「キャリアアップ」のバカヤロー 自己啓発と転職の“罠”にはまらないために (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727112

感想・レビュー・書評

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  • 「キャリアアップ」という言葉に踊らされがちな若者に向けて、
    書かれた本。著者の言いたいことは、
    「まず目の前の仕事に全力で取り組みなさい!」ということか。

    当たり前のことが当たり前のように書かれていて、
    なかなかハッとすることがなかったけれど、
    結構こういう当たり前のことが大事だなと感じる今日この頃です。

    確かに意味なく資格取得に走る人や
    資格を持っていても全然活かせてない人は
    周りにたくさんいるように思える。
    (そういう自分も電工を会社に言われて取ったけれど、
    ほとんど身になっていないなぁ。。反省。)
    そんな意味で、自分を振り返ったり、
    自分がどんなことに時間を投資していくのかを考え直す
    よいきっかけになる本だと思います。

    当たり前のルール・原則を書いているだけでなく、
    自分の経験(失敗含む)に基づいて書いているところに
    好感を持ちました。
    著者に限らず、みんな試行錯誤や失敗の連続なのです。

  • 著書の要旨は「はじめに」と「おわりに」に結ばれていることで、『まずはキャリアアップという幻想を捨てることから始めよう。キャリアにはアップもダウンもない』ってこと。浅い見方だけで言ってしまえばホントにそれだけ。

    前半章では、「転職を繰り返すほど年収は下がる」(リクルートエージェンシーの紹介傾向調査)といった転職やキャリアップにまつわる幻想を取り払う項目に字数が割かれ、人材育成や企業論理に是正を求められる問題点があげつらわれているが、無論、社会批判が目的ではない。

    全般的には、自己啓発が無意味でだったり、むしろ害悪であったり、セルフブランディングや自分磨きの痛い人たちの例が多々引用される。「ツイッターは馬鹿の可視化」とか。読み方によってはけっこうカチンと来たり、ツッコミを入れたくなる部分もあるんだけど、これは人材コンサルとしての視点の内から発する所見であって、キャリア育成の現場におけるリアルな観察事象であることは間違いないわけで、批判しにくいところです。趣旨には反するんだろうけども、いちおう転職するにあたって知っとかないと致命的というか半死にしてしまうテクニックなんかも言及されてます。そこへんはさすがに人事のプロだけあって目から鱗が2、3枚は落ちます。

    終章に「20代のときに私が知りたかった12のルール」なる結びがある。1.広い視野を持て、2.謙虚であれ・・・やらのありきたりな顛末で、普通であればツマンネーで終わってしまう類なんだろうけども、序章でひねり出された展開から一貫性を持って読み込むと、とっても心に突き刺さる読了感になるからまぁ不思議。「明日も頑張って仕事しよっと」って日記に書きたくなりました。

    スキルアップして社会に貢献したいとか、ここではないどこかに野心を持っているとか、何か試みたい思っている人がいたら、読んで絶対に損はないです。文体が粗雑だったり軽快過ぎたりするんだけれども、著者自身の転職変遷にみる経験談というか身の上話から紡ぎ出される警句なんかは、むしろ誠実な書き手の印象をもつに至ると思われます。

    かしこ

  • リクルート出身の著者の足跡をたどりながら、キャリアってなんだろうと考え直すのに最適な本。意識高い系の人の痛々しさの分析や自分磨き、探しの人の考察など、なかなか読みどころの多い本だった。

  • ビジネス

  • 勉強会等の参加や読書等、自己啓発を行っている者として、その警鐘めいたタイトルにドキッとし、何か気づきが得られるかもしれないと思ってみて読んでみて読んだが、結果的に読書の目的は外した。

    本書は、20代の自己啓発に勤しみ仕事では成果の出せない“痛い人”への警鐘の本。私がラッキーなのかもしれないが、本書で述べている“痛い人”は、私のまわりにはほとんど見受けられない。いや、そういう人がいるのかもしれないが、私が眼中にないのかもしれない。

    読書に関する指摘はそのとおりで、たとえば、メジャーな自己啓発本である勝間本は、ばっさり斬っている。ほかに日経ビジネスAssocie、The21などの雑誌も斬っている。しかし、残念な本というのは、ある程度、読書をこなしていないと、見抜けない。

    また、本書は、勉強会、異業種交流会をどちらかというと否定的に捉えている。しかし、私が知る限り、勉強会に来る人でそんなに“痛い人”はいなく、勉強会に対し、かなり偏見的な見方をしているように感じる。よほどひどい勉強会・交流会ばかり参加していたのではないか?

    著者は、肩書きに拘るなと言う。そんな著者の肩書きは「人材コンサルタント」。申し訳ないが、本書を読んでみて、その肩書きが痛く感じられた。著者は出版業界の“粗製濫造”を指摘するが、本書もまた、“粗製濫造”の結果でしかなかった。

  • 著者の転職偏流の章がおもしろかった。自分の目の前にある仕事をやること、ご飯の食べられる仕事をしながら興味のある分野に触れておくこと、自己啓発や資格は読んだきり取ったきりでは意味がない(どう活かすのか)の視点が必要だってことだ。アウトプットしながら揉まれることだ。

  • 意識高い系、リクルート本の原型が、この本にはある。

  • 20代で、これからどう人生を送るかという状況の人を応援する内容

    筆者の仕事や転職体験、それに付随する意識が綴られているので、
    なかなか面白かった

    恋や会社はときに裏切るが、
    愛と仕事は裏切らないは名言

  • 「恋と会社は裏切るが、愛と仕事は裏切らない」そうです。

  • 自己啓発と転職の罠にはまらないためには?

    →頭がいいことと仕事ができることは違うということを認識すべき
    仕事につながる自分磨きである必要がある
    本を読んで、どうすれば自分の生き方、働き方に役立つかと考え、実行する癖を持たなければ意味がない
    自己満足ではなく、常に顧客に役に立つかの視点が必要

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著者プロフィール

千葉商科大学准教授

「2021年 『POSSE vol.49』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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