人の性格はDNAで決まっている (講談社+α新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062727921

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  • ■遺伝性の強い4つの性格(クロニンジャー)
    ①新規性探求(好奇心に基づいて探求する)
    ②損害回避(危険を避けようとする)
    ③報酬依存(社会や周囲に適合しようとする)
    ④持続性(熱心に続け固執しようとする)
    ・①はドーパミン、②はセロトニン、③はノルアドレナリンなどの脳内物質が大きな役割を果たしている
    ■ドーパミンは「心のアクセル」。ドーパミンが放出されると新しいことや珍しいことに興味を持って突き進んでいく。このドーパミンが放出されたとき、次に結び付くのがドーパミン受容体で、その受容体にいくつかのDNAタイプがありそれらが性格に関係している。
     ドーパミン第4受容体関連遺伝子の中にあるアミノ酸配列の繰返し回数が人によって異なっていて、2回の人もいれば8回の繰返しを持つ人もいる。この繰返し回数が人によって異なっていて回数が多い人ほど新規性探求傾向が強い。
    ■セロトニンは放出されて情報を伝えたあともう一度取り込まれてリサイクルされるが、セロトニンの取り込みの働きをするのが「セロトニン・トランスポーター」でセロトニン・トランスポータ-の遺伝子には長い「L遺伝子と短い「S遺伝子」がある。「L遺伝子」を持つ人の方がセロトニン産出量が多く、「S遺伝子」を持つ人はストレス状況下では不安になったり悩んだりする神経質な傾向が強い。
    ■日本人でドーパミン第4受容体の7回繰返しを持っている人はほとんどおらず。4回繰り返しが圧倒的に多い。
     セロトニン・トランスポーター遺伝子については、「L遺伝子」だけを持つ人は1.7%と少なく、「L遺伝子」と「S遺伝子」を持つ人が約30%、「S遺伝子」だけを持つ人が70%近くいる。
     アメリカ人では「S遺伝子」だけを持つ人が2割もいないのに対し、「L遺伝子」だけを持つ人は3割以上もいる。この事実こそが日本人の慎ましい性格や心のブレーキが強く働く性格を表していると考えられ、アメリカ人の開拓精神であったりアングロサクソンの攻撃的性格などとは対照的。

  • 人間の性格を決めるのは、脳内伝達物質であり、それに関連するDNAを調べれば、科学的に性格が診断できる。
    性格診断と言えば、血液型による性格診断がもてはやされているが、血液型性格診断を信じているのは日本人くらいのものであり、その他大勢の外国人は、このようなDNA性格診断の活用が進み、カウンセリングや職業適性、進路選択などのアドバイスも、科学的な分析をベースに行われるようになってきている。
    具体的には、人間のやる気に関係するドーパミン、不安傾向に関係するセロトニンを分析し、性格を診断する。ドーパミン受容体のタイプとセロトニン・トランスポーターのタイプによって
    ①楽観・新奇性型:ドーパミン繰り返し2回、セロトニンL遺伝子とS遺伝子
    ②慎重・新奇性型:ドーパミン繰り返し4回、セロトニンS遺伝子とS遺伝子
    ③楽観・じみち型:ドーパミン繰り返し2回、セロトニンL遺伝子とS遺伝子
    ④慎重・じみち型:ドーパミン繰り返し4回、セロトニンS遺伝子とS遺伝子
    に分けることができる。
    また、感情や気分と関係するノルアドレナリンの量によって、これらをさらに2つに分けることができ、これらのタイプの裏タイプとでも呼べるような性格に分類することができる。

著者プロフィール

中原 英臣(なかはら ひでおみ)
医学博士。西武学園医学技術専門学校東京校校長。
専門はウイルス学、遺伝学。雑誌評論の他、
『感染症パニック』など著書多数。

「2022年 『若者がセックスしない国、少子化日本の大罪』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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