最高の医療をうけるための患者学 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062723886

作品紹介・あらすじ

日本の医療改革のスピードを速めることができるのは、患者さんだけではないかと著者は考えています。個人個人の医療に対する態度がもっとも重要です。では、あなたにとって最良の医療を受けるには、具体的に、どのようにふるまえばいいのか、いますぐ医療に参加するにはどうしたらいいのか、それらを本書で解説します。

感想・レビュー・書評

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  • 良書に出会うことが出来た。今朝のNHKのニュースで取り上げられたテキサス州立MDアンダーソンがんセンター上野医師の著作。
    メディアは医療・健康情報に溢れかえっている。良い健康法や治療法、或いは名医等々が次々と紹介されるが、いざ診断されると誰しも右往左往し、不安に苛まれ、更なる情報を得ようとする。
    本著はそうした情報とは一線を画し、患者が医療者といかに適切に意思疎通するかをとても具体的に指南してくれる。その発想が、とても示唆に富み、実はがんに限らず、他の病気や普段の生活にも参考になる。

    何に自分が困っていて、どうありたいか自分のゴールをちゃんと見極める。
    医療者の情報をしっかり消化すること。
    選択肢は1つではないことをどんなときも心に留めて、求める事。
    いくつかの選択肢の中から、専門家や家族の支えを借りて選択し、判断する。
    その後は、病を生活の中心にして過ごさず、また一人で闘わない。

    どうしても聞き分けの良い患者を装ってしまうのだが、限られた時間の中で、有効なコミュニケーションをとって、自分の日々を大切に過ごしたいと思った。

  • 上野直人 著「最高の医療をうけるための患者学」、2006.7発行です。自分の体は自分で治療するという自覚をもって、質問上手になって真剣に話をし自分の希望を伝えて、納得したうえで治療を受けるということでしょうか!

  • 運命を切り開く賢い患者の行動学!!
    日野原重明氏推薦!!「米国一のがん専門病院で20年近く働いた日本人医師の上手な医療の受け方の解説書です」
    “患者の声”が、がん治療を変える!日本でも患者参加型の「チーム医療」は実現できる!!

    日本の医療はまちがいなく、世界でいちばん高いレベルの技術を持っています。それなのに欧米より劣っていることばかりが取り沙汰されるのは、一体なぜでしょう。これは、医療技術が高くても、医療の質が高くないということです。自分に何ができるか……僕は医師と患者さんのコミュニケーションのあり方を根本的に変える「参加型医療」、がんの集学的治療を効果的に行うことができる「チーム医療」を日本に根づかせようと、活動をしてきました。では、医療の質を向上させ、患者さんにとって満足度の高い医療を実現させる、変革のスピードをあげるにはどうしたらよいのでしょうか……いますぐにでもその恩恵にあずかれるかどうかの鍵をにぎっているのは、じつは患者さん1人1人の行動なのです。

    ●あなたの行動で病院を変える
    ●チーム医療ががん患者を救う
    ●自分の病気を説明できますか?
    ●必要な情報を病院で集めるコツ
    ●患者の質問力が医療者を育てる
    ●マスコミ情報にすぐ飛びつかない
    ●標準治療と最新治療のちがい
    ●最悪の事態は健康なときに考える
    ●医師と意見が合わないとき
    ●「治療はこれしかない」には要注意

  • 「病気になったら病院に行って、お医者さんに治してもらえばいい」なんて楽観的且つ他人任せな医療を受けることは、自分自身の身体や健康い失礼です。でも、だからと言って何をしたらいいのでしょう。医学教育を受けていない人にとっては、医療なんてとても敷居の高い世界に感じるかもしれません。

    近年注目されつつある、地域連携包括的ケアと呼ばれる医療体系に於いて、患者さんはまさに医療の中心にいるべき存在です。医師ではなく、患者さんが中心となり医療が進むのです。これはより良い医療を目指し、進められている様式なのですが、いかんせん当の患者さんの意識が全く追いついてないといった状況は否めません。いったいどうしたらいいのでしょう。

    それにステップを踏みながら、段階的に応えていってくれるのが本書です。今私たちが患者となるとき、施される医療を良質なものにするために患者さんがすべきことがポイント毎に述べられており、読んだその日から意識改革をすることができます。

    とは言っても、文中にも述べられていますが、「いい患者」になるためには練習も努力も必要です。それをこの本とともに積み上げていくことで、患者として賢くなり、さらには社会全体の医療の質をも上げていくことに繋がると私は感じました。

  • 患者がは権利を主張するだけじゃなく、義務もあるという言葉に納得。
    病院は自分が体調が悪い時に行くから、どうにかしてくれ!っという他力本願な気持ちが強い。インフルエンザとかすぐに治る病気ならいいが、長期闘病が必要な病気ならそうはいかない。糖尿病は薬でコントロールされてるからと思いがちだが、自分のライフスタイルを変えて悪化を防がなければならない。それを患者自身が理解し実施しなければ、意味がないのだと改めて思った。

    どのように医師や病気と向き合えばいいのかを教えてくれる本だと思います。
    でも日本の5分診療でどこまで有効なのかはわかりません。

  • 医療者を志す学生さん、家族ががんと診断された方にぜひ勧めたい本です。自身がサバイバー(がん患者)でもある上野医師のメッセージが濃く凝縮されています。がん医療を志す学生さんは、いずれ上野先生のことを知ることになると思います。ブログやtwitterでも活躍されていますので、そちらもご覧ください。
    チーム医療を根付かせることにも尽力されてこられた上野先生ですが、学生の皆さんにもチーム医療の現状に興味を持っていただきたいと思います。

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  • 患者側もよりよい医療を受けるために受身ではいけない。

  • たまたま、ネットでオススメの本として紹介されていたのでそのまま購入。
    筆者はMDアンダーソンがんセンター准教授です。実際にガン治療日々を行っている医師の立場から患者が最高の治療を受ける為のあるべき姿を教えてくれます。
    いつか誰もがは病にかかるのですが、家族や自分がそうなった時に助けになる本だと思います。
    一家に一冊あるべき本。これはかなりオススメ。

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著者プロフィール

自然科学研究機構基礎生物学研究所教授(発生生物学)

「2011年 『【対話】異形 生命の教養学Ⅶ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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