ローマ法王に米を食べさせた男 過疎の村を救ったスーパー公務員は何をしたか? (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 84
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062729000

作品紹介・あらすじ

7月スタート! TBS系 日曜よる9時
日曜劇場 「ナポレオンの村」
出演:唐沢寿明 麻生久美子 山本耕史 ムロツヨシ イッセー尾形 沢村一樹

TVドラマ原案本、大幅加筆で新章追加、待望の新書化!

石川県羽咋市の市役所職員・高野誠鮮氏は2005年、過疎高齢化で「限界集落」に陥った農村を含む神子原(みこはら)地区の再生プロジェクトに取り組み、それが大成功を収めるまでの紆余曲折とアイデア満載、感動的実行力のプロセスを克明に記す。
 高野氏は数々のユニークなアイデアを次々と繰り出し、そのアイデアを驚くべき行動力で実行していく。その結果、多くの若者を誘致し、農家の高収入化を達成! 
 また、高野氏は神子原地区で収穫される農産物をブランド化するために、高野氏はとてつもないことを思いつく。それは「ローマ法王に米を食べてもらう」という突拍子もないアイデア!ローマ法王庁から快諾の返事が来て、高野氏は自ら乗り込んで神子原米を献上し、それを全国紙が取り上げた――。そして、役所には注文の電話が鳴りっぱなし……!
非常識と一般では思われてしまうかも知れないことを恐れることなくアイデアを自由に発想し、そして、それを躊躇なく、しかし確実に実行する、高野氏の仕事の流儀に大いに学ぶための、多くのヒントがちりばめられている一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 「ビジネス書」と「自己啓発本」の二つの目的を満足させる本。地方創生に情熱を燃やす公務員。この方の経歴が面白い。TVの構成作家であり、実家がお寺で日蓮宗の修行経験も持つ。宇宙大好き、英語ペラペラ。こうした持てる力を尽くして、石川県羽咋市神子原地区限界集落の再興に取り組む。「はくい」「みこはら」と読むらしいが、浅学恥ずかしながら読めず。そんなレベルから読み始める。

    プロジェクトの成功には、マーケティング戦略や広告戦略、組織論的アプローチなど、定石や様々な戦略論があるが、最も大事なのは、「アクションを起こす事」だと改めて思い知る。失うものが無いなら、動けば動く程、失敗しても何かを得る。そこに経験や知恵、戦略眼があるなら尚、成功確率が上がる。著者はとにかく、面白そうなアイデアを実行し、そのために周囲を説得しまくる。

    烏帽子親農家制度。村に若者を呼び込むべく、我が子のように共に暮らす大学生を募集。民泊の応用だが、女子大生が集まり、本当の親子のような関係を築く。農協を通さぬ直販。米のブランド化、神子原米。まれびと(客人)というワイン酵母も用いた超高級日本酒、これは飲んでみたい。などなど。その取り組みの一つとして、タイトルにもなっているローマ法王への神子原米の献上がある。著者が直接レターを出したのだ。尚、ローマ法王に至るまで、不発で終わるが天皇にもトライしている。こうした権威を商業主義に利用するのは頂けないが、行動力は素晴らしい。

    読んでいて、力が与えられる。人の仕事は、アクションを取る事で本質的意義をもつのだと。ルーチンは作業。変化には、ルーチンの逸脱が必要であり、著者の「今までの決裁手順で進めても人口減のこの有様は失敗であり、今までのやり方ではなく、決裁は取らない」という考えには、共感する。当然、全てが当てはまるものではないが。

  • 著者はただの公務員でなはない。僧侶で公務員なのだから面白い。常識の枠にとらわれず、桁違いの行動力で道を切り開いていく様子は、読んでいて爽快である。著者の高野氏は、普通の人間が陥る凝り固まった考えから解き放たれており、柔軟な発想で思いつくままガンガン行動してゆく。公務員という肩書きに対する執着がなく、少し離れたところから状況を冷静に眺めているように感じるのは、僧侶として修行を積んでいるからなのだろうと予想する。本書の中で、「奇跡のりんご」で有名な木村秋則氏が出てきた時は驚いた。

  • これまで無意識に「実現できない」と決めてたことが、「実はできる(かもしれない)」と思えるようになりました。

  • お坊さん兼公務員の人の話。
    会議のための会議と、堂々巡りな自分の仕事が
    なんだかとても恥ずかしくなった。

    この人すごいすごいとのめり込んで読んだ。
    普通は途中で心折れそうだけれども。

    背中を押されたいときに超おすすめの一冊。

  • 右手と左手は絶対に喧嘩しないし、怪我をしたら皆で庇い合う。
    米が主体かと思いきや、読後はりんごやトマトを食べたくなった。

  • 20151001


    ドラマ『ナポレオンの村』がメチャメチャ面白かったので、原案本と知り読んでみた。

    当然ドラマとはかなり違う内容だったが、あくまでもこちらが本物という感じ。

    とにかくスーパー公務員の著書は、発想力、行動力がとんでもない。

    そして、可能性を信じる力もとんでもない。

    次々に新しい発想を行動力で実現させ、ローマ法王や、世界の要人までも巻き込む手法は、民間でもなかなか出来ない。

    日本の総理大臣をはじめとする役人は、いったい誰の為に、どんな立場で仕事をしているのか、役人は、人の役に立つから役人なのだ。

    日本中の役人が著書の高野さんと同じ志で仕事に臨んだら、きっと日本はもっと明るく、元気で、優しい国になるはずだと強く、強く感じた。

    日本中の公務員にこの本を読む事を義務付けるべし。

    当然会社でも同じ事が言える。

    ・居ても居なくても良い社員
    ・居たら困る社員
    ・居ないと困る社員

    自分自身はどのような存在なのか、社員1人1人が考え、行動するべき。

    会議する時間があるなら、まず行動しよう!

