「核の今」がわかる本 (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727228

作品紹介・あらすじ

「核なき世界の平和と安全」に立ちはだかる「障壁」を20か国取材のルポ&写真で綴る。

感想・レビュー・書評

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  • 今知りたい核の話ではなかったけど、世界の核の様子は分かった気になりました。

  • 空論とかではなく、核の現状がわかる本。
    緻密な取材であるが、逆に難解な内容。
    特に最後の章は国際問題に疎い私には読むのがつらかった。
    新聞の連載のように1日1話とかなら読みやすいかも。

  • 原子力の明日への重い問いかけ《赤松正雄の読書録ブログ》

     共同通信核取材班が二年前に取材を開始し、地方新聞紙上で掲載されてきた連載企画「核なき世界―人類の岐路」が本になった。太田昌克『「核の今」がわかる本』がそれである。太田昌克氏は日本有数の核ジャーナリスト。この本でも、世界中を飛び豊富なインタビューでぐいぐいと問題の核心に迫っている。

     核燃料製造のためにウラン濃縮技術を確立した日本。核兵器そのものを持たないでいて、世界で有数の原子力先進国だ。その濃縮技術はいつでも核兵器製造を可能にする。その意味で潜在的核兵器保有国であり、持たざる今から持てる明日への転換は可能だ。意思とは別に常に岐路に立つ国でもある。

     この著作は、核の軍事利用的側面の今を、わかりやすく説き明かしており、その面での情報は豊富に手にすることができる。しかし、それへの転化をも可能にする平和利用の側面には立ち至っていない。福島原発の大事故が起こってしまった今、原子力の平和利用という風景が全く違ってみえてくる。それだけに物足りなさは否めない。

     原子力ルネッサンスの片棒を日本が担ぐ体制に入っていたのに、今回の事故で離陸寸前にストップがかかりそうな状況が生まれた。原子力で富を増殖してきた技術先進国日本が、遅れてきたる原子力平和利用国家に対し、危ないからよした方がいいと「反原発」をよびかけることに、いささかのためらいが残るという。逡巡ぶりがうかがえる「おわりに」は、ジャーナリストの良心を存分にうかがわせて感動させずにはおかない。その彼の発言には大いなる誠実さを感じる。近い将来にそのあたりを掘り下げた新たな連載を待望したい。

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著者プロフィール

太田 昌克(共同通信編集委員、RECNA客員教授)

「2018年 『核の脅威にどう対処すべきか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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