときめかせて読んだ
    『少年探偵団』シリーズや、
    『ハックルベリー・フィンの冒険』などを
    思い出しちゃいました(^O^)


    ひらがな多めで
    子供向けに書かれてはいるけど、
    そこはやはり
    天才・乙一、

    普通の児童書では終わりません(笑)


    散りばめられた伏線、
    二転三転するストーリー、
    怪盗対探偵の勧善懲悪な王道ストーリーと思わせつつ、
    三章辺りから
    一転ダークな展開に…


    人種差別、殺人、裏切り、不条理、必要悪、情報操作、汚れた英雄などなど
    先の読めない
    驚愕のストーリーに
    何回も


    「コレ、児童書やったやんな…」


    っと見直してました(笑)



    簡単に情報が手に入り氾濫する今の世の中で
    「真実を見極めろ」
    という
    痛切なメッセージと共に、

    最後には
    すべての謎を解き明かし、
    パズルのピースがあるべきところに
    きちっと収まる手腕は
    やはりスゴい!




    貧しい移民の少年
    リンツ、

    一学年上の
    不良ドゥバイヨル、

    ギャングの親分のように貫禄がある
    ガナッシュ警視、

    おデブな
    ロイズ探偵事務所の
    秘書ブラウニー、


    そして
    虫眼鏡がトレードマークで
    編み物が趣味の(笑)
    若き名探偵ロイズ、


    貧乏画学生のゴンチャロフ、


    などなど
    個性豊かな登場人物たちが
    わんさか出てきます。


    そしてこの小説、
    名前という名前が実はすべて
    チョコレ−トにまつわる名前になってるんです(笑)


    だからチョコ好きさんなら、
    もう読んでる最中も
    ニヤニヤが止まらないハズ(笑)



    青春は切ないだけではなく
    ほろ苦いもの。

    このほろ苦さを知ることが
    大人になるということなのかな。


    そして大人になるとは、
    進歩することよりも、
    むしろ進歩させるべきでない
    「心の領域」を知ること。



    誰もがかつて
    子供だったことを思い知り
    胸ときめかせる、

    甘いだけではなく
    ビターなテイストの
    冒険活劇です♪


    イッキ読み必至!
    (それにしても挿絵は不気味過ぎるよ〜汗)

  • どいつもこいつも油断ならねぇ――!!

    のっけから言葉が悪くてごめんなさい(汗)
    しかし本当に油断ならないんです、このお話。

    講談社ミステリーランド第10回配本。

    母と二人、貧しい暮しをしている少年リンツ。
    亡くなった父親が移民であったため、少しの差別を受けているものの、仲良しの友達たちとそれなりに毎日を過ごしている。
    友達との話題の中心は、「怪盗ゴディバ」の起こす数々の事件と、それに立ち向かう我らがヒーロー「名探偵ロイズ」。

    あるとき、父親が亡くなる前に買ってくれた聖書の表紙から出てきた地図を見たリンツは
    それがゴディバの手になるものらしいと気付き、ロイズに手紙を書く。
    わざわざお忍びで会いに来てくれた憧れのロイズと地図についていろいろ調べるリンツ。
    いつの間にかのっぴきならない状況に陥り、事件はたくさんの人を巻き込みながら思いもかけない方向に転がっていく。

    こどもたちの憧れであるロイズが、リンツに「おもいでサファイア」事件を話す場面。
    怪盗に憧れを抱くのは探偵も同じなんだなぁ(このお話の国では怪盗は完全な悪者ですが)、とほほえましく思ったのも束の間。

    3章が始まり、すべてが反転する――。

    広場で責められるリンツ。
    親友の一人、優しいデルーカにまで誤解され「移民め!」と罵られるのがかわいそうで仕方がない。

    その後は、あの人もその人も、えええっこの人までも?!と最後までどんでんの連続。
    ・・・本当にどいつもこいつも油断がならない。

    2章終わりからのドゥバイヨルが、賢くてかっこいい。
    人殺しちゃうのはいただけないし、最後までデレずに悪人のままだけれど。
    実際に近くにいたら罵詈雑言浴びて蹴り倒されそうでイヤだけど。
    語られていない彼の過去(家系のこととか妹のこととか)が読んでみたいなぁ。
    ハードなお話になりそうで怖いけれど。

    怖いといえば。

    「イラスト、平田秀一さんかぁ。
    表紙の猫の目、ブキミだけれどさすがに美しいイラストだわー」
    とうきうきしながら開いたら・・・
    こ、こわいっ!こわいわっっ!!
    思えば、ここからすでに油断ならなかったのかもしれない……。

    講談社ミステリーランド第10回配本。


    フォローさせていただいている方のおススメ作品。
    おススメがなければ、この本を読むのはもっとずっと後になっていました。
    末筆になりましたが、お礼申し上げます♪

  • 北村薫さんの『野球の国のアリス』で、装幀の美しさと
    「かつてこどもだったあなたと少年少女のための」というコンセプトの
    虜になってしまった、講談社ミステリーランドシリーズ♪

    2作めには、最近気になっている乙一さんの作品を選んでみたのですが。。。

    怖い!!。。。何が?って、挿絵が!
    パトレイバーや攻殻機動隊の背景を担当した平田秀一さんの作品なので
    完成度が高いのはもちろんなのだけれど、悪党のみならず
    主人公リンツの優しい母メリーでさえも、悪夢に出てきそうな表情で、
    子どもの頃の私だったら、ぜったい手に取ることさえできなかったに違いない!
    と断言できる怖ろしさです。

    物語のほうも、著者名がなかったら
    翻訳された外国の少年向け冒険小説と見紛うようなきっちりと構築された世界で、
    リンツ、ゴディバ、ロイズ、ブラウニー、メリー、ゴンチャロフなどなど
    チョコレートに纏わるおいしそうな名前の登場人物が波乱万丈の冒険を繰り広げます。

    いけすかない大金持ちからだけ盗む怪盗に名探偵、宝の地図、と
    子ども向けならではの夢のある設定ではありますが
    移民への差別や手ひどい裏切り、子どもだろうと斟酌しない暴力など
    針金よりひ弱な精神の私にはかなり堪える部分もあって

    黒乙一さんがお好きな方には甘いミルクチョコレート、
    初めてミステリを読む小学生には苦いビターチョコレート、
    という味わいの作品なのかもしれません。

  • ある国では、次々と高価な財宝を狙う怪盗GODIVAが新聞を賑わせていた。
    GODIVAを追うのは、少年少女たちの憧れの的である、探偵のロイズ。
    移民の子として生まれた少年リンツは、母と二人で貧しくも慎ましく生活していたが、ある日、亡き父が買った聖書の中に、地図が入っているのを発見する。
    この地図は、もしかしたらGODIVAの宝のありかを示しているのではないか…。リンツは期待をこめて、憧れのロイズに地図のことを手紙に書き、ロイズ直々、捜査への協力を依頼される。

    おー、乙一さんってこんな本も書くんだ!
    最近読んだ、GOTH、(中田栄一さん名義の)吉祥寺の朝日奈くん、いずれともまた一風違っていて、外国の翻訳ものの児童書を読んでいる気持ちになった。
    ルビふってあるし、文体も優しくて児童向けを意識しているはずなのに、挿絵は怖いわ(お母さん怖すぎ、何者!?と思った)、けっこう容赦のない表現や残酷な場面もあるわで、ほんまこれ主人公死んじゃうんちゃうのんと思いつつ読んだ。
    かと思えば、助けにきた息子に「こどもは銃持っちゃダメ」という母だったり、切られてなお飄々とした祖父だったり、水車小屋でのやりとりだったり、緊張感ある場面での気の抜き方、とぼけ方が楽しすぎる。
    こういうのは子供より大人の方がぷっと笑えるんじゃないかな。

    あのひとが怪しいというのは最初から思っていたが(でもこれは途中であっさりと化けの皮がはがれた)、別のあのひとが改心しないとは思わなかった(笑)。
    少年少女のお約束を守っているようで、随所でしっかり乙一テイストが出てました♪
    これだから乙一さんはやめられない。

  • ハラハラドキドキを純粋に楽しめました~(*^^*)

    ほんと児童書すれすれ(むしろアウト?)の暴言を吐きまくるドゥバイヨル!(笑)ひどいやつなのに、おそらくイケメンで、頭がよくて...と、なんでか魅力的です。
    そんなドゥバイヨルを助けるリンツくん。とても優しくていい子でした。そして、メリーさん譲りで案外肝が据わってる(笑)
    それにしてもロイズはダメな大人だったよ...

    怪盗の秘密、父の願い、母の想い、とてもよかったです。
    青空の下でキラリと一瞬見えたリンツの小さな夢。そして一族、家族の歩んできた道。
    読んでよかったなと思いました。

    彼らの10年後の話とかドゥバイヨルの過去のお話とか読んでみたいです!

  • 羊の皮を被った狼。児童書の皮を被ったクライムサスペンス。
    乙一だから、なんかやってくれるとは思っていたけどこいつは凄い。
    面白過ぎる。でもコレ子供向けじゃないですよね。

    時代も国もわからないとある街(でも20世紀初頭のヨーロッパがモデルのような)。父母と三人で貧しいながらも慎ましく暮らすリンツ少年は探偵ロイズに憧れていた。国中を騒がせる稀代の怪盗ゴディバと探偵ロイズの対決は、いつでも子供達の話題の中心。
    ある日、偶然にもリンツはゴディバが記したと思わしき宝の地図を手に入れる。それをきっかけにロイズと警察から捜査協力を求められるリンツ。こうして怪盗の足跡を追う少年と探偵の冒険がいま始まる。

    箱入りで美しいイラストがついた豪華な装丁。文章も翻訳物の児童文学のような体で、なんとなく『エーミールと探偵たち』のような雰囲気。探偵に憧れる子供達の学校での生活がいきいきと描かれ、怪盗をめぐる只の冒険譚かと思いきや(それはそれで充分楽しいのですが)、3章の『名探偵の演説』あたりから物語が加速度的に転がり始めヒートアップしていきます。

    乙一らしい、意地悪なひねりが効いたトリッキーな展開。
    『007』と『インディ・ジョーンズ』と『ジョジョの奇妙な冒険』と『劇場版ドラえもん』がひとつになった面白さ。
    作者のファンでも読み逃している人、結構いるんじゃないでしょうか。文庫化されて、もっと多くの手に届けばいいのに。

  • ひらがなが多かったり漢字にルビが振ってあったり平易な単語が使われていたりと、「児童書コスプレ」をしてはいるけど内容はバリバリ大人向け、という印象です。

    そもそもこのレーベルのキャッチコピーが「かつて子どもだったあなたと少年少女のための」ですもんね。
    純粋な「子ども向け」ではないので、下手に童心に返って読んだりすると大怪我しそう。ホント、大人の中の子ども心に訴えかける系の作品って、読み手のスタンスが難しい……。

    手に取るだけでワクワクしてしまう装丁、そして甘々な人物名とは裏腹に、少年の冒険はかなりビター。
    少年少女の目線でもって人生の理不尽さに立ち向かうか、大人の目線で先読みと粗探しをしてしまうかは、好みの分かれるところでしょうか。

  • 「かつて子どもだったあなたと少年少女のための――」

    このコピーが大好きでね(笑)
    ミステリーランドのシリーズ(レーベル?)好きなのです。

    コピーに違わず、子供も読めるし、大人にも読みごたえあり。


    乙一はそこまで好きじゃない・・・というか、恐いので(苦笑)苦手な部類なのですが・・・

    『銃とチョコレート』という題名に吸い寄せられました(笑)
    チョコレート愛ですから。

    暴力的な描写が妙にリアルだったり、人間の嫌な部分いっぱいだったり、という点はゲド戦記の時のように受け入れられなかったのですが。

    ミ ス テ リ と し て よ い!!!

    そこら中に張り巡らされた複線が、謎のままじゃなくちゃんと解き明かされているので読後は爽快です。

    ロイズのキャラクターがね・・・
    もう、ハウルの駄目っぷりと、ハリーのロックハート先生(だっけ?)の駄目っぷりを足して二乗したような・・・(最低・・・)
    皆はっきりしてて読みやすかったです。

    しかしながら挿絵が恐くてびっくりしました。
    何が恐いって「mama's laboratory」って題の挿絵。
    ぜんっぜん恐いシーンじゃない・・・と言えば嘘になるけど・・・えぇ?だから恐く描いてあったのかな・・・(読後に混乱)
    そうか、そういう複線・・・???

    ともかく、登場人物の名前もロイズにリンツにメリーに・・・と、チョコ好きなら納得の顔ぶれ(笑)
    現代的冒険譚です。 (そう、とっても現代的)

  • 児童書なので、アドベンチャー要素が多いかなと思っていましたが、乙一らしいダークな面も多々ありました。人間の本性、秘密、正義についても書かれており、大人でも十分に楽しめるファンタジーです。何よりチョコレート関連の名前がそそります(笑)

  • 児童書というだけあって
    子どもでも安心の一冊。

    悪人って何だろう?善人ってなんだろう?
    人の評判よりも自分で確かめることの大切さを教えてくれます。

    固有名詞がゴディバ、ロイズ、リンツ等のチョコレートなので
    無意識にチョコレートが食べたくなりますね。


    しかし児童書といっても小学生低中学年には少し難しいのでは?

    小学校高学年から中学生くらいにオススメです。

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