- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784062729710
作品紹介・あらすじ
W杯予選でよく聞く「UAE」は、夢とおカネが湧き出る国だった!
2012年から2015年までアラブ首長国連邦特命全権大使を務めた筆者は、我々の中東のイメージを塗り替える、「日本以上に進んだ社会」を目の当たりにします。
たとえば、ドバイはペルシャ湾岸地域最大の海上輸送ハブ。中東一円へのゲートウェーでもあるUAEは、商圏として中東・アフリカという将来性豊かな広大な後背地を擁しています。欧米のビジネスマンはイスラム世界、アフリカ大陸へのアウトリーチの準備に余念がありません。「中東=物騒」というイメージがあるばかりに、日本人だけがこのチャンスを逃してしまうのは大きな損失です。
大国の実像に目を向け、歴史と未来が一冊で学べる本!
感想・レビュー・書評
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UAEというと、アジアの中でサッカーが強い国とか、世界一のノッポビルである、ブルジュ・ハリファがある国とかソいういうイメージぐらいしか、多くの日本人の中にはないと思うし、距離も離れた国なので、それ以外で興味を持つ機会がないが、こういう本を一冊読んで、そういう縁の遠い国について、把握できて良い。
UAEの大卒者の平均初任給年収は1,000万円という下りがあったが、大富豪の息子などを混ぜての値だと思うので、実際の中央値はいくらぐらいなのかも知りたかった。
あとUAE以外のアラブ世界のことなどにも触れられており、ISの主敵がサウジアラビアだとか、スンナ派とシーア派の対立の原点はアラブとペルシャの対立であるなど、報道では中々わからないことも書かれていてよかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
デパートに対する人のイメージはそれぞれある。物産展、デパ地下のおいしいもの、値段が高いなど。
著者はデパート業界で長く活躍した後、日本経営理念史研究所主催して、百貨店の経営理念史を研究という内部事情を知っている方の本。
百貨店という名前について、1909年を過ぎてから、「実業界」という雑誌の主幹であった桑谷定逸が使い始めたとある。明治20年から30年ごろにかけて、欧米の「デパートメントストア」を視察に訪れた日本人が、「百貨万般を取り扱っている店」すなわち「百貨店」という語呂の良さを選んだからと言われていると書いている。
最初は、三越がイメージを大事にした戦略を取って高貴な方から時の英雄、東郷平八郎まで得意先にして、そして、売れっ子芸者に三越の最新の帯を送って締めさせてアピールしたそうだ。表の派手さもさることながら、客に対する誠心誠意の接客を心掛けて信用を確立したとある。
しかし、関東大震災で被害を受けて、百貨店業界は廃砂イメージだけではやってはいけないので、生活必需品の販売を始めた。そして、著者は、日本の百貨店は欧米と比較すると食料品の比率が高い特徴があり、震災後の復興の過程で、現在のような食料品を扱う「日本の百貨店」の原型が出来上がったと述べている。
厳しい百貨店業界。これからどう魅力をアピールしていくのか気になる。 -
Yotsuya
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ドバイ・アブダビに旅行に行った関係で、UAE関連の本を数冊読みましたが、本書が一番秀逸。著者は前UAE特命全権大使なので、UAE礼讃的内容になっているのは仕方ないにしても、UAEの魅力を伝えるという点については、しっかり深堀されており、説得力があって大変興味深く読みました。