こんなに弱い中国人民解放軍 (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062728881

作品紹介・あらすじ

中国人民解放軍の本当の実力とは!?
 巨大化したかに見える中国の軍事力は、実は貧弱……米軍の「F22」4機で中国空軍の200機が全滅する!?  かつて倭寇は、たった300人で南京を攻略した!? なぜいつも、こんなに中国兵は弱いのか?
 自衛隊での実地体験と、膨大な古今東西の文献から研究した、まったく新しい角度で斬る中国の軍事力……旧ソ連の部品がベースになっているので、ボロ屋の屋上に屋を重ねた「おもちゃの虎」だった!

感想・レビュー・書評

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  • なんやこれ

  • 自信を持ちました。

  • 歴史上の合戦が好きな私には、現代の戦争を遂行する上での「兵器ネタ」にも興味があります。

    以前別の本で、専守防衛の自衛隊の戦車・護衛艦の実力が、意外に優れていると知った時には驚きでした。この本は、元自衛官である兵頭氏が、現在の中国人民解放軍について書かれています。

    最新鋭の戦闘機が、F22の4機(一小隊)で殲滅可能と書かれています、あたかも、零戦がデビューしたときのような感じです。

    本を読んで理解できたことは中国軍(人民解放軍)と比較して、1)航空機(戦闘爆撃等)整備能力が優れていて寿命が長く、そのため訓練時間に当てられる、2)将校等による燃料、燃料予算費の横領がない、3)早期警戒機(AWACS)の性能が優れる、のために戦う前から勝負がついている、というのが私の理解でした。

    以下は気になったポイントです。

    ・漢字圏では、どのような「字」を選ぶかによって、たちまち「価値の上下の序列」ができる。中共(中国共産党)を、中国と書くようなアジア人は、最初から中共の間接侵略に負けている(p5)

    ・支那という漢字の表記を選んだのは、シナ人であり、両方とも「悪字」ではない。(p11)

    ・日本陸軍ではエリート将校は、部隊長になることを好まず、幕僚としてキャリアを積みたがる。組織中枢での出世が早く、天下国家を動かせるから。中国では部隊長になって、役得をピンハネしたがる(p14)

    ・米空軍では、F-22をもって「第五世代」戦闘機と呼ぶ、ステルス、アフターバーナーなしの超音速巡航、超長射程の空対空戦闘能力、ドッグファイト時の機動性、の4要件を満たしている(p27)

    ・AWACSは、レーダーサイトと空戦指揮所をひとまとめにして空中に持ち上げたようなシステム、これを持っている空軍と持っていない空軍では、勝負にならない(p32)

    ・現在、自前の技術で大型のAWACSや、中~小型の早期警戒機を製造しているのは5か国のみ、米国、ロシア、イスラエル、スウェーデン、中国である、NATO諸国および日本、サウジアラビアは、米軍機と共同作戦する
    ので米国製を利用している(p36)

    ・AWACS一機の購入価格は、世界最高額の戦闘機F35の、4ー5機分に相当する(p40)

    ・AWACSが仕上がっても、味方の戦術航空機との間で「データリンク」をとることができないと戦いには勝
    てない(p41)

    ・プーチン大統領は、2013年から、完全手動式タイプライターで部内文書を作成するように指導している、電子的な諜報の世界は厳しいので(p43)

    ・中国のパイロットの訓練時間がおしなべて短いのは、エンジンの故障率の高さと寿命の短さ、機体数が多すぎて燃料予算がつけられない、上司たちが燃料やその予算をピンハネ、海上・海岸上空で訓練できるスペースがない、航空基地の管制局から直接指示されないとどこに飛べばよいかわからない(p50)

    ・中国の領空は1990年代から徐々に民航機に解放されてきたが、いまでも66%は軍専用の空域(p51)

    ・世界で単一の法人組織として、一年間に最も石油を消費しているのは、米空軍、海軍でも陸軍でもない(p55)

    ・米空軍が必要とする「JP-8」という軍用ジェット燃料、米海軍航空隊が必要とする「JP-5」という軍用ジェット燃料は国内生産可能になっている(p56)

    ・中国機のエンジンは暖機運転するだけでどんどん壊れていく、整備能力が世界一高い、日本の航空自衛隊を挑発する政策により、中共海軍は戦力の減耗・自滅を加速させている(p61)

