GDP4%の日本農業は自動車産業を超える (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 87
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062729208

作品紹介・あらすじ

2015年11月に発表される「農業センサス」で明らかになる衝撃の事実! 日本の農地は急速な勢いで大規模化され、生産効率も急上昇……輸出産業となる!!
 日本経済団体連合会(経団連)も2015年1月1日、発表した政策提言『「豊かで活力ある日本」の再生』で、農業と食のGDPを合わせて20兆円増やせるとした。これは12兆円の輸送用機械(自動車製造業)よりも大きく、インターネット産業や金融・保険業に肩を並べる規模――日本のGDPは500兆円なので、農業が全体の4%を占める計算になる。
 「コメ農家は儲けてない振りをしているだけですよ」「本気でやっている専業農家はきちんと儲かっている」など、日本中の農業の現場を取材した渾身のレポートは、我々に勇気を与える。日本の農業は基幹産業だ!

感想・レビュー・書評

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  • 大量離農時代を前に大規模な農業の可能性を示唆する一冊でした。

  • 農業従事者は70歳を迎えると一斉にリタイアする。つまり2017年から大規模離農が起こる。
    ●実際に60歳以上の農家とは、会社員や公務員を引退した人たちである。新規就農者は毎年5万から6万人に及ぶが、その半数以上60歳以上、つまり農家の高齢化は会社や役所を引退した人たちが田園回帰していることが主な要因だ。問題なのは、国がこうして趣味的農家の存在も産業政策として取り上げての対象としていることだ。職業である人と趣味でやる人は政策として同列に扱うべきではない。
    ●大量離農はやる気のある農家にチャンスをもたらす。
    ●米の生産量は世界5位から14位に転落した。減反の大罪。①価格維持により、零細の離農を遅らせた。②多収性品種の誕生を阻害③輸出の芽を摘んでしまった④補助金頼みにしてしまった。
    ●交付金は売価の10倍に!
    ●JAが先物市場を嫌う理由。JAの米集荷率はおよそ40%。まだ卸への価格表示では力を持っている。ところがもし先物市場が活発になればそれが指標価格となって、JAが提示する定価の正当性を揺るがすことになる。
    ●米の生産費 10クタールを超えると、コストダウンは頭打ちになるという。1俵あたりの生産費11,000円程度。
    ●優秀な農家に農地を集めるため、農林水産省は、2014年度から「農地中間管理事業」始めている。
    ●企業参入の是非。過去、ユニクロやオムロンは撤退した。成功例はカゴメ、イオン。
    ●ロボット自動化の農業

  • 日本の農業の実態。高齢者の引退により田畑の統合が進み、規模が大きくなる分、合理化と効率化が進む事。そのため会社経営的な運営化に移行する。政策によるロボット化の動きや、国際規格を取らなければいけないという話も。普段からニュースや新聞で触れている話だが、こうやって纏めて読まないと頭に入ってこないから、そういう意味でも、農業の実態について改めて勉強できる一冊。

  • 農業課題の入門書。全容がわかった。

  • 本屋でまとめ買いして、積ん読になっていたが、収穫の秋、読書の秋、楽しく読ませていただいた。

    一言で言うと、日本の農業を悲観していないという事であろう。

    その論点も的確で、的を得ていると思える。

    書かれている内容について、具体的な事例では知っている内容も多くあったが、知らない内容、知らない方も多くいらっしゃり、狭い日本といえど、まだまだ多くの方が各地で活躍なさっていることを改めて知ることが出来た。

    農業というのは経済指標となる数字だけで語るには難しいところがある産業である。

    それは、命をかなり直接支える産業で有り、心を癒やす景観をつくることにも寄与することにもなっている。さらに日本ではあまり考えられていないが、自然環境を維持するためには必要な大きな要素となっている。

    現在、新聞などのメディアからしか農業についての情報を入手なさっていない方にとっては、この本は非常に読みやすく、国内旅行にも誘う一冊となるであろう。

  • 2016/07/11
    移動中

  • 今までダイヤモンドやら東洋経済やらの農業特集を何度も読んできたけど、この業界紙出身記者の慧眼に目からウロコです。

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著者プロフィール

窪田 新之助(くぼた・しんのすけ):農業ジャーナリスト。日本農業新聞記者を経て、フリー。著書に『農協の闇』(講談社現代新書)、『データ農業が日本を救う』(インターナショナル新書)など。

「2023年 『人口減少時代の農業と食』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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