「うつ」を克服する最善の方法 (講談社+α新書)

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  • 講談社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062723428

感想・レビュー・書評

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  • うーん。。SSRIを真っ向から否定し、食事、サプリ、生活習慣で治そう!という本。確かに安易な薬物療法は良くないと思うし、製薬会社もビジネスしていることを頭に入れておく必要があるが、薬物を完全否定するのもどうかと思う。実際使ってみた身としては、ある程度の効き目はあったと思う。プラセボ効果含めて。こういう意見もあるのね、という程度の読み方が良さそう。

  • 抗うつ薬が効かない効かないと嘆いていた頃に知人に薦められて読んだ本。一言で言うと「著者の熱意と善意は伝わった。けど、う~んどうなんだろう?」という感想。薬学博士の著者が分かりやすくSSRIの副作用・危険性を解説してくれる。その点は良い。けれど、あたかもSSRIおよび製薬会社が悪で、SSRIの開発が自己利益追求の為だけの正義なき陰謀だ、とでもいうような短絡的・感情的かつ過激な主張には全く賛同しかねる。(製薬会社側の人間を身内に持つ身にとっては尚更!そんなんじゃないもん。)しかも、SSRIの危険性の認知の根拠として挙げられているのが、(著者の薬理学的な知識・見識以上に)よりによってアメリカの司法裁判の結果だったりする。「アメリカの司法裁判の結果」ほど胡散臭いものもこの世に珍しいというのに。
    「私もうつだった、けれどこうして自力で克服したのだ」と著者は喧伝する、そうやって読者達を鼓舞し苦しみから救おうとする。その姿勢はきっと善意以外の何ものでもないのだけれど……私の読むかぎり著者が本当に鬱病だったとは考えにくい。(時々「軽度のうつ状態」ではあったのだろうけれど。)だって、医師の診断もない自己判断だし、こんなに積極的に具体的な行動療法を自ら実践できる人が鬱病なはずないもの。
    というわけで、参考になることもあったけれど、著者の空回りする善意の熱風に吹き付けられて読む前以上にちょっと消耗しちゃったかな……というような本だった。鬱病・うつ状態の人にはおすすめできそうにない。

  • <うつ病など存在しない。気分が落ち込んだぐらいで薬に頼ってるんじゃねえ!>、という本。

    表題の「最善の方法」とはサプリメントと有酸素運動なのだそうで。

    著者は薬学博士だというがうつ病も抗うつ薬のどちらも正しく理解できていない。

    SSRIのことを「錠剤を口に含むだけで快感が手に入る」などと書いている(92ページ)。抗うつ薬は効果が現れるのに2週間程度かかるという常識からして理解していない。そしてさらに、SSRIを服用して凶悪事件を起こした人がいる→副作用が危険、という粗雑な理論でSSRIを危険な薬物だと主張している。

    うつ病治療全般からして、効果がなく副作用が危険なSSRIで儲ける製薬会社、結託して患者を薬漬けにする医者、というビジネスモデルをやたらと強調して否定しまくっている。

    そういう側面は確かに否定できないが、これについては冨高辰一郎氏の『なぜうつ病の人が増えたのか』を読んだほうがずっと正しい情報が得られると思う。

    こういう極端な主張もひどいが、笑えるのは本書の論理的な破綻ぶり。曰く;

    ・SSRIは製薬会社お手盛りの臨床試験で認証された。あんなものは効かない!(キリッ
    ・5-HTPというサプリメントはSSRI並の効果がある!(キリッ

    薬が効かないならサプリも効かないだろうw

    ・脳の仕組みは複雑だ。薬でセロトニンだけ増やすなど危険だ!(キリッ
    ・川のせせらぎなどのCDを聞くと脳内にセロトニンが出る。心を静める時間を持てばセロトニンが放出される!(キリッ

    結局セロトニン仮説肯定するのかよw

    うつ病経験者を楽しく笑わせてくれるトンデモ本。ただし、症状が重く医療の助けが深刻に必要な人は、このような本は読まないことをお勧めする。

  • [ 内容 ]
    米国で隠蔽された「抗うつ薬」の副作用!!
    薬に頼らず「うつ」を克服する方法とは。

    [ 目次 ]
    第1章 増加する「うつ」と「抗うつ薬」の蜜月関係
    第2章 「危険な薬」はこうして承認された
    第3章 恐るべき“抗うつ薬”SSRIの真実
    第4章 SSRIの副作用と離脱症状から解放される方法
    第5章 食事とサプリメントでうつを克服する
    第6章 生活習慣の改善でうつを予防する

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 抗うつ薬の告発本。
    自分も抗うつ薬に頼る医療には疑問を持っていたので、薬に頼らずに治していくという方針には同意できる。
    この本の内容を鵜呑みにするのもどうかと思うが、ひとつの参考としてはいいのでは?

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著者プロフィール

生田 哲(いくた・さとし)
1955年、北海道に生まれる。薬学博士。がん、糖尿病、遺伝子研究で有名なシティ・オブ・ホープ研究所、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)、カリフォルニア大学サンディエゴ校(UCSD)などの博士研究員を経て、イリノイ工科大学助教授(化学科)。遺伝子の構造やドラッグデザインをテーマに研究生活を送る。現在は日本で、生化学、医学、薬学、教育を中心とする執筆活動や講演活動、脳と栄養に関する研究とコンサルティング活動を行う。著書に、『遺伝子のスイッチ』(東洋経済新報社)、『心と体を健康にする腸内細菌と脳の真実』(育鵬社)、『ビタミンCの大量摂取がカゼを防ぎ、がんに効く』(講談社)、『よみがえる脳』(SBクリエイティブ)、『子どもの脳は食べ物で変わる』(PHP研究所)、など多数。

「2023年 『「健康神話」を科学的に検証する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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