「耳の不調」が脳までダメにする (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062726085

作品紹介・あらすじ

難聴や耳鳴りは体の不調を訴える警告信号
「年をとれば、誰でも耳が遠くなる」は大きな誤解。難聴は動脈硬化や騒音が原因だった。うつや認知症にもなりかねない「耳のトラブル」を防ぐ方法を教えます。

感想・レビュー・書評

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  •  難聴や耳鳴りを放置すると人の話が聞こえづらくなっていくし、聞こえる音が曖昧になるので、たとえば「佐藤さん」を「加藤さん」と聞き間違えるようになる。
     会話の途中で何度も聞き返しをしていると双方にとってストレスとなるので、だんだん人と話すのが億劫になり精神的に引きこもり状態になる。
     似た発音の語を適当に処理する癖が付くと、恐ろしいことに、正しい言葉の記憶まで変容させてしまい、学習障害を引き起こしかねない。
     また、耳から入った音は普通、視床→一時聴覚野→扁桃体というルートを通るのだが、言語的に処理できない音は視床からいきなり扁桃体に到達する。扁桃体は感情を司る部位なので、このルートで届いた音は単に快・不快の符号だけで処理されてしまう。
     45dbの音が聞こえにくくなったら早めに補聴器を使うようにするべきだ。
     動脈硬化に起因する難聴はウォーキングなどの適切な運動で改善することもあるが、いずれにせよ活性酸素を発生させ酸化ストレスを高める煙草や、神経麻痺を引き起こすアルコールは耳の負担を増加させる。
     1/fゆらぎの音を聴くことで改善させる研究も進んでいるらしく、著者は「耳サプリメント」というCDを出している。

     本書には音のことだけ書かれているが、目についても同様に、曖昧処理を続けていると全てにいい加減になってくるようだ。読み違えが増えだしたのは、老眼が進み出した頃からだった。
     

  • 今年30歳、3年前から軟調気味で生活に支障が出て悩んでいた。これまで考えていた事とこれから考えなければいけないことが書いてあった。難聴のメカニズムから著者の推測含めてとても勉強になった。自分の難聴の原因と考えていた長時間の耳栓もこの本を読んで間違いないように思われた。この本に書いてある解決法を実行中。

    最近読んでいた脳科学、認知機能の本との相乗効果もあった。

  • 自分も聴力が落ちて去年の冬に両耳補聴器を付けるようになったから、この本に書かれていることは大いに参考になったし、自分でも「そういうことあるある!」って実感することがたくさん書かれていた。補聴器装用を躊躇しているような方にぜひ読んでいただきたい。

  • 40年近く知らずに一側性難聴だったのだが、社会に出るようになってからうつ病になってしまっていた。
    頭も悪いなと思っていた。
    今までかなりの努力をしてうつ病と頭の悪さを治してきた。
    しかし難聴改善手術をして聴力が普通になると、
    身体の調子が良く、心が本当に軽くなった。
    相手の言うことがわかり、自分から意思表示もできるので、楽になった。

    なかなか難聴と精神の関係を書いた本がないので、
    ひとりよがりかと思っていたのだが、
    耳の不調と脳の関係をはっきりと書いたこの本に出会い、スッキリした。

    聴こえないことで扁桃体に影響があるという。

    聴こえないそのものよりも、難聴対策をしないことによる脳への影響がまずいらしい。

    体のしくみを親切に書いているので、
    読みやすいと思う。

  • 難聴や耳鳴りは「体の不調を教えてくれる警告信号」だった! うつや認知症にも発展しかねない「聞こえのトラブル」が起こるしくみと対策を教えます。

  • 糖尿病が難聴に関係しているとは知らなかった。難聴者は血管や血液にトラブルが起きているそうだ。
    耳トレとほぼ同じ内容。耳トレのほうが文章にユーモアあがって断然におもしろいと思う。

  • 耳と精神の関係が書かれている点が興味深かった。
    感覚入力の不足が精神を落ち込ませたりするという点が特に。

  • 耳鳴りの原因が、高血圧などの耳以外の部分であることに衝撃を受けた。
    自分も耳鳴りを感じた時期は、非常にストレスフルで、体重もうなぎ上りの状態だったと思う。まさに、納得である。
    親父も高血圧で、耳鳴りが治らないといっているし。

    まずはダイエット。高血圧も高脂血症もきちんと治療しよう。貴重なご指摘ありがとうございます。本当に感謝、感謝です。

  • 10/06/12-89

  • 書店で見つけて図書館にリクエストしたら購入してくれました。
    11/21読書中です。

    私はストマイ・ツンボです。
    1000Hzの聴力は基準値より10dB良い
    4000Hzでは基準より40dB悪いのです。
    言い換えると基準より100倍わるいのです。

    このことが理由で私は、聴力に関心があります。
    私は4000Hzにおいては高度難聴者ですが
    日常生活には支障がありません。

    この本を読んで、若い時の結核の治療は
    聴力と引き換えに健康を得たという事を
    70歳ちかくになって、認識しました。


    この本には下記の項目が数値的に示されていたので
    ここにメモします。

    耳の鼓膜の振動は僅か数十ナノメートル。
    鼓膜は直径10mm、厚みは0.1mm
    鼓膜の振動はテコの原理で27dB増幅される。
    人が会話に使う周波数は250〜6000Hz
    日本語の場合は1500Hzにウエイトがある。
    英語は2500〜3500Hzにウエイトがある。

    正常な人の耳は25dB以下まで聴こえる
    軽度難聴は   26〜40dB
    軽中度難聴は  41〜55dB
    中高度難聴   56〜70dB
    高度難聴    71〜90dB
    重度難聴    91dB

    人の発せられる声は
       250〜8000Hz、30〜60dB。

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著者プロフィール

1960年、岐阜県生まれ。順天堂大学医学部卒。医学博士。米イリノイ大学シカゴ校電子工学部、脳機能研究所などで研究、聴覚神経生理学の領域の医学博士を授与される。現在、国際医療福祉大学病院耳鼻咽喉科教授。

「2015年 『耳がよく聞こえる!ようになる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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