50枚で完全入門 マイルス・デイヴィス (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062726757

作品紹介・あらすじ

ビバップからヒップホップまで
ジャズを超えた「謎めいた巨人」の壮大な物語
膨大な作品群から必聴盤をズバリ厳選! 初心者にも分かるジャズの歴史と醍醐味!

マイルスはその生涯で複数のサウンドトラックを手がけたが、『死刑台のエレベーター』は最初の作品にあたる。またこのサウンドトラックは「マイルスがフィルムを観ながら即興で演奏した」という伝説とともに語られることが多いが、実際は周到な準備のもと、練り上げられた。(中略)おそらく苦労したのだろう、マイルスは録音終了後、「もう2度とこんな仕事はしたくない」と言ったという。また、『死刑台のエレベーター』におけるマイルス自身の演奏は、トランペッターとしての表現力を知る上でも貴重な示唆を与えているように思う。つまり映画のストーリーや場面に合わせて、最もふさわしいサウンドで彩るという、いわゆるジャズトランペッター以上の才能が要求される難題に見事に応えている。

●チャーリー・パーカーへの反逆
●理想のパリ、現実のアメリカ
●優雅なジャンキー
●驚くべき記憶力
●天から降ってきたメロディー
●卵の殻の上を歩く男
●血まみれのトランペッター
●ジャズを超えた男
●どこにも分類できない音楽
●生涯最後の挑戦

感想・レビュー・書評

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  • 読んでおいて損はない

  • ジャズ・ミュージシャンのバイオを読む、っていうときに、案外文庫で気楽に、ってものはないもので、ジャズ界の巨人を描くプレッシャーがそうさせているのかもしれませんが、本書は書きたかったであろうアルバムの細かな描写を捨て、平易さを目指していることがよくうかかがえます。大きく3つの時代区分をつくることで(特に復活後の描写)はとてもわかりやすい。それを感じた上での物足りなさを申し上げるならば、他ジャンルのミュージシャンがメンバーに入ったときの、音楽的な変化を、主観でもいいので触れてほしいな、と思う箇所がいくつかありましたね。

  • 2013年3月2日読了。中山康樹による、マイルス・デイヴィスを知るための50枚のセレクション。マイルス自身の名義ではなく他の人のリーダー作に参加して吹いたり、近年になりボックスセットや「コンプリート・セッションズ」なども多く発売されているため、ただでさえスタジオ盤・ライブ盤とアルバム数の多いジャズミュージシャンからベストを選ぼうとするとこれくらいの数は必要なのか。ビバップ時代からファンクを経てヒップホップへの接近まで、マイルスは劇的に変化していったようにも見えるが、もともとのマイルスの目指していたこと・ビジョン、関わった人々と音楽、肉体的条件(持病やドラッグ禍など)を考えるとある意味必然的な道のりだったのだな、誰でもができることではないが・・・。

  • マイルスの生涯と、リリースされた作品を時系列で辿る事で、実質jazzのメインストリームを学ぶ事が出来る。 ガイドブック以上の充実さ。

    繊細な演奏から、『卵の殻の上を歩く男』の異名を取ったと言う。
    …なるほど、例えて妙な表現だ。

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著者プロフィール

1952年大阪生まれ。『スイングジャーナル』編集長を経て音楽評論家。ロックにも造詣が深くビートルズ系の本の中でも『ビートルズを笑え!』は辛口でありながら面白く書かれている。オノ・ヨーコに批判的で日本語が読めるオノに対して批判する評論家としては希有な存在。主な著書に『マイルスを聴け』(双葉社)『エヴァンスを聴け』(ロコモーションパブリッシング)『超ブルーノート入門』(集英社)『Jazz名曲入門』『Jazz名盤入門』(宝島社)『ジャズを聴くバカ、聴かぬバカ』(KKベストセラ-ズ)『スイングジャ-ナル青春録』(径書房)『ビートルズ アメリカ盤のすべて』(集英社)『ビートルズ全曲制覇』(エイ出版)『ビートルズを笑え!』(廣済堂)『ディランを聴け』(講談社)『音楽中心生活』(径書房)『超ビートルズ入門』(音楽之友社)『クワタを聴け!』(集英社新書)『ジャズ・ヒップホップ・マイルス』(NTT出版)等がある。

「2012年 『かんちがい音楽評論[JAZZ編]』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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