  • TVドラマ「ナポレオンの村」の原作となった実話。

    スーパー公務員として取り上げられている高野さんですが

    ただ真摯に役人として役に立つことをし続けただけ、と感じました。



    前向きに何でもやってみること

    失敗してもそれを活かしていくこと

    視点を常に変えながら、その村のいいところを見つけてそれを活かすこと



    公務員として不自由に感じることをすべてはねのけて

    すぐに思い立ったことを行動に移す。

    同じ公務員として、こういう人がいることが誇りで

    自分たちも当たり前のようにそういうことを目指していかないといけないと

    感じさせられました。

  • 人を動かす方法を、CIA1953年ロバートソン査問会から学んだ。
    石川県庁から呼び出しをくらったとき、自分で行くんじゃなくて新聞記者をいかせた(すごい)
    田の様子は人工衛星写真でわかる。
    NASAに直接出向いて、本物のロケットとかを格安で購入できる。
    ★けっきょく、やってみないと何も始まらないし、1パーセントでも可能性があるならやってみること。

  • 羽咋市のスーパー公務員、高野誠鮮さんの活躍は5〜6年前から聞いていて、限界集落からの脱出のような難問もクリエイティビティを発揮することによって解決できる例として、多くの人に吹聴してきたのですが、恥ずかしながら著書があったことは全くチェックしていませんでした。TBS日曜劇場「ナポレオンの村」の原作になったことによって新書化されて本書と出会うことが出来ました。自分が以前調べた時はそのアイデアとアクションのことだけで「すげー!」となってしまっただけでしたが、なぜ、彼がそういう奇跡を成し遂げることができたのか?そこには彼らしいバックボーンやパーソナリティがあることを知ることができました。ハッキリ言ってUFO好きのトンデモ濃度が結構高いことにビックリ。なにしろ「ロバートソン査問委員会」のレポートとかを持ち出してくるのですから。でも、そのワクワクLOVEが、結果的に神子原地区をワクワクエリアにしていくのですから。自分が面白がることが人を巻き込んでいく、という感動的な実例です。地方創生は決してお題目なのではなく、人の気持ちの中にあることを教えてくれます。「可能性の無視は最大の悪策である」なんてカッコ良すぎ!

  • 7月スタート! TBS系 日曜よる9時
    日曜劇場 「ナポレオンの村」
    出演:唐沢寿明 麻生久美子 山本耕史 ムロツヨシ イッセー尾形 沢村一樹

    TVドラマ原案本、大幅加筆で新章追加、待望の新書化!

    石川県羽咋市の市役所職員・高野誠鮮氏は2005年、過疎高齢化で「限界集落」に陥った農村を含む神子原(みこはら)地区の再生プロジェクトに取り組み、それが大成功を収めるまでの紆余曲折とアイデア満載、感動的実行力のプロセスを克明に記す。
    高野氏は数々のユニークなアイデアを次々と繰り出し、そのアイデアを驚くべき行動力で実行していく。その結果、多くの若者を誘致し、農家の高収入化を達成!
    また、高野氏は神子原地区で収穫される農産物をブランド化するために、高野氏はとてつもないことを思いつく。それは「ローマ法王に米を食べてもらう」という突拍子もないアイデア!ローマ法王庁から快諾の返事が来て、高野氏は自ら乗り込んで神子原米を献上し、それを全国紙が取り上げた――。そして、役所には注文の電話が鳴りっぱなし……!
    非常識と一般では思われてしまうかも知れないことを恐れることなくアイデアを自由に発想し、そして、それを躊躇なく、しかし確実に実行する、高野氏の仕事の流儀に大いに学ぶための、多くのヒントがちりばめられている一冊。

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著者プロフィール

1955年、石川県羽咋市生まれ。科学ジャーナリスト、日蓮宗妙法寺第四十一世住職、立正大学客員教授
テレビの企画構成作家として『11PM』『プレステージ』などを手がけた後、1984年に羽咋市役所臨時職員になり、NASAやロシア宇宙局から本物の帰還カプセル、ロケット等を買い付けて、宇宙科学博物館「コスモアイル羽咋」を造り、話題になる。1990年に正式に職員となり、2005年、農林水産課に勤務していた時に、過疎高齢化が問題となった同市神子原地区を、年間予算わずか60万円で立てなおすプロジェクトに着手。神子原米のブランド化とローマ法王への献上、Iターン若者の誘致、農家経営の直売所「神子の里」の開設による農家の高収入化などで4年後に“限界集落”からの脱却に成功させる。2011年より自然栽培米の実践にも着手。2016年4月から立正大学客員教授、新潟経営大学特別客員教授、妙成寺統括顧問や富山県氷見市で地方創生アドバイザーなどとしても活躍。著書に『ローマ法王に米を食べさせた男』(講談社+α新書)、『頭を下げない仕事術』(宝島社)。

「2016年 『日本農業再生論 「自然栽培」革命で日本は世界一になる!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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