幻惑の死と使途 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784062730112

作品紹介・あらすじ

「諸君が、一度でも私の名を呼べば、どんな密室からも抜け出してみせよう」いかなる状況からも奇跡の脱出を果たす天才奇術師・有里匠幻が衆人環視のショーの最中に殺された。しかも遺体は、霊柩車から消失。これは匠幻最後の脱出か?幾重にも重なる謎に秘められた真実を犀川・西之園の理系師弟が解明する。

感想・レビュー・書評

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  • 西之園萌絵が中々に探偵していた。

    自作は関連しているらしいので次も楽しみである。

    最後の引田天功氏の文章も興味深かった。

  • 今回はマジシャンの殺人事件。
    難解な理数系の話は少なく、マジシャン関係で手品のトリックがチラホラとあった。
    だからと言って、殺人トリックは簡単に推測できるようなことはなかった。
    むしろ全然分からなかったし、犯人がまさか?!という人だった。

    お話の中盤では萌絵が弱ってしまって、先生と会話するシーンがあったけど、とてもステキな話だった!

    これと同時並行で、萌絵の高校時代の友達が大変そうだけど、これは次作への伏線?
    早く次の巻も読みたい!

  • S&Mシリーズ6作目!
    今作は今までとどう違うとか
    そんな次元の話でなく
    そもそも奇数章しかないという
    トリッキー仕立て。

    中身はと言うと、
    いつもの知的な会話が少なめ…
    というかテーマがマジックだからか
    一貫してショーテイスト。
    効果音が聞こえてきそうなほど。

    S&Mならではの2人の知的な会話は
    当然あるけれど、少し物足りない。

    いつもの理系アプローチが少なかった印象。
    理系×ミステリーではなく
    マジック×ミステリーという感じ。
    普段より取っ付きやすい印象はあるけれど。

    萌絵も劇的な出演が多め。
    特にお決まりの謎解きタイムは演出過多では…?
    ちょっとお遊びが過ぎるというか…
    犀川も引っ張られたのか、いつもより前に出る感じ。

    S&Mは大好きだけど
    良い意味で人間味の無い感じが好きだったから
    今作の温度を感じる風味がなんとも…

    最後の最後のS&Mは良い。

    印象に残った言葉は
    「人は幻惑されたい生きものなのだ。」
    という序盤の部分。

  • 564ページ……中々読み応えがありました汗

    マジック×ミステリィ×生きる目的

    脱出ショー中に殺された、天才奇術師・有里匠幻。犯人、今回もノーマークな人過ぎて、びっくりびっくり笑笑

    ○印象に残ったフレーズ
    _________
    あることに熱中すると、それとは関係の無い事を学ぶことが出来る。
    _________
    作中ではスポーツや勉強を例に挙げていますが、
    森さんの作品も同じ。ミステリィを楽しむために読んでるのはもちろんなのですが、「人生」や「学問」、「仕事」…毎回、様々なことについて深く考えさせられます。
    「学び」や「気づき」という言葉で表されれば印象いいですが……もしかしたら、トリックから注意をそらせるための「ミスディレクション」でもあったりして……。

    今回は、「人は何のために生きるのか?」がポイントだったような気がします。
    犀川先生の回答、一瞬、ん?、となりましたが、納得。答えの数が無限に思えるような壮大なこの問いにも、理系・数学・論理的に導き出していく過程が面白いです。証明問題みたいです。一般化し、文字という数値で並べ、腹落ちする回答。言語化できてしまうことに驚きです…。

    萌絵ちゃん、犀川先生、人間味溢れる(?)周りのキャラクターにも愛着湧いてきました笑S&Mシリーズも後半戦……ゴールデンウィークで完走出来たらなぁ!

