グーグルを驚愕させた日本人の知らないニッポン企業 (講談社+α新書)
- 講談社 (2016年11月18日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062729680
作品紹介・あらすじ
「このビィ・フォアードっていうのは一体、何者なんだ!?」
グーグルの役員会議室では、こんな会話が飛び交ってたという。
なにしろアフリカ各国の人気サイトランキングで、グーグル、ヤフー、ウィキペディア、フェイスブックなどと並んで、なぜか「beforward.jp」が軒並み上位に上がっていた。
彼らが知らなかったのは無理もない。
なにしろ日本人にもまだまだ無名のこの会社。
でもアフリカはじめ、世界の新興国では大人気。
中古車および自動車部品への海外販売をメインに、
自社のネット・サイトに全世界から顧客を呼び込み、
新興国を中心に急速に売上を伸ばすこの会社。
しかも社員173名中、外国人が26ヵ国54人という多国籍ぶり。
サラリーマン時代の800万の借金を返済するため、会社勤めを辞め、
中古車買取業から中古車輸出へ。
失敗を乗り越えて、小さな超グローバル企業に成長した秘密を、
社長が自ら明らかにする。
日本を元気にするビジネス・ストーリー・誕生!
目次
第1章 借金が人生を変えた
第2章 「輸出って儲かるの?」
第3章 なぜアフリカだったのか
第4章 ITでアフリカを変える
第5章 新しいフロンティアへ
感想・レビュー・書評
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宣伝っぽいところもあるが、中々面白い。とにかくやってみようを続けた結果アフリカでの中古車販売を牛耳れるところまで到達した会社、ビィ・フォアードについて。
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-日本の中古車の流通は、3つのビジネスに分かれている。
①車の所有者から買い取る買取業
②買い取った車を業者間で売買するオークション業
③オークションで競り落とした車を売る販売業
新車ディーラーは、新車オーナーから中古車を買い取るので、ディーラーには中古車部という中古車を販売する部隊を必ず持っている。しかし、新車ディーラーは必ずしも自社に車を買い取るわけではなく、また状態が悪い車両や在庫が多い車両は買い取りたくないので、買取業者が存在する。平成に入ってからは個人から直接買い取るガリバーなどの業者が台頭。
-中古車の買取と販売を同じ企業がやらないのは、売る場合は車両の方向性(車種など)を統一したいのに対し、買う場合は全て下取りしなくてはならないため。
-アフリカで好まれる車両は、世界共通で定番のトヨタカローラ。日本とは好みが違く、色がついてる必要がある。アフリカは黒がダントツ、ゴールドも。悪路が多い国はrvが売れる。アフリカの乗合タクシーはハイエースバンなのでこれも人気。ディーゼル車はエンジン構造が簡単なので修理しやすい。燃費もよく悪路でも走れるので人気。
-48時間以内の入金が一つの軸。与信の一つの基準軸。
-白い車が売れるのは日本と韓国だけ。
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中古車輸出のECサイト「ビィ・フォアード」を紹介する本。
中間業者を配してウェブサイトから直接購入出ることで輸送費が高く抑えられるのが画期的で、アフリカで知らない人がいないような会社とのこと。
グローバルに活躍されてる企業なので、海外の話が面白かった。
アフリカは定期便が少なく輸送量が高い、船を確保するには実績が必要だが実績を作るには船が必要、リーマンショックやチャイナショックの影響などなど・・・。
特に外国籍の社員が多く、海外営業が積極的に進むのはなるほどなぁと思った。
たしかにもし自分が海外で働いてたら、「日本企業に売りこんでこようか?」ってなりそう。
チャイナショックでアフリカの景気が悪化するのはアフリカが政治的に中国寄りなのにつながるし、今の中国バブル崩壊の影響でアフリカがこの先危機に立たされるのかな?とか色々考えさせられてよかった。(銅価格はまだ落ちてないが、これから落ちるか?) -
おもしろい 活力が伝わってくる
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タイトルに惹かれて図書館で手にした本。先端ITの話かと思いきや昔ながらのマインドの親父社長一代記。アフリカ人が中古車のネットショッピング?なんでパキスタン人が、活躍?知らない世界の話は、面白い。「中古車は季節性がある。GWや夏休み前。だから商売しやすい」「新車の訪問販売は歓迎されないが、中古車は先方が待っているから基本的に歓迎される」
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こんな会社があったとは…未経験の事は何でもやってみる大事さが伝わってきた
言葉や国の壁紙すら乗り越える山川社長の力は凄すぎる -
Googleを驚愕させた日本企業とは?ということで手に取った。輸出を専門とする中古車業。特にアフリカへの輸出は最大で、アフリカでは、社名がブランドになり、社名のステッカーやロゴ入りのアイテムが人気。日本はまだまだ世界を知らないと思った。
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企業の成功物語が軽快な語り口で書かれていて面白い
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どこかでたまたま見かけて、気になる本リスト入りしてたのをやっと買って読んでみた。
中古車ビジネスという全く知らない界隈の話でしたが、すっと入ってくる文章でサクサク読み進めました。世界を見るとこんなビジネスがあるのか…と驚き。ビジネスとして成立させているこの人の手腕にもびっくり。新たな世界をみた、って感じでした… -
昔ビジネススクールの授業で「経営者自身が企業のコアコンピタンスになりうるか?」と質問したところ、毒舌で有名だった戦略論の教授から「No!」と即座に全否定されたことを思い出す。カリスマ経営者は明らかに模倣されないユニークな能力だけれど、会社から居なくなったらおしまい、という主旨だった。
日本の越境ECをリードする中古車販売のビィ・フォアード社の軌跡が赤裸々に語られる本書。先日著者の山川社長にお会いする機会を得たので、例えばサイト上に掲載する写真の枚数を増やす、というのはやろうと思えば誰にでもすぐできるものなのに、なぜ追随されないのか?と疑問をぶつけてみた。社長は「なぜか分からないけどやらないんですよね。うちはヒマだったからできたんです」と豪快に笑っておられた。
さらに、同社の役員・社員の方々も、社長のビジョンを信じて、もっと言うと「社長ラブ」で「緊張感のある和気藹々」のなかでお仕事をされている様子が感じられた。本を読んだ際にはさすがに誇張でしょ?と思った部分も実話だったんだな、と妙に納得。そういう点でも稀有なドキュメンタリー。
冒頭の質問への答えは全否定のNoではなく、やっぱり出発点として極めて重要な要素なのだ。それを文化としてどう根付かせるかが逆に研究されるべきポイントなのでは、と思いました。