子どもの脳の発達 臨界期・敏感期 ―早期教育で知能は大きく伸びるのか?(講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (202ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062722537

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  • 早期教育については役に立つという証拠も害になるという証拠もともに「科学的な」ものはないので、やるなら反対はしないけどほどほどに、というごもっともな内容。著者は発達神経学などを研究している小児科医だそうで、科学的に正しくあろうとすればこういう無難な内容にならざるをえないのかもしれない。早期教育の草分けはソニーの井深大が書いた「幼稚園では遅すぎる」という本で、その根拠としては・刷り込みが起こるのは生後24時間まで・ヒューベルらの片眼遮蔽実験で生後2-3ヶ月瞼を縫い合わせたネコの視力は失われる・シナプス数は8-12ヶ月でピークに達し、あとは減少するのみ・8歳の狼少女は保護された後も言葉を習得できなかった。親から監禁・無視されたネグレクト児は6歳ぐらいまでに救出されれば言葉を習得できる。などが下敷きとなっている。どうも母国語については臨界期がありそう。第二外国語についてはニューポートの実験というものがある。7歳ぐらいまでに渡米してきた中国人の英語力はネイティブと同等だが、8歳以降に来た者の成績は次第に低下する、ということで7歳ぐらいまでに始めないといけない。ヒアリングも「馴化法」という手法で調べられている。lake,lake,lake,rake,rake,,,,という音を聞かせると、l->rに変わったところで(乳児がそれを聞き分けていれば)脳波が変化する。新生児から6か月までは、あらゆる言語についての聞き分け能力があるが、使う機会のない音の聞き分け能力は6か月以降失われてしまう

著者プロフィール

東京大学医学部卒業。東京大学医学部講師、東京大学医学部付属病院小児科医長。発達神経学、神経生化学を専攻し、小児科医として発達障害児の医療に携わる。

「年 『ナチュラルな赤ちゃん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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