  • 今のところS&Mシリーズではこれが一番好き。
    というかこれが一番面白い。
    西之園萌絵ちゃんの活躍ががっつり堪能できる一冊。

  • と、登場人物一覧がないっ…!!(汗)
    幻惑から逃れるために、ぜひ登場人物を書き留めて読み進めることをオススメします。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    天才奇術師の有里匠幻(ありさとしょうげん)が、大衆を前にした密室トリックの最中に殺された。
    さらにその遺体は、葬儀中に消失してしまう…

    一体誰が、どんな方法でなんの目的に…?

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    S&Mシリーズ第6作。
    今回はなんと奇数章しかない、という見たことのない目次でしたが、なぜそうなっているのかは第1章の最後に書かれています。
    できればS&Mシリーズ第7作(いや、こちらも6作か?)「夏のレプリカ」を手元に置かれてから、読まれることをオススメします。
    なぜなら、「幻惑の死と使途」を読み終えたらすぐに「夏のレプリカ」を読み始めたくなると思われるからです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    さて本作には、いつもならあるはずの登場人物一覧がありませんでした。
    S&Mシリーズは登場人物がなかなか多く、しかもいわゆるキラキラネームの人物が多いので、登場人物一覧なしで読み進めることが難しいお話です。
    しかも今までは登場人物一覧がついていたのに、なぜ今回はないのか…
    仕方がないので、出てきた順に人物名をメモしながら読み進めましたが、マジシャン登場のお話であるゆえ、芸名と本名が違う人もおり、わたしのメモはなかなかの混乱ぷりでした。
    でも、真相らしきものを読んだとき、「この真相では登場人物一覧を置くことは難しかったのだろうな…」とも思いました。

    正直、密室殺人のトリックにはほとんど興味がわきませんでした。
    なので、トリックの説明部分も読みはしましたが、ほとんど頭には入っていません(苦笑)。

    むしろ知りたかったのは「誰がなぜそんなことをしたのか」ということでした。
    トリック部分は萌絵が、そして「誰がなぜそんなことをしたのか」ということは推測も交えながら犀川が説明していますが、犀川の言葉を読み、その意味をかみしめている時が一番、おもしろかったです。

  • 殺害現場がマジックショーのステージ、被害者がマジシャン、容疑者もマジシャン、怪しいポイントだらけで結末は全く読めず完全に騙された。
    犀川、萌絵、国枝助教授のキャラクターも回を重ねる毎に味が出てきて面白い。

  • 1997年作品

    どうしても、先入観を持ってしまって簡単なトリックを
    見過ごしてしまう。
    所々の犯人のセリフや犀川先生のヒントで、わかりそうだが
    、証拠を残さず可能か気になった。
    最近はDNA鑑定が進歩しているので、20年前もそれなりの技術があった気がしたが・・・。

    何処かで、フェードアウトできないのは性か。
    したたかな女性にのめりこんだのか?

    犀川先生の過去がわかるときがくるのか?あと1冊。

  • 『人間は幻惑されたい生きものなのだ。』-キーワードは【脱出】。数年越しの、読了。やっぱり好きだ。西之園萌絵と犀川創平。有里匠幻。偉大なマジシャン。貴方に大いに惑わされたよ。 萌絵と犀川。まだまだ気になる2人の未来にも。 -萌絵は考えた。本当にしたい話、一番したい話は明らかだったが、ラムネのビー玉みたいに、それはいつだって、言い出せない。-

  • 面白かった。今のところ、すべてがFになるの次に好きな作品。偶数章で構成された次作との繋がりも楽しみ。
    Gシリーズに出てくる加部谷さんが出てきて嬉しくなった。

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著者プロフィール

工学博士。1996年『すべてがFになる』で第1回メフィスト賞を受賞しデビュー。怜悧で知的な作風で人気を博する。「S&Mシリーズ」「Vシリーズ」(ともに講談社文庫)などのミステリィのほか「Wシリーズ」(講談社タイガ)や『スカイ・クロラ』(中公文庫)などのSF作品、エッセィ、新書も多数刊行。

「2023年 『馬鹿と嘘の弓 Fool Lie Bow』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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