    ・中共海軍は、失踪したマレーシア航空機を捜索するのに、対潜哨戒機を現場海域に投入できなかった(p85)

    ・対潜作戦能力と、掃海能力の2つが欠けているので、中東産の石油も、豪州産の石炭も、シナの港には入らないだろう(p95)

    ・戦前の日本では、陸軍の外から彼らのわがまま勝手をチェックする暴力装置を確保していなかったので、戦前はしかたなく海軍を対抗馬として厚遇する必要があった(p122)

    ・中共軍の最新型を謳う国産戦車は、T72ベースであり総合性能で西側戦車に対抗できない。しかしこの戦車は「対人民用」なので問題ない(p181)

    2015年11月22日作成

  • 投入している金額ほどには戦力は向上しておらず、玄人筋では百戦百敗の読みなのだそうだ。

  • いつ暴走してもおかしくない隣国の中国人民解放軍=中共軍だが、恐れるに足りない理由が書かれている。
    中共軍は弱いので日本は逃げずに何でも来いという姿勢が必要だと述べている。

  • 面白くなかったかといえば面白かったのだが、なんだろう、全くデータの裏付けとかないし、軍事オタクさんの思い込みだと言われればそれにしか見えない。
    もちろん、共有認識のある方々にはあああのことかと判るのだろうが、そういう人たちにはこの本は必要ないし。
    時間経つと何がどう変わっていくのか見えてこない。この先の10年単位のスパンだとどうなってくるのかな。

  • 中国軍がそんなに弱いかな?
    通常兵器の戦いではベトナムと一勝一敗って本当かな?

    日本の自衛隊の兵器、装備の方がはるかに優秀で、中国軍は張り子の虎って感じの論調なのでまあ、読んでいて心地よいってのはあるかな。

  •  巨大化したかに見える中国の軍事力は、実は貧弱……米軍の「F22」4機で中国空軍の200機が全滅する!?  かつて倭寇は、たった300人で南京を攻略した!? なぜいつも、こんなに中国兵は弱いのか? 自衛隊での実地体験と、膨大な古今東西の文献から研究した、まったく新しい角度で斬る中国の軍事力……旧ソ連の部品がベースになっているので、ボロ屋の屋上に屋を重ねた「おもちゃの虎」だった!

  • タイトルは良くない。本書の主旨は「人民解放軍は装備はチャチだが、口ゲンカはうまい。現指導者は軍人をコントロールできていないから、暴発には要注意」か。

    著者は元自衛官の軍事評論家。人民解放軍(陸軍、空軍、海軍、ミサイル部隊)の装備・機器・兵站補給体制が、米国・日本の装備と比較すると格段に劣るということを列挙しつつ、中国にとっては「宣伝」が戦いの一部であり、日本の外務省や一部のマスコミは中国共産党の宣伝戦に騙されていると指摘する。

    1960年代・1970年代の毛沢東がとった対ソ・対米政治を軍事面から俯瞰している分析は大変わかりやすい。レーダー設備と軍事衛星の運用で完全に米ソの後塵を配した中国共産党体制を存続されたことが、現在の中国共産党において毛沢東が神格化される所以であるとし、鄧小平については「小規模な戦争」である1979年の対ベトナム紛争を上手に遂行したことで人民解放軍を掌握したとしている。一方で、胡錦濤が人民解放軍のコントロールが全くできていなかったことを示す事例をいくつもあげる。習近平についても軍の掌握がまったくできていないという点においては胡錦濤同様で、人民解放軍が暴走する可能性について言及している。

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著者プロフィール

昭和35年、長野市生まれ。陸上自衛隊に2年勤務したのち、神奈川大学英語英文科卒、東京工業大学博士前期課程(社会工学専攻)修了を経て、作家・評論家に。既著に『米中「AI大戦」』(並木書房)、『アメリカ大統領戦記』(2冊、草思社)、『「日本陸海軍」失敗の本質』『新訳 孫子』(PHP文庫)、『封鎖戦――中国を機雷で隔離せよ!』『尖閣諸島を自衛隊はどう防衛するか』『亡びゆく中国の最期の悪あがきから日本をどう守るか』(徳間書店)などがある。北海道函館市に居住。

「2022年 『ウクライナの戦訓 台湾有事なら全滅するしかない中国人民解放軍